さまざまなミニPCを手掛けるGEEKOMから、Ryzen 7 6800Hを搭載した「GEEKOM NUC A6」が発売された。同社の直販価格は32GBメモリ、1TBのストレージという構成で6万8000円だ。
GEEKOMのミニPCには、Intel Coreを搭載したビジネスモデルや、Ryzenシリーズ採用のゲーミングモデルなど、複数のバリエーションが展開されている。その中でも今回のA6は「コスパ最強」をうたうモデルとなっている。
搭載されるRyzen 7 6800Hは少し古めのプロセッサではあるが、数年前にはハイエンドゲーミングPCにも採用されていたものだ。CPU内蔵GPUとしてRadeon 680M Graphicsを利用でき、「コスパ最強」もうなずける。
このGEEKOM A6を試用する機会を得たので、どの程度使えるのかを紹介していこう。
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●片手に収まる小型デスクトップPC
A6の本体サイズは約112.4(幅)×112.4(奥行き)×37(高さ)mmと、片手で持てるコンパクトなボディーだ。天面と側面はアルミニウム合金製で質感も高い。ディスプレイ背面に設置するためのVESAマウントプレートも標準で付属している。
なお、ボディー自体はポート類の配置も含めて、以前取り上げた「GEEKOM NUC A8」や「GEEKKOM A7」と共通で、コストダウンを図っているのだろう。
メモリは32GB(16GB×2/DDR5-5600)で最大64GBまで増設可能だ。ストレージはPCIe 4.0 x4対応のM.2 SSD(容量は1TB)を搭載する。中央にはM.2 2242サイズの空きスロットがある。
●豊富なインタフェースを標準で装備
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インタフェースは、ボディー正面にUSB 3.2 Gen 2 Standard-A 2基とヘッドフォンジャック、背面にUSB 3.2 Gen 2 Standard-A、USB 2.0 Standard-A、USB 3.2 Gen 2 Type-C、USB 4.0 Gen 3 Type-C、有線LAN(2.5GbE対応)、HDMI 2.0出力×2の各端子を備えている。向かって左側面には、SDメモリーカードスロットもある。
2基のHDMI出力とUSB4端子、USB Type-C端子を利用すれば、最大4画面の4K(3840×2160ピクセル)の同時出力に対応している。
●プロセッサはAMD Ryzen 7 6800Hを採用
プロセッサには「AMD Ryzen 7 6800H」を搭載する。2022年にリリースされたZen 3+アーキテクチャのモバイル向けAPUだ。2世代前のプロセッサではあるが、8コア16スレッドで動作クロックは3.2GHz(ブースト時は最大4.7GHz)と、十分に現役で通用する仕様だ。
●気になるベンチマークテストのスコアは?
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ここからはベンチマークのスコアを確認していこう。比較のため、以前にレビューした「GEEKOM A7」(Ryzen 9 7940HS/32GBメモリ)と「GPD WIN mini 2023」(Ryzen 7 7840U/32GBメモリ)のスコアも併記している。
CINEBENCH R23のスコアはシングルコアが「1501」、マルチコア「10710」で期待値通りといったところだ。Ryzen 9 7940HSのGEEKOM A7にはおよばないものの、GPD WIN miniは若干上回っている。
PCMark 10の結果も同様だ。デジタルコンテンツ編集のDigital Content Creationが「8695」と少し落ち込むものの、詳細をみると、Video Editing Scoreが「5038」と低くなっているだけで、Photo Editing Scoreは「14499」、Rendering and Visualization Scoreは「9001」と十分なスコアを記録している。動画編集はやや苦手ながら、写真編集なら問題なくこなせるだろう。
3DMarkの結果も良好だ。既に型落ちのCPUとはいえ、ポータブルゲーミングPCのGPD WIN mini 2023のスコアを超えており、ゲームもタイトルや設定によるが、ある程度動くと思っていいだろう。
とはいえ、さすがに最近のAAAタイトルは荷が重い。設定次第ではプレイできなくもないが、快適にプレイしたい場合は軽めのゲームにとどめておくのが無難そうだ。
試しに、「モンスターハンターワイルズ ベンチマーク」を実施してみたところ、全ての設定を最低ランクすると、平均50.94FPSでスコアは「8716」となった。スコア上はギリギリプレイできる範囲だが、グラフィックスなどが犠牲になっており快適には程遠い。
オフィス作業などの日常業務は十分にこなせるだけのパフォーマンスがあり、ゲームも設定次第で楽しむことが可能だ。少なくとも、2世代前のポータブルゲーミングPCと同等以上には楽しめる。USB4も備えており、必要なら外部GPUボックスを接続することもできる。この性能が6万円台で手に入るなら、「コスパ最強」と言って間違いないだろう。
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