火炎瓶で車放火容疑＝官邸突入事件、男追送検―警視庁

　自民党本部と首相官邸が昨年１０月に相次いで襲撃された事件で、官邸前で車に火炎瓶を投げ燃やしたとして、警視庁公安部は２５日、火炎瓶処罰法違反と建造物等以外放火容疑で、職業不詳臼田敦伸容疑者（５０）を追送検した。捜査関係者への取材で分かった。

　臼田容疑者は、自民党本部前で警察官らに向けて火炎瓶を投げたとする殺人未遂容疑などで、昨年１１月に再逮捕された。東京地検は約３カ月間の鑑定留置の結果を踏まえ、勾留期限の２８日にもこれらの事件の起訴の可否を判断するとみられる。臼田容疑者は一貫して黙秘している。

　一連の事件は昨年１０月１９日朝に発生。臼田容疑者は軽自動車で東京・永田町の自民党本部前に乗り付け、警戒していた警察官らに向け手製の火炎瓶５本を投げるなどした。その後、約６５０メートル離れた官邸前の車両進入阻止用の柵に車で突入した。

　捜査関係者によると追送検容疑は、官邸前で自らの車に火炎瓶２本を投げ付け、車の一部を燃やした疑い。

　車にはガソリン入りポリタンクが１６個積まれ、総量は２００リットル近くあった。臼田容疑者は火炎瓶で引火させようとしたとみられるが車の一部が燃えたにとどまり、警察官に拳銃を向けられ投降。公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。