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最愛の猫との別れは、ペットロスという言葉では表現できない痛みをもたらすもの。さばみそさん(@sabamison1979)も大好きだったはっちゃんを亡くし、悲しみに暮れた。
【写真】保健所のホームページに掲載されていた、2代目はっちゃんの様子…亡きはっちゃんとそっくりでした
だが、その後に思わぬ体験をする。なんと、はっちゃんの生まれ変わりのように思える猫と出会い、心の世界が変わったのだ。
先代猫はっちゃんとの運命的な出会い
はっちゃんとは、赤い糸で結ばれていたような出会いだった。当時、飼い主さんは先代猫を亡くし、ペットロスに。悲しみに暮れ、半年ほど経ったある日、自宅の庭に先代猫と同じ毛柄をしたはっちゃんがやってきた。
野良猫なのだろうか。そう思っていたが、同時期、ポストに入っていた「探し猫」のチラシに、はっちゃんの姿が。
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「その方は野良猫を保護しており、はっちゃんを取り逃してしまったと仰っていました」
経緯を知った飼い主さんは、その保護主さんと協力してはっちゃんを捕獲することに。保護が成功したのは、1週間後のこと。はっちゃんは警戒心が強く、何度も威嚇をされた。
その後、はっちゃんは保護猫カフェで暮らすことになる。飼い主さんは保護から数ヶ月後、はっちゃんが在籍する保護猫カフェを訪れた。
「そしたら、はっちゃんは出迎えてくれて。ずいぶん人懐っこくなったな…と感激し、里親になろうと決意しました」
突然の体調不良で大好きな愛猫が天国へ
はっちゃんは先代猫と同じハチワレ猫だったが、性格は違った。目力や迫力があるのに、優しくて甘えん坊というギャップや食事中に隙を見せられないほどの食いしん坊である個性を飼い主さんは愛しく思った。
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だが、別れは突然訪れる。お迎えから7年ほど経った2024年4月、はっちゃんは風邪をこじらせて動物病院へ。一時は快方へ向かったが、1週間後に再び体調が悪くなり、病院へ駆け込むと低血糖であることが分かった。
そして、1週間ほど経った頃、虹の橋へ。あまりにも突然すぎる別れだった。
「一緒に暮らし始めて4年目くらいから糖尿病を患ったので治療をしていましたが、最期はどうすることもできませんでした」
はっちゃんがいないなんて、信じられない。そんな戸惑いと悲しみを抱えながらも、飼い主さんはまたいつか出会えると信じ、日々を黙々と過ごすようになった。
別れから半年後に大好きな愛猫が“転生”してくれた…!?
それから半年ほど経った2025年1月、たまたま保健所のホームページを見ていた飼い主さんは仰天する。はっちゃんにそっくりな猫さんが収容されていたからだ。
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「写真から目が離せませんでした。理由は分かりませんが、はっちゃんだと思いましたし、すごく記憶に焼きついたんです」
きっと、魂が呼び合ったのだろう。いてもたってもいられなくなった飼い主さんはすぐに保健所へ。写真で見た猫を、家族として迎え入れた。
はっちゃんが虹の橋からそのまま戻ってきてくれた。そう感じたため、新入り猫の名前も「はっちゃん」に。一緒に暮らしてみると、新はっちゃんは先代のはっちゃんが好きだった場所で眠ったり、同じ爪とぎを好んだりするなど、不思議な共通点がたくさんあった。
「違うのは、家族全員に甘えるところ。生まれ変わる前のはっちゃんは私にしか懐いてくれなかったので(笑)でも、甘えん坊で食いしん坊なところも同じです」
再びはっちゃんと暮らし始め、灰色だった飼い主さんの世界には色が戻った。“転生”したはっちゃんは“転生前”のはっちゃんと同じく、愛らしい仕草をたくさん見せ、飼い主さんの心を照らしている。
人と猫の間に生まれる絆はもしかしたら、私たちが思っている以上に硬くて深いものなのかもしれない。
(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)