自作プログラムで不正アクセス疑い　AI悪用か　中高生3人を逮捕

　楽天モバイルのシステムに自作のプログラムで不正にログインし、スマートフォン用の通信回線を契約したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は27日、14〜16歳の中高生の男子生徒3人を不正アクセス禁止法違反と電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕したと発表した。

　3人は秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」で他人のIDとパスワードを購入し、回線契約を繰り返していたとみられる。押収されたパソコンなどからは、延べ約33億件のIDとパスワードが見つかった。2023年末から約1年10カ月間で約2500回線をテレグラム上で転売し、計約750万円相当の仮想通貨（暗号資産）を得ていたという。

　警視庁によると、逮捕されたのは滋賀県米原市の中学3年（15）、岐阜県大垣市の高校1年（16）、東京都立川市の中学3年（14）の男子生徒。

　逮捕容疑は24年5〜8月、11人分のIDとパスワードで楽天モバイルに不正ログインし、計105回線を契約したとしている。

　3人は容疑を認め、米原市の中学生は「SNS（ネット交流サービス）上で投稿されていた犯罪スキームよりも高度なものを考案して、注目を集めたかった」と供述しているという。

　3人はオンラインゲームを通じて知り合い、米原市の中学生が他の2人に指示を出していた。使用したプログラムは2種類で、主に大垣市の高校生が対話型人工知能（AI）「チャットGPT」などで作成。3人で共有していたという。

　プログラムを使うと、購入した個人情報のうち楽天モバイルのIDとパスワードを自動で抽出し、回線契約も結べた。1回線につき1000〜3000円で販売し、利益はオンラインカジノの利用や商品の購入などに充てていたとみられる。【加藤昌平】