みずほ銀行の看板(AFP時事) みずほ銀行は27日、元行員が貸金庫から顧客の現金を盗んでいた問題で、被害金額は計6600万円だったと明らかにした。当時30代の元行員女性は東京都内にある広尾支店の渉外課に勤務。同支店から融資金名目で約5200万円を盗んだとして、2021年に逮捕されていた。加藤勝彦頭取は同日、記者団の取材に応じ「お客さまに不安を与え、申し訳ない」と謝罪した。同問題で頭取ら幹部が報道陣に説明、謝罪するのは初めて。
みずほ銀によると、元行員は16年1月〜19年6月、支店に保管されていた予備の鍵で貸金庫を開け、顧客2人が預けていた現金を不正に入手。資金は衣類の購入や旅行などに充てていた。融資金名目での窃盗の疑いが19年6月に発覚し、調査の過程で判明したという。同行は被害額を全額補償。元行員を同年10月に懲戒解雇した。
みずほ銀は、貸金庫からの窃盗を今月18日に発表した。当時発表しなかった理由については、公表を望まない顧客がいたと説明。2件の窃盗事案を受け、担当役員らを当時、懲戒処分したという。
再発防止策として、予備の鍵を取り扱う行員を限定し、使用時には幹部が立ち会うなど管理を厳格化した。これまでに他の被害は確認されていないとしている。