去年1年間に生まれた子どもの数はおよそ72万人で、9年連続で過去最少を更新しました。そんななか、東京都は無痛分べんの費用の助成を始めますが、これが少子化に歯止めをかけることに繋がるのでしょうか？
15時間前に出産したばかりの女性。出産時の痛みを麻酔で和らげる無痛分べんで第二子となる女の子を出産しました。
無痛分べんで出産
「体はそんなに辛くないですね。痛みが全くないわけじゃないんですけど、緩和されますし、余裕ができますね」
東京・大田区の産婦人科クリニックでは、7割から8割の妊婦が無痛分べんを選んでいると言います。出産時の痛みを和らげ、産後の回復も早まるとされます。
厚生労働省がきょう発表した去年1年間に全国で生まれた子どもの数はおよそ72万1000人。前の年と比べ、3万7000人以上少なくなり、9年連続で過去最少を更新しました。
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そんななか、東京都が打ち出したのが「無痛分べん」への支援です。今年10月から都内に住む妊婦が都内の医療機関で無痛分べんをする場合、最大10万円を補助する方針です。
これが少子化対策の一助となるのか？都内の母親に聞いてみると…
無痛分べん以外で出産
「（Q.少子化対策には繋がると思いますか）繋がるんじゃないですか。私も3人目は欲しいなとは思うんですけど、やっぱり産むときの痛さ考えると、ちょっと躊躇しますもんね」
無痛分べんで二人目を出産
「全然違います。もう、全然痛みを感じなくて、100人ぐらい産めるんじゃないかっていうくらい大丈夫でした。無痛分べんでさらに助成が出ると、かなり助かると思います」
無痛分べんで出産
「（無痛分べんをやっていて）通えるところが1軒か、2軒だったので、補助はありがたいけれど、病院側が体制を整えるのが大変だと思うから、結局できるようになるのかな」
都のアンケート調査では、直近1年以内に出産した女性の6割以上が無痛分べんを希望していたということで、費用面での負担を和らげたい考えです。
前村医院 前村由美 院長
「妊婦さんにとっては、大きなお守りになるのではないでしょうか」
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クリニックの院長は費用を助成することは歓迎しつつも、無痛分べんを選ぶ妊婦が増えることに備えて、安全な出産のための対策も必要だと指摘します。
前村医院 前村由美 院長
「個人産院で麻酔科医が常駐しているところは、今は少ないと思います。麻酔管理のできる産科医の育成が必要だと思います」
都は助成の条件として、安全な無痛分べんを行うため、麻酔科医や麻酔を学んだ産科医がいることなど、国が定めた自主点検項目を全て満たした施設とする方針です。
しかし、東京都の調査では現在、都内で無痛分べんを行っている施設のうち4割が研修を行っていないなど、全ての条件を満たした施設はおよそ半数にすぎません。
安心して子どもを産むために、妊婦のニーズに合わせた体制づくりも求められています。
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