DeNA・関根大気「セカンドキャリアという感覚がない」メキシコリーグから野球とビジネスに通じる“学び”

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2025年02月26日 11:57  TBS NEWS DIG

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DeNAの関根大気外野手(29)が野球とビジネスの“二刀流”という異例の挑戦をスタートさせてから約4か月が経った。関根は昨年10月、横浜市磯子区に児童発達支援・放課後等デイサービス『グローブ』を開所。野球とビジネスの「どっちも全力」と話し、「セカンドキャリアという感覚がない」と事業開始からの気持ちの変化を明かした。(第2回/全2回)

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Q.施設名を『グローブ』と名付けた理由と、ロゴの意味は。

関根大気選手:僕個人の考えですけど、意味のあるものがすごく好きで。ただかっこいいから、ただかわいいからっていうのは感覚的にないんですよ。全てに意味を持たせたいので、まず一つそれを考えたときに、野球の部分を出すのか出さないのか。せっかくだから伝わりやすいし、その部分を出していこうということで、「ボール」、「バット」、「グローブ」、「スパイク」。いろんなものがあると思うんですけど、自分の思いの部分の意味と重なるものって何だろうってときに、「グローブ」という言葉の中に、すごく僕の思いに繋がるところがあるなと思って、ガンときた。じゃあ「グローブ」の綴りを英語にしてみたら、「球体」とか「受け止め」、「グローバル」っていう言葉がある。「グローバル」は、僕は海外とかいろんなところに行ったりしてるし、そういうところに繋がるなって思って。ローマ字表記とか英字になっちゃうと意味が断定されてしまう。カタカナだったら、どっちの意味にもとれるし、そういうところまで考えて、「グローブ」にしました。ロゴでいうと、野球の感覚の話で。僕は、左利きで右手にグローブをつけるんですよ。グローブのちっちゃい方の先の左側の方が親指の部分なんですよ、で、人差し指。だからグローブの部分を表してるっていうのが、形でいうとまず一点。

Q.手の形っていうことですね。

関根:そう、手の人差し指と親指の部分をかたどっていて。文字のところでいうと、「グ」の濁点を右肩上がりにしてるのは、子供たちの成長をイメージしていて、大きさも色もそうだし、多様な魅力をもつ子供たちをを表している。「ブ」は、「メガホン」をイメージしてるんですよ。僕は皆さんにいろんな声をいただいて、声援をもらって何とか野球をやらさせてもらえてきてて、それによっていろんな喜び、幸せを感じさせてもらった。だから僕も次は与えられるようになりたいなっていう思いを込めて、ここに「メガホン」をいれました。色合いに関しては、ピンクはやっぱり愛情だったり、そういう感覚が僕にはあるから、愛ある色がいいなと思って、ピンクにさせてもらいました。

Q.黄色と青は?

関根:黄色に関しては、僕にとって明るさや輝きを象徴する色。エネルギーを感じる色と信じているので入れたかった。青に関しては、ベイスターズの感覚があって、横浜の青。海も含めて青は入れたいなっていうところからです。

Q.ロゴにもやっぱり野球の要素が盛りだくさんですね。ビジネスをやってみて野球に通じていること、野球からもそうですけど、ビジネスからも野球に通じて「ここを活かせる」と感じたことはありますか。

関根:(DeNAで)僕は去年から選手会(の役員)に入ったんですけど、「今までの選手会の皆さんももちろんよかった、Goodだった」と球団が評価してくれています。ですけど、「今年はより良い、Greatになってきている」という言葉をいただいています。選手の環境のために、勝ちを生むためにできること、環境設定をしていこうと思う中でのコミュニケーションなどの部分がすごく活きてきていると感じています。会長の大貫(晋一、31)さん、桑原(将志、31)さんなど経験豊富な方々の力も大いにあってのことです。継続してよりよく丁寧に取り組みたいことの一つです。

