料金改定した「IIJmio」と「mineo」はどれだけお得？　5GB〜30GBの容量帯で比較してみた

　2024年10月にahamoがプランを改定して以降、スマホキャリア各社では料金プランの見直しが相次いでいます。2月にはIIJmioとmineoも料金プランの改定を発表しました。

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　そこで今回は、IIJmioとmineoの料金改定を踏まえ、契約者の多い月5〜10GBと最近競争が激しい30GB前後を中心に、どのキャリアがお得か料金を比較します。料金以外に検討すべきポイントもまとめたので、これからスマホキャリアの契約や乗り換えを検討している人はぜひ参考にしてください（料金は全て税込み）。

●IIJmioはギガプランを値下げと増量

　IIJmioは3月1日からギガプランを改訂します。月20GB／30GB／40GB／50GBのプランをそれぞれ5GB増量し、月25GB／35GB／45GB／55GBにします。また、月5GB／10GBと改定後の月35GBのプランを値下げします。

　特に「月5GBで月額950円」は、主要な通信サービスの中ではトップクラスの安さです。また月35GBが月額2400円となり、現在最激戦区となっている30GB前後の容量帯でもかなり競争力のある料金になりました。既にギガプランを契約中の人も3月1日から自動的に改定が適用されるので安心です。

　また、IIJmioは常時お得なキャンペーンを実施しており、契約から一定期間はさらにお得です。現在実施中のトクトクキャンペーン＋は3月1日からの新料金にも適用され、以下の特典が受けられます。

・月5GBと月10GBの料金が最大6カ月間割引

・通話定額オプションが最大7カ月無料

・データ容量が月10GB増量（10GB以上のプラン）

・他社から乗り換えでスマホが最安110円

●mineoは50GBプランを追加、マイそくも向上

　mineoも3月13日からプランを改訂します。月のデータ容量を選ぶプラン「マイピタ」では、新たに月50GBのコースを新設します。料金は月額2948円で、50GBコースの契約者は「パケット放題 Plus」「パスケット」「夜間フリー」が無料で使えます。特に夜間フリーが無料なのがポイントで、自宅にWi-Fiがない人でも夜間なら容量を気にせずデータ通信できます。

・パケット放題 Plus：mineoスイッチONの低速状態でも最大1.5Mbpsで通信可能（通常は200kbps）

・パスケット：余ったデータ容量をためることで無期限に繰り越しできる

・夜間フリー：毎日22時30分から翌朝7時30分までデータ容量を消費しない

　使い放題プランの「マイそく」では、最大3Mbpsで使い放題だったプレミアムを、月額2200円の料金据え置きで速度を最大5Mbpsにします。YouTubeなどの動画をフルHD画質で見る場合、3Mbpsだとややギリギリでしたが、5Mbpsなら安心して快適に視聴できるでしょう。

　また、平日（月〜金）の12時台の通信速度を、最大32kbpsから最大200kbpsに変更します。32kbpsは電話以外ほとんど何もできない速度でしたが、200kbpsならバーコード決済の画面表示や音楽ストリーミングなど、できることが増えます。

●5〜10GBのプランはどこがお得？

　今回のIJmioとmineoのプラン改定を踏まえると、どのキャリアがお得でしょうか。まずは契約者数が多い月5GBのプランを見てみましょう。

　月5GBはIIJmioのギガプランが月額950円で最も安いです。もともと月額990円でしたが、今回のプラン改定による値下げで月40円安くなりました。ただ、NUROモバイルもオススメです。月5GBのVMプラン（月額990円）はIIJmioより月40円高いものの、「Gigaプラス」により3カ月ごとにデータ容量が3GBもらえます。実質月6GBで990円なので、5GBで足りない人はNUROモバイルも検討しましょう。

　一方、mineoのマイピタ（5GB）は月額1518円と割高です。小容量帯で安いイメージがある日本通信も、月5GB使う場合は月額1170円となり、IIJmioに比べると月220円高くなります。

　次に、月10GB使う場合はどこがお得でしょうか。

　月10GBのプランもあまり選択肢がなく、主要なキャリアではIIJmio、NUROモバイル、mineoとLINEMOベストプランくらいです。この4つを比較すると、料金は月額1400円のIIJmioが最安す。ただ、NUROモバイルのVLプラン（月額1485円）はIIJmioより月85円高いものの、「Gigaプラス」により3カ月ごとにデータ容量が6GBもらえます。実質月12GBで1485円なので、10GBで足りない人はNUROモバイルがお得です。mineoは月額1958円とIIJmioより月500円以上高いので、よほどの理由がない限りIIJmioを選ぶのがよいでしょう。

