<陸上:大阪マラソン>◇24日◇大阪府庁前−大阪城公園前(42・195キロ)
マラソン初挑戦の近藤亮太(25=三菱重工)が初マラソン日本最高となる日本男子歴代5位の2時間5分39秒で2位に入った。40キロ手前でペースを上げて前に出ると、残り1・2キロではアフリカ勢も抜いて先頭で引っ張る積極的なレースを展開。イフニリグ・アダン(エチオピア)にはゴール直前にかわされ、2秒差で優勝を逃したものの、今年9月の世界選手権東京大会の参加標準記録2時間6分30秒を突破し、代表入りへ前進した。
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力強い足取りでエチオピア勢に追いつき、追い越す。40キロ手前からペースを上げた近藤が、残り1・2キロ地点で先頭に立つ。両足はけいれんしていたが「残り2キロは気持ち」。ゴール直前にかわされたが、好記録を樹立した。「素直にうれしい」。目標の2時間8分0秒を大幅に上回る記録に、初々しい笑みを浮かべた。
マラソンを意識し始めたのは、中学時代だった。「800メートルや1500メートルで勝てなかった選手に3000メートルで勝てて。距離が延びれば、フルマラソンをやれば意外といけるんじゃないかと謎の自信があった」。長崎・島原高時代は全国高校駅伝の出場はない。順大時代は4年で箱根駅伝(22年)に初出場し、10区で区間14位。「(長距離への)自分に対する期待だけでやってこれた」とマラソンへの夢が競技生活の支えだった。
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三菱重工入社3年目の昨年12月に、念願かなってマラソン練習を開始。1月中旬からは約2週間、ニュージーランド合宿にも参加し、先輩の定方俊樹について走る40キロ走で実戦感覚を養った。「ガッツ、情熱があり、走りには無駄がない」と黒木総監督。マラソンを見据えて距離を踏む中で、トラックで課題としていた力みも自然となくなっていた。
レース前は考えもしなかった世界選手権も、現実味を帯び始めた。「(選出されたら)日本代表の名に恥じない走りをしたい」。約10年温めたマラソン挑戦で結果を残した男は「マラソンを軸」とした新たな陸上人生を歩み始める。【竹本穂乃加】
◆近藤亮太(こんどう・りょうた)1999年(平11)10月5日、長崎県生まれ。中学で陸上部入部。島原高3年時には、愛媛国体の5000メートルに出場。順大では4年時に箱根駅伝10区を走り区間14位。22年に三菱重工入社。ハーフマラソン自己ベストは1時間0分32秒。168センチ、54キロ。
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