警戒心MAX…ぴったり寄り添う白と黒の保護犬 「一匹でも、二匹でも、同じじゃない?」夫の“あっけらかんとした一言”でそろって家族に

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2025年02月26日 12:50  まいどなニュース

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保護ボランティアさんのお家でケージに入ってぴったりくっ付く白ちゃん(手前)と黒ちゃん(奥)(画像提供:白と黒のいぬさん)

先代犬を見送ったとき、“命の尊さ”を痛感したというX(ツイッター)ユーザー・白と黒のいぬさん(@ocerodog)。「次に迎える子は保護犬にしよう」と心に決めていたといいます。

【お迎え当時と現在…写真と動画】怯えていた2匹も…しっぽを振って感情を表現できるようになりました!

「なかなか生活状況が落ち着かず、お迎えすることができずにいました。まもなくしてコロナ禍に……。夫婦共々、在宅で仕事をするようになったため、夫と話し合い『思い切ってこのタイミングで保護犬を迎えよう』と結論したのです」

思いがけない提案に驚き

こうして、保護犬、保護猫の譲渡サイトでご縁を探し始めた飼い主さん。ある日、生後10カ月の女の子「白(しろ)」ちゃんに目が留まり、保護主さんへ連絡して会いにいきました。

すると、白ちゃんのそばには、生後5カ月の男の子「黒(くろ)」くんがぴったりとくっ付いていたのです。

「私たちのことを怖がって、おやつを差し出しても食べず、ケージの中で寄り添って固まっていました」

そして、ボランティアさんから「二匹は兄弟ではないものの、とても仲が良い。できれば、二匹一緒に迎えてもらえるとうれしい」と言われたそうです。突然の申し出だったため、その場では返事を待ってもらうことにしました。

当初、飼い主さんは一匹だけお迎えする予定だったため、とても悩んだといいます。そして、夫の言葉に背中を押されました。

「夫が『一匹でも、二匹でも、同じじゃない?』と一言。そのあっけらかんとした言葉に後押しされて、私も『一緒にお迎えするのも良いかもしれない』と思うようになったのです」

こうして2021年10月25日、白ちゃんと黒くんは、二匹一緒に飼い主さんの家族になりました。

保護後の生活「大変だったこと/うれしかったこと」

白ちゃんは、かつて母犬とともに保護されました。ところが母犬だけが連れ去られ、ひとりぼっちに……。白ちゃんは、精神的にショックを受けていたといいます。

「白は、保健所で殺処分される寸前でだったところを、ボランティアさんに引き出されました。一方、黒は別の施設にいましたが、のちに白と同じ保護団体に引き取られ、ふたりはそこで初めて出会ったそうです」

今、白ちゃんと黒くんは、飼い主さん夫婦の家で暮らしていますが、両親も大の犬好き。ただ、年齢などを考えると保護犬を迎えることは難しかったため、ある秘策を考えたそうです。

「私たちが主体となって育て、両親はたまに一週間ほど預かるというスタイルをとっています。今流行りの二拠点生活ですね。初めは両親がうちに来ても怖くて近寄りもせず、遠くから眺めているだけでしたが、今や大好きすぎて名前を聞いただけで大喜び、会うと“うれしょん”するほど“両親ラブ”になりました」

警戒心を乗り越えたふたりの成長

飼い主さんに「当初、大変だったこと」を聞くと、次のように答えてくれました。

「極度の警戒心です。特に白は、警戒心が強くなかなか慣れてくれませんでした。目はうつろ、近づかない、シッポを振らないなど……。完全シャットアウトです。トイレもシートの上でうまくできず、たまに吐くこともありました。一方、黒はすぐ慣れたように思いましたが、内に秘めていたようです。ストレスでよくおなかを下していました。距離がまったく縮まらない上に、毎日、排泄の掃除とお世話をして、私たちも疲れてしまい『育犬ノイローゼってこういうことかも』と思いました」

それも半年が過ぎるころ、白ちゃんと黒くんに変化が見られました。

「白がついにシッポを振り、感情を見せてくれたのです。その瞬間のうれしさは、今でも鮮明に覚えています。黒は人の話をよく聞き、コミュニケーション能力が高い子。基本的なコマンドもマスターしていますが、人間の言葉を理解しているかのように、こちらの意図を汲んで行動してくれます」

当初、白ちゃんは野犬としての本能に駆り立てられるように、朝はケージの上に乗り、ダイニングテーブルに飛び乗り……“跳躍活動”に勤しんでいましたが、今ではすっかり落ち着いています。

ふたりと歩むこれからの日々

現在、白ちゃんは食いしん坊で、おやつを見つけると飼い主さんにぴったりとくっ付いてくるそうです。

「当初は、あれほど避けていたのに、今では『きゅんきゅん』と鳴いて甘えてきます。自由奔放なところもあり、牡蠣のクッションをほじくって中身をぶちまけたこともありました(笑)」

一方、黒くんは王子様のような性格。初対面のときから愛想が良く、かまってほしいときは白ちゃんを押しのけて来ることも。

「黒は、人間が話す言葉を理解しているようで、『一緒に寝たいな』と言うと、ベッドにやって来て寝てくれます。父のことが大好きで、会うと毎回“うれしょん”してしまいます(笑)」

飼い主さんは、白ちゃんと黒くんへの思いについて、次のように語ってくれました。

「施設にいたころの不安な気持ちは忘れて、我が家でのびのびと過ごしてくれたら嬉しいです。この3年間、ゆっくりではありますが、野犬だった二匹が少しずつ人との生活に慣れてきてくれました。我が家が白と黒にとって幸せな場所になるよう、これからも整えていきたいですね。ただし……朝4時半に、おなかの上に飛び乗って起こすのだけは勘弁してほしい。白は13キロ、黒は14キロもあるので(笑)」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

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