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(左から)パーソナリティの小山薫堂、中山祐次郎さん、宇賀なつみ
◆医師と作家の“二刀流”で大活躍
この日のゲスト・中山さんは1980年生まれ、神奈川県出身の44歳。現在、湘南東部総合病院に勤める傍ら、作家として小説やエッセイなどの執筆活動もされています。代表作の小説「泣くな研修医」(幻冬舎)シリーズは、累計64万部を突破。2021年にテレビ朝日系列にて連続テレビドラマ化されるなど、話題になりました。
一方、勤務する病院では、消化器外科医として、主に大腸がんの手術や抗がん剤をはじめとする治療全般を中心に専門としている中山さん。そもそもの医者になろうと思ったきっかけは、15歳のときにたまたま目にした新聞記事でした。
「東南アジアのある地域で、自分と同じくらいの年齢の少年・少女が(当時の内戦で)とてもひどい目にあっているという記事を読みまして、この不公平で不平等な感じを自分で“何とかしたい”と思ったんですね。その方法としていろいろ考えたなかで、一番現実的だったのが医者という職業でした。医者になって現地に訪れて、片っ端からどんどん傷ついた人を救いたい……そういうことを考えるようになりました」と振り返ります。
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その後、目指していた医師となり、現在は作家との“二刀流”をこなす中山さんは、昨年7月に「医者の父が息子に綴る 人生の扉をひらく鍵」(あさま社)を出版しました。
この本について、「もともと鹿児島県の地元の新聞社で月1回のエッセイを書かせていただいていたんです。私が鹿児島大学に通っていた関係で、その頃の思い出を振り返ったエッセイだったんですけど、そのエッセイから派生した形で、主に自分の失敗談をまとめて1冊にした本です」と説明します。
それを聞いた小山からは、「でも、タイトルが『医者の父が息子に綴る』という、誰かに宛てた手紙じゃないですか。最初から息子さんのために書こうと思って書かれたんですか?」との質問が。
中山さんは「そうですね」とうなずきつつ、「いま2歳と4歳の息子がおります。まだ(文章を)読むことはできないんですけど、(子どもたちが)大きくなったらもしかしたら読んでくれるかもしれないということで、直接2人に宛てた手紙をイメージして書きました」と思いを語ります。
「最初はエッセイをまとめて本にしようと思っていたのですが、本を作る段階で担当の編集者さんと『ただのエッセイ集では面白くない』『有名人でもない私が書いてもしょうがない』という話になり、それなら編集者さんと僕がお互いの子どもに読ませたくなるような本を手紙としてまとめて1冊にしよう、ということになったんです。そうすると、当然ですけど嘘も書けないし、盛ったようなことも書きづらい。本当に思っていることを、しかも押し付けがましくなく書かなければいけないと。私という父からの手紙として書きました」と中山さん。
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というのも、医師という職業柄、常日頃から生死と向き合っているからこそで、「自分より年上の方もたくさんおられますけど、場合によっては自分と同い年、自分より若い方をお見送りすることも少なくはないですから」と言います。
宇賀は「誰にもわからないですものね、自分の(人生の)残り時間がどのくらいなのか」とうなずきつつ、「15歳のときに“医師になりたい”と思って、そのときに思い描いていた医師になれているという実感はありますか?」と質問を投げかけます。
これに中山さんは「半分くらいは“なれているかな”と感じているのですが……」と前置きしたうえで、残りの半分を満たすには「15歳のときに抱いた、人を助けるために紛争地帯とかに行きたいという気持ちはいまもずっとあります。“いつか、いつか……”と思いながら44歳になってしまったんですけど。子どもがちょっと大きくなって、自分に万が一のことがあっても(子どもたちが)何とかなる歳になったら、絶対に行こうと思っています」と思いを明かしてくれました。
また、この日の放送では、「医者の父が息子に綴る 人生の扉をひらく鍵」の1節を宇賀が朗読する場面もありました。
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中山祐次郎さん著「医者の父が息子に綴る 人生の扉をひらく鍵」(あさま社)
<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00〜15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/
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