伝説的“お笑いバトル”で明らかに…「テレビ関係者から期待される芸人/評価を落とした芸人」の全実名

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2025年02月27日 09:00  女子SPA!

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女子SPA!

(画像:『イロモネア』TVer配信ページより)
2月24日に、ウッチャンナンチャンがMCを務めるバラエティ特番『ウンナン極限ネタバトル!ザ・イロモネア〜笑わせたら100万円〜』(TBS系)が放送された。約8年ぶりに『イロモネア』が復活し、多くの人気芸人が極限状態のお笑いバトルに挑戦することになった。

◆芸人の実力が試される番組、TV関係者が注目

この番組は、簡単に説明するとお題に「一発ギャグ」「ショートコント」「モノマネ」「モノボケ」「サイレント」を設定。60秒の持ち時間で、ランダムに選ばれた観客を笑わせるとステージ突破となる。

お題を見てもわかる通り、オールジャンルの笑いを挑戦者は求められる。全てにおいてハイレベルなスキルが必要で、芸人としての実力が試される番組だ。

また、テレビ関係者の注目度も高く、『イロモネア』がキッカケで売れるなんてケースもある。そこで、すべての芸人の挑戦を見た元テレビ局スタッフが、輝いていた芸人と、評価を落とした芸人を独断と偏見でピックアップし、今後の活躍まで勝手に予測したい。

◆錦鯉のツッコミ芸人に注目

まず、評価を上げた芸人を独断と偏見で紹介する。一番輝いていたのは、サプライズで登場したバナナマンだが、迫る勢いだったのが、M-1王者である錦鯉だ。

錦鯉はチャレンジを達成して賞金をゲットしたが、注目すべきはツッコミ・渡辺隆。

渡辺は大ボケを繰り返す長谷川雅紀の影に隠れがちだが、錦鯉の頭脳として高いスキルを持っている。今回も、普通のサラリーマンにしか見えないビジュアルを活かし笑いを連発。また、長谷川の泳がせ方もうまく緊張感あるステージで落ち着いた動きを見せた。

渡辺は現在、『ゴッドタン』などを手がける佐久間宣行プロデューサーのYouTubeチャンネルでのギャルに罵倒される企画をきっかけに、ドMすぎるキャラが認知され始めている。

密かに人気があがり始めている渡辺は、今後はロケでもっと普通のサラリーマンネタを入れ込めば、さらにブレイクする可能性大。また、そのうえでドMキャラも全開にすれば人気は急上昇する。

テレビ関係者はキャラクターがわかりやすいボケの長谷川ばかりで無く、渡辺を取り上げる企画を練ってほしいと願う。

◆さや香やラランドの“じゃない方”芸人が輝いた

続いて注目したのが、さや香だ。さや香は最終ステージで失敗したが、爆発力がすごかった。「サイレント」以外は、40秒近く残す形でどれもフィニッシュ。しかも、石井が得意とするダンスをしっかり活かした構成で、特性を見せることに成功した。

今回の挑戦で感じたのは、2人のコンビネーションの良さだ。お笑いを作るうえでの2人のタイミングの取り方がうまく、阿吽(あうん)の呼吸で、「モノボケ」や「一発ギャグ」では、相方のボケを増幅させる合いの手を入れている。

今回の放送で思ったのは、さや香の冠番組をもっと見たいということ。不仲がクローズアップされがちだが、コンビとしての相性は良くまだ見せていない輝きを感じる。特に、ピンでの番組出演が現状で多い新山より、石井を活かせるようにすれば、さらにバラエティ番組で無双の強さを見せそうだ。

他にも注目すべきは、ラランド。最終ステージで失敗したが凄みを見せた。彼らのYouTubeはじめ動画配信などではおなじみだが、ツッコミ・ニシダのポテンシャルが高い。

現在はクズ芸人という取り上げられ方の多いニシダだが、プレイヤーとしてのスキルはピカイチだ。今回の「ショートコント」で見せたチンポジを直す彼氏など、サーヤが作り出す世界観を完璧に演じることができる。

ニシダはもっとロケ番組やリアクション芸を見せられる番組で活躍できるし、その片鱗を今回の『イロモネア』で見せた。

また、「ずん」はやすの得体のしれないおもしろさを確認でき、「ハナコ」では菊田竜大の爆発力を見られるなど、今回の放送では、どちらかというとコンビ・トリオで目立たない芸人の魅力が伝わったのではないかと考える。

◆有吉弘行らのスカし芸には疑問。EXITやキンタロー。は改善点も

一方で、イマイチだったのが有吉弘行率いる「チーム太田プロ」だ。チャレンジは達成したものの、有吉が常に恐縮しながらネタをするという動きで、一緒に登場したアルコ&ピースなどは何もしないスカし芸。『イロモネア』は純粋に芸を見たい番組なので、この展開を良しとするのはいかがなものかと感じる。

また、1stチャレンジで失敗した「EXIT」も厳しい内容だった。EXITの場合は、ブレイク時からビジュアルやキャラクターを含めた人気先行で、ネタが本当におもしろいのか常に議論されてしまう。

だからこそ、しっかりネタのおもしろさを見せてほしかったが、すぐに心が折れ失敗した。ネタにおけるアドリブの対応力に難があるようにみえ、コンビとして出演できる番組もこのままだと狭まってしまうのではないか?

同じく、「キンタロー。」と「U字工事」も緊張感ある空気に飲み込まれ、限られた時間の中で、瞬発力が求められる『イロモネア』で、手も足も出ない状況だった。

こうなってしまうと、決まった持ちネタを披露する番組しか対応できなくなり、活躍の場は狭まってしまう。特に今回はフラットな目線で見ている一般客が審査員だったことを踏まえれば、今後の活動のためにも改善が必要なのではないだろうか?

◆バナナマンは『イロモネア』がブレイクのきっかけに

さて、ここまで勝手に寸評を行ってきたが、『イロモネア』は芸人のスキルがはっきり浮き彫りになる番組だ。それだけに、うかつに出場するとフォームを崩して人気が低迷することにもなる。

その一方で、バナナマンは『イロモネア』が売れたキッカケの一つだと言われるほど、成功すればテレビ関係者から注目を浴びて仕事も増える。そのくらい、影響力が高い番組なのだ。

今回、輝きを見せた芸人は仕事がさらに増える可能性が高い。そして、むざんにも失敗した芸人たちは、今回の教訓を活かして芸の向上をするべきだろう。

<文/ゆるま小林>

【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆

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