　通信速度にこだわる人はLINEMOを選んでもよいですが、料金は月額2090円とIIJmioより月690円も高いです。この差なら、通信速度を重要視する筆者でもIIJmioを選ぶかなと思います。LINEMOはデータ使用量が月3GBカ月30GBの人にはオススメですが、それ以外の人にはあまりオススメできません。

●月20〜30GBのプランはどこがお得？

　最後は、最近競争が激しい月30GB前後の容量帯の比較です。

　IIJmioは今回のプラン改定で月25GBが月額2000円、月35GBが月額2400円になりました。この容量帯では月30GBと5分かけ放題で月額2970円のahamoやLINEMOが人気ですが、IIJmioも十分対抗できる料金になったと思います。IIJmioは「料金にかけ放題が含まれていない」「昼や夕方に速度が遅くなる」といった点はデメリットですが、「データが繰り越せる」「容量を毎月変更できる」「基本通話料金が税込11円／30秒と安い」などのメリットもあり、IIJmioの方がお得という人も多いでしょう。

　一方、mineoの20GBコースは月額2178円と、日本通信（20GBが月額1390円）やIIJmio（25GBが月額2000円）と比べると、それほどお得には見えません。ただし、20GBコースの契約者はmineoスイッチをオンにすれば容量を消費せずに最大1.5Mbpsで通信できる「パケット放題 Plus」が無料で使えます。1.5Mbps程度の速度が出ればYouTubeも標準画質で詰まらずに視聴できます。よって、mineoの20GBコースは月20GB使う人向けというより、動画視聴などでデータをたくさん消費する人にお得なプランといえます。

●料金以外の検討ポイントも

　スマホキャリアを選ぶ際には、料金以外にも検討すべき点があります。

・通信速度

・容量超過後の最大速度

・通話料金

・データの繰り越し機能

・低速モードの有無

・低速通信の容量制限

・店舗サポートの有無

・取り扱い端末数

・キャンペーン　など

　特に注意すべきは通信速度です。ahamo、LINEMOなどのオンライン専用プランや、Y!mobile、UQ mobileなどのサブブランドは大手キャリアと同じ通信品質で、1日中快適に通信できます。一方、IIJmio、mineo、日本通信などのMVNOは昼や夕方に速度が遅くなる場合があります。

　ただ、筆者は自身の運営サイトで各キャリアの通信速度を毎月測定しており、以前はMVNOは昼12時台に1Mbps以下になることがほとんどだったのに対し、最近は2〜3Mbpsは出るようになりました。2〜3Mbpsほど出ればYouTubeなどの動画も詰まらずに視聴できるので、ほとんどの人は昼でも影響を受けずに利用できます。そもそも、電話、メール、LINEや簡単なアプリの利用が中心のライトユーザーはそこまで速度は必要ありません。MVNOは速度が遅くなる分だけ価格が安いので、自分に必要な速度と料金のバランスを検討しましょう。

　IIJmioやmineoでは余ったデータ容量を翌月に繰り越せます。繰り越しデータがたまってきたら、1つ小さい容量のプランに変更することで、料金を抑えることも可能です。

　さらに、IIJmioにもmineoにも低速モードがあり、音楽ストリーミングやラジオ視聴時に低速モードをONにすれば容量を消費せずに通信できます。こういったMVNO特有のサービスをうまく活用すれば、料金が他社より高くても、実際にはお得になる場合も多いでしょう。

　また、スマホキャリアの契約時は必ずキャンペーンを確認してください。IIJmioは常時お得なキャンペーンを実施しており、契約から一定期間は基本料金や通話オプションが割引されたり、データが増量されたりすることも多いです。MNPならスマホが110円から買えるスマホセールも人気ですね。

　mineoはキャンペーンの実施頻度は少ないものの、現在は6月3日まで月20GB以下のコースならどれを選んでも料金が最大6カ月間、月額990円で使える「春のマイネオ割」を実施しています。このようなキャンペーンを含めれば、キャンペーンをあまり実施しない日本通信やahamoよりもお得な場合もあります。

　スマホキャリアは料金だけでなく、付加サービス、キャンペーン、サポートなどさまざまな検討ポイントがあります。自分に合ったキャリアを選ぶために、まずは自身の日頃のデータ使用量、通話時間や重要視するポイント／しないポイントをしっかり把握することが大切です。

著者プロフィール

シムラボ

　「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。

・Twitter（現X）：@simlabo_jp

・サイト：https://www.simlabo.jp/