Q.周りの選手とか球団からはこのビジネスに対して何か言われたりしましたか。

関根:選手は、元々野球以外の分野などにも興味がある方とはよく話します。球団からは本当にありがたいですけど、サポートしていただいている。サポートっていうのは、僕が療育施設の活動するにあたっての部分を許可いただいてやらせてもらってるっていうところ。萩原龍大チーム統括本部長からも「応援してます。万が一うまくいかないとき、いつでも頼ってください。私たちはファミリーなので」と言っていただけた。いろんな温かいお言葉をかけてもらったおかげで、ビジネスももちろん100%やりますけど、野球も何とか球団に恩返ししないといけないなっていう強い気持ちを持って過ごし、取り組ませてもらってます。

Q.いつかユニホームを脱ぐときが来たとして、この事業自体をセカンドキャリアとして考えてますか。

関根:1、2って話じゃないっていう感覚が自分の中にあって。野球は野球だけど、別に今、じゃあどっちが本職って言われても、どっちも僕からしたら大切なことだから、1とか2がないというか、どっちも全力。こっちも本当にサポートしてもらいながらですけど、だから、“セカンドキャリア”という感覚がないんだなって思いました。

Q.セカンドキャリアっていう言葉自体にっていうことですか?

関根:そう。その言葉のようなことではなく、今、その時やらせていただいてる活動のところでっていう感覚になってきました。管理者がいて、日々ここで働いてくださるグローブスタッフがいて。働きたいのにこの職がなくなったらいけないと思うから、じゃあここをどうするかって考えないといけないじゃないですか。それを僕がユニフォームを脱ぐ時もやってるでしょうし、子供たちにとってもそうだし、働き手にとってもより良くっていうのを、野球が終わる終わらない関係なく常にやり続ける。 現役じゃなくなったとしても、時間の使い方は変わると思いますけど、その時もここの課題について取り組むし、他にどんな振れ幅があるのかわからないけど、そのときの選択肢の中でまた自分にできることを選択していくと思います。

Q.このビジネスにおいて今後の目標は今の時点でありますか。

関根:まず『グローブ』のスタッフやお子さんたちにとって、満足度の向上と需要に対する適切なアプローチが重要だと考えています。この施設を必要としている人たちに『グローブ』があることを知ってもらうことが大切。また、『グローブ』を通じて、スタッフの皆さんの人生をより良いものにしていく責任があると感じています。そのためにも、皆さんともっと会話をし、僕自身の考えが正解というわけではないですが、対話を通じて新たな視点や気づきを共有し、引き出しを増やすきっかけになれたら嬉しいです。現在、管理者を含めた『グローブ』のスタッフが、それぞれの成長のために多くの課題に向き合い、真剣に取り組んでくれています。その努力が、お子さんや親御さんにとってプラスを生む素晴らしい取り組みになっていると感じています。『グローブ』では、スタッフ一人一人が良いエネルギーを持って取り組める環境をつくることが最も大切だと考えています。

Q.横浜市磯子区という場所に開所したのはやっぱり横浜だからですか?

関根:それはありますね。球団にとてつもなくお世話になってますし、この地域に何か貢献出来たらという想いです。

「崩れてたかもしれない」オフ恒例のメキシコ遠征から学ぶこと

Q.今オフもメキシコに行ってたと思うんですけど、ビジネスに通じてる学びというか、メキシコに行く意味があれば教えていただけたら。

関根:メキシコでの経験は、僕にとって非常に貴重な学びの場となっています。日本では当たり前に存在するものが、メキシコでは本当に存在しないことがあります。そのような環境で、彼らは不足を受け入れ、限られた選択肢の中で工夫しながら生活しています。この姿勢から、多くのことを学ぶことができます。また、言葉の違いも大きな学びです。野球界で使われる言葉や、日常生活でお世話になっている家族が使う言葉など、さまざまな表現に触れることで、自分の引き出しが増え、価値観が広がっていくと感じています。メキシコで出会う素敵な言葉や表現に触れることが、僕にとって大きな学びとなっています。

