「もうすぐ自閉症長男の高校卒業式」離婚、養育費打ち切りで、母ひとり必死に働き…ネット感涙「よく頑張りましたね」

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2025年02月25日 07:00  まいどなニュース

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母一人が必死に働き長男を卒業へ。約3年間のエピソードがXで話題に(photoACより「シャンシャンPanda」さん撮影、イメージ画像)

「ちょっと聞いて欲しい。もうすぐ自閉症長男の高校卒業式なのよね。『部活頑張りたい』と言って進学したのは私立高校。入学する時から父親は学費の支払いを放棄し、入学した年の年末に離婚。そこから一人でなんとか学校行かせ長男が高二の冬に元夫が脳内出血で植物状態になり養育費も終了…」

【写真】長男くんの母への手紙と、母が投稿した感謝の気持ち

自閉症の長男さんを私立高校に一人で働いて通わせてきてもうすぐ卒業式を迎えることを、3人のお子さんを育てるNatsumeさん(@himerdic)がX(旧Twitter)で報告。長男さんが高校に入学した年の年末に離婚し、その元夫が脳内出血で植物状態になり養育費も打ち切りになるなど波乱万丈の約3年を乗り越えて無事長男さんを卒業させることができるといいます。

「正社員だからひとり親手当もどんどん無くなっていき、子ども3人を抱えギリギリ生活を送る母を見て高校辞めて働くことも視野に入れていた長男。親の意地で部活も学校も辞めさせず最後まで行かせ、この度卒業を迎えます。人生で初めてくらいに必死に生きた数年。母ちゃん、頑張ったよ!!」

「もちろん彼の努力が一番なんだけど、自分のことも褒めてあげないとあかん気がした!」

Natsumeさんの親としての意地、そして長男さんの頑張りが実を結んだとのこと。そんな投稿には、感激する人たちからたくさんのコメントが寄せられるなど話題になりました。

「子供は親の背中を見て育つ 取り敢えずお疲れ様 幸あれ」

「子供は親の背中を見て育つ 取り敢えずお疲れ様 幸あれ」
「貴方の努力はとても立派です。よく頑張りましたね。頑張った人にはそれなりの幸せがいつかきっと扉を叩きます。貴方の長男が貴方の背中を観て成長したのが、何より良かったです。」
「夫が骨肉腫、子供が望むスポーツ系で私立ロードという似た目にあったんで苦しさお察ししますが、やり抜けて本当におめでとうございます。きっと頑張りの結果残った宝物も莫大だと思います。おそらく主様にも私にももうひと頑張りのシーズンがありますが勇気持っていきましょうね!」
「うちも、子ども3人。一人目看護学生、二人目サッカー特待で私立高校で寮生活。3人目小学生。養育費なしだし、フルタイムなので母子手当はゼロ。それでもいけてる私も褒めて欲しい」
「お母さんすごい!息子さんもすごい!良いなぁ自分は〜…の人はまずこの方々を讃えよう!」
「ご子息の高校卒業おめでとうございます。皆様がそれぞれに言葉では言い尽くせないくらい、たくさんの頑張りやご苦労があったことと思います。無理して体調を崩してもいけませんから、いざという時は国や地方自治体の援助など何か使えるものがないか確認してみてくださいね」

長男さんが高校入学から約3年間、どんな思いで乗り越えてきたのでしょうか…母親のNatsumeさんに聞きました。

卒業式目前、私立高校へ進学した長男 母や妹たちを思い…「高校を辞めて働くことも視野に入れていた」

――長男さん、看護学校に無事合格されたのですね。

「勉強面では苦手な教科も多い中、無事に卒業試験をクリアし2月下旬頃に卒業となります」

――長男さんを私立高校に入学させたが、養育費が止まってしまったと。

「元夫が脳内出血で倒れた時、当時中3の長女が高校受験の直前でした。この状況を知ったら高校進学を遠慮してしまうような優しい長女なので、子どもたちにはしばらく伝えずにいるつもりでした。しかし、普段わが子たちに『嘘隠しごとはせず正直に話すこと』と伝えてきた手前、隠し事をしていることの罪悪感に堪えられず自分が楽になるためにこっそり長男にだけ伝えることにしました」

――長男さんの反応は。

「話を聞いた長男はとても落ち着いており、初めて見る母の涙に驚いていたくらいでした。そして話の後に『妹には高校に入学するまで黙っておこう。何かあれば母と自分の二人で動こう』と提案してくれ、そんな立派な姿を見せられたら『自分がわが子たちを不安にさせたらあかん!』と我に返り、親の意地を見せてやろうと心に決めました。ちなみに、元夫の借金督促の電話なども長男と協力して春まで必死に隠し通しました」

――苦労する母の姿を見て高校を辞め働くことも考えたという長男さんの思いを知った時のお気持ちは?

「妹たちのことを大切に思っているお兄さんなので、自分よりも妹たちの将来を優先してほしいと思ったのでしょうね。正直親として情けなくて悔しかったです。『わが子を最後まで学校に行かせられないほど甲斐性なしのオカンと思っているんか?なめてもらったら困る。でも、末っ子ちゃんが君と同じ歳になる頃には甲斐性なしになっているかもしれんし、卒業して夢を叶えて働くようになったら母と一緒に末っ子ちゃんを学校に行かせてやって!』と笑いながら伝えました」

ひとり親手当が打ち切られても、必死に働いた母親…長男へ送る言葉とは

――長男さんも、もうすぐ高校卒業。卒業を迎えるにあたってのお気持ちは。

「大変でしたが、あっという間の3年間でした。必死に働けば働くほどさまざまなひとり親の手当が打ち切られ、かと言って他に働き手がいるわけではないので自分が無理をするしか選択肢がなく…今思えば毎日時間に追われて家事も子育てもいいかげんなものだったと思います。それでも長男と長女が学業の合間に家事を分担してくれたり、学童に通う末っ子のお迎えに行ってくれたり、家族に支えられて今日までやってこれました。離婚する前よりも家族の絆が深まったように感じます。必死でしたが、家族それぞれが成長した数年間でした」

――長男さんへ送る言葉、そしてこれからの彼の未来に対して励ましの言葉を。

「これまで君を育てるのはとてもとても大変でした。しかし、母は余裕で退屈な毎日よりも大変なくらいがちょうどいいので、とてもとてもドラマティックな18年間を楽しませてもらえたことを感謝しています。これまで発達特性から周りの子たちのようにうまくできないことが多く苦しいこともたくさんあったと思いますが、うまくできることよりも大切な『人としての優しさと誠実さ』が君にはしっかりあります。その優しさと誠実さを武器に、これからも周りの人たちを愛し愛される人生を送ってほしいです。高校卒業と成人を元気に迎えてくれてありがとうございます。おめでとう」

  ◇  ◇

長男さんのNatsumeさんへ感謝のお手紙(一部抜粋)

「母へ
3年間学校に通わせてくれ、18年間育ててくれてありがとう。今まで喧嘩をしたり迷惑をかけたこともたくさんあったけど、ずっと母に感謝していました。
(中略)
これまで色々な事で『辞めたい』と思うことがあったけど、母はそんな自分を止めることはせず『本当に辛かったらその時はいつでも逃げ出したらいい』と言ってくれました。その言葉のおかげで、自分に迷いがあることに気付き、本当にしんどければいつでも逃げられることの安心感で最後まで続けることができました。この言葉をこれからも大切にしたいです。
(以下略)」

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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