“卓球天使”として話題の菊池日菜(21)が25日、東京・築地の日刊スポーツ新聞社に降臨した。
全日本選手権出場の腕前を誇る卓球と、芸能活動を両立する女子大生。応援大使を務めるTリーグ・プレーオフ(PO=3月22〜23日、東京・代々木第二体育館)の注目ポイントをポケモンに例え、男女上位3チームで争う最終決戦を紹介し、選手の視点から魅力を伝えた。POは男女とも3月22日の準決勝で2、3位が激突。勝者が23日の決勝に進む。
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夕日に照らされた築地の本社屋上に“卓球天使”が舞い降りた。ポスターを手に、風でポニーテールを揺らした菊池の口調は、熱を帯びた。最終盤に入ったTリーグ。首位に立つ男子の彩たま、女子の日本ペイントだけがPO出場権を獲得し、残り2枠を懸けた争いが白熱している。日本最高峰を頭に浮かべ「卓球はポケモンカードのような魅力があります。たくさんの戦術があって、何のカードを出すかで流れも変わる。Tリーグの選手はカードをいっぱい持ちながら試合をしています」と力説した。
昨夏のパリ五輪では女子団体で銀メダル、シングルスでは早田ひな(日本生命)が銅メダルをつかんだ。28年ロサンゼルス五輪へ向けて、日本の卓球界全体にとっても新たな4年。菊池は、世界ランク8位と売り出し中の大藤沙月(日本ペイント)と同じ04年生まれで「勢いがすごい」と絶賛した。五輪団体メンバーで16歳の張本美和が所属する神奈川は暫定2位で「年下と思えないです。次元が違う。何であんなに速いボールが打てるんだろう…」。語り出すと、止まらない。
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自身のブレークのきっかけもTリーグだった。23年の開幕戦でボールガールを務め、撮影された写真がSNSで“バズ”った。X(旧ツイッター)のフォロワー数が3日間で3万人増。自然とついた“卓球天使”の愛称は「いまだに…」となじめないが「卓球を広げる活動は高校生の頃から考えていました。『もしかしたら、これで幅を広げられるかもしれない』と思いました」と前向きに捉えた。
卓球を始めたのは中学生と遅いが、全国常連の青森・五所川原商高(現下山学園)に進学。3年間は寮生活で「メークも恋愛もSNSも禁止。きのこみたいな髪形で打ち込みました。高校生の頃、今の自分は想像できません」と苦笑いしながら過去も明らかにした。
東京女子体育大に進学後は24年全日本選手権に混合ダブルスで出場。今春からの最終学年で2年ぶりの大舞台を目指す。自身の主戦場とは異なり、Tリーグは2勝2敗の最終第5試合を「ビクトリーマッチ」と名付け1ゲームで決着をつける。選手はもちろん、見る者も手に汗握る仕掛けだ。
「ミスをしないのはもちろん、少しの間、表情まで私のレベルとは違います。少しでも日常から『卓球』というワードが出て、Tリーグの戦いも興味を持ってもらえるとうれしいです」
POは両日とも降臨する予定。“卓球天使”はSNSも活用し、コートの外から盛り上げる。【松本航】
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◆菊池日菜(きくち・ひな)2004年(平16)2月11日、埼玉県生まれ。小学校まで器械運動に打ち込むが、中学では部がなく「友達がいたので」と卓球部に入部。競技で青森・五所川原商高へ越境進学した。シングルスでは県8強、3年時に団体戦のレギュラー入り。現在は東京女子体育大3年。集大成の1年へ「リーグ戦は2部残留、インカレと全日本選手権に出場したい」と決意する。趣味は食べ歩き。好きな食べ物は焼き肉。身長155センチ。
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