Q.昨オフにメキシコに行っていたときは、メキシコリーグで首位打者も獲得されましたよね。

関根:去年は、個人は良かったけど、チームは駄目だった。けど今年は一時期個人もダメで、チームもダメな時期があった。ただそのときにみんながどんな言葉を使ってたのか、僕自身がふと言った言葉に対して、ちゃんと肯定してくれる言葉とか、いろんな言葉をもらって。そういうところを学んでるし、今回すごく苦しかったですけど、そのときはそのときなりの新しい言葉をもらえたりっていうところからですね。今回すごくいろんな意味で人生の学びは多かった。うまくいかなかったときも、「来年自分は絶対日本でこうなる」と思ってるところがあったから一歩踏み出せるところもあったし。それをもってなかったらあの瞬間、多分崩れてたかもしれないと思うくらいきつかったし、だからそこの言葉、言語化できていたというか。一時的なゴールじゃないけど、そこを持つことは大切だなって改めて学ぶことができました。漠然としてたらダメで、具体的に「こうする」を持ってたから、あの場面で一歩踏み出せたなとか、そのときにもらったこの言葉がよかったから一踏み出せたなとか、ビジネスとかどうこうよりはそういう人生的なところでの学びが多かったです。また技術的なことも野球ですので、今回かなりトライしたかったことがあって、それはうまくいかないこともありましたけど、最終的には整った。だから、そこはすごく大きかったですね。

Q.何かトライしたいことがあったんですね。

関根:めちゃくちゃありましたね。最後の試合でも、例えば打席の位置を大幅に変えたりとかして、最後の最後までトライしてました。「ここを変えたらいいんじゃないか」というのがバンバン出てくるので。もう僕みたいな立場だと、日本のシーズンに入ってオープン戦があって、公式戦までは、多分多くて3打席とかで見限られる。じゃあ2軍から始めましょうってなったときに、この3打席では試せないじゃないですか何も。だから僕は向こうに行って、100何十打席立って、100何十打席試すことを選択している。それがあったから最後の最終戦、変更してあの感覚をもらえたと思ってるんですけど、これが海外に行って実戦経験を選択する良い部分だと思っています。練習でどんだけ良くても、試合で結果が出るから、「練習のあの場面で俺はできてたけど試合でこうなった。ということは試合のときにはこうしないといけない」とかを実戦でやらないと僕はわからないことが多いです。だから僕は実戦をとりたい。このオフの3か月っていうものを練習だけだったら、多分今回の最後のところまで僕は行けてないので、実践を選択してよかったと思っている。それをすることによって日本のシーズンのところまでにサイクルを多く回せるのでそれをシーズンまでに整えていきたいです。

Q.具体的にトライして得たことはなんですか?

関根:まずはインパクトでのエネルギー量を増やせたこと。元々何個か仮説を持って行ってたんですけど、最終的には思ってもみなかった方法で、そこにたどり着いたって感じです。だから練習だけやってたら出なかったこと。試合の中でやって、「ああ、うまくいかないな」とかいっぱいある中で、いろんな言葉をもらって、「せっかくこっちに来てるし、メキシコの人に言われたことをやってみようかな」で、たどり着いた。だから去年の秋からずっと「絶対こうするため」って思ってやってたけど、そこの要素はあるけど、結論は全く違うところから。ゴールはそこにあったって感じです。ゴールは求めてたもの、ただ技術は違うところから借りてきたっていう感じです。あとこれをちゃんと日本のいろんなボールに対してやっていかないといけないと思うので、そこを完成させる期間にキャンプはなりました。

Q.今季の意気込みをお願いします。

関根:ただただ結果が必要で、内容が良くても3打数0安打だったらダメなので。野球の打席でいうと、いかに“H”ランプをつけるか。あと守備率100%は絶対マストだし、そこを必ずつかみとる。ゴールの数字は正直わからないですけど、試合数打席数をベイスターズで戦う素晴らしい選手たちから奪い取る。それを虎視眈々と準備します。必ずいろんな流れがあるので、その流れのところで自分が確実にとる。それをできるかどうかで、ユニフォームを脱ぐ、脱がないになってくるのかなと思います。

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