『夫の元不倫相手とルームシェアしています』(原作:風沢氷花 漫画:兎月メイ/KADOKAWA) 「あなたは夫に不倫されたらどうしますか? 激怒、号泣、それとも復讐? 私はーー夫の元不倫相手と一緒に住んでいます」という衝撃的なモノローグで始まる漫画『夫の元不倫相手とルームシェアしています』(原作:風沢氷花 漫画:兎月メイ/KADOKAWA)。夫に不倫された主人公・有里と夫の元不倫相手・マイカ、そして有里の友人・華奈の奇妙な共同生活で築かれていく不思議な関係性から目が離せない異色作だ。「3人の女性がそれぞれ選ぶ道を見届けていただけたら」と語る原作者・風沢氷花さんに、三様のキャラクターに込めた想い、見どころについて聞いた。
【画像】「週2パートのくせに?」と妻にマウントをとる不倫夫■『夫の元不倫相手とルームシェアしています』原作者・風沢氷花さんインタビュー
――夫に不倫された主人公の有里。彼女はどんなキャラクターでしょうか。
【風沢氷花さん】有里は妊活のために正社員を辞めた32歳の女性です。妊活を強いた自分に責任を感じ、夫の不倫を一度許した過去があります。自分を押し殺してしまうことの多い主人公ですが、周囲とのかかわりの中で気づきを得て変わっていく姿を見守っていただけたら嬉しいです。
――元不倫相手として登場するマイカはどんな女性ですか?
【風沢氷花さん】マイカはミステリアスな銀髪の女性です。主人公の親友と同じシェアハウスに住んでいるのですが、驚きの言動で毎回主人公を戸惑わせます。はたして彼女はなにを考えているのか……是非マイカの真相に迫ってみてください!
――スーパーで知り合った男性から「知ろうとしないのは損」と指摘され、友人にも「夫のことも知ろうとしてないんじゃないか」と核心を突かれる有里。このシーンで描きたかったことはどんなことだったのでしょうか。
【風沢氷花さん】人間関係で一番もったいないのはすれ違いだと考えています。「相手が本当はどう考えているのか」を知らないままだと自分の本心にも気づくことができないため、まずは他者の理解をすることが大切というメッセージを込めました。
――本作では、主人公の有里、友人の華奈、元不倫相手のマイカの不思議な関係性も物語の大事な部分となっています。彼女たちの関係、そして成長についてどう描かれていくのでしょうか。
【風沢氷花さん】性格も生い立ちも違う彼女たちは三者三様の考えを持っていますが、ひとつ屋根の下で生活する中で互いの言動に大きな影響を受けて変化していきます。特に14人連続で浮気されて死のうとする華奈は破天荒なイメージとは裏腹に核心をついたことを言うので、是非ご注目ください!3人の女性がそれぞれ選ぶ道を見届けていただけたら嬉しいです。
――本作の中で、風沢さんの印象に残っているエピソードや一場面を教えていただけますでしょうか。
【風沢氷花さん】あることがきっかけで有里とマイカがラブホテルで2人きりになるシーンです。今まで自分の思いを言えずにいた有里が感情的になったり、マイカの衝撃の過去が明らかになったり……キャラクターの本音や本作の真相に迫るので、読み応えのある展開になっています。2人の心の機微や変化する関係性を楽しんでいただけたら幸いです。
――最後に、本書を手に取る読者のみなさんへ、メッセージをお願いいたします。
【風沢氷花さん】インパクトの強い題材ではありますが、繊細な心理描写を心がけたので主人公に共感しながら楽しんでいただけると思います。漫画家様のイラストも大変素敵で、キャラクターが表情豊かに生き生きと描かれています。また、他の不倫ものにはない意外な展開や読み心地も意識しているので、満足度の高い読後感になっていると思います。冒頭から衝撃の展開が続きますが、スカッと晴れやかな気持ちになる最後まで是非一気読みしてみてください!