リカバリーウェアのテンシャルが新規上場、売上高は毎年2倍以上に伸長

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2025年02月28日 16:41  Fashionsnap.com

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中西裕太郎テンシャル代表取締役CEO

Image by: FASHIONSNAP
 コンディショニングブランド「テンシャル(TENTIAL)」を展開するテンシャルが、東京証券取引所グロース市場に新規上場した。初値は公開価格の2000円を30%上回る2600円で、高値は2890円、終値は2751円だった。

 テンシャルの前身であるAspoleは、スポーツウェブメディア「スポシル(SPOSHIRU)」の運営を目的として2018年2月に設立。翌年5月にTENTIALへと商号変更し、8月からD2C事業を始動した。同年、初の自社商品としてインソール「TENTIAL ZERO」を発売したことを機に、コンディショニングブランド「テンシャル(TENTIAL)」をスタート。現在は卓球の平野美宇選手やMLB シカゴ・カブス所属の今永昇太選手とコンディショニングサポート契約を結んでいる。
 上場に際しての会見には中西裕太郎代表取締役CEOが登壇。同社は創業以来毎年売上ベースで2倍近い成長を遂げており、2023年には黒字化を達成。2025年1月期の売上高は119億円を予想している。中西CEOは成長要因として、一般的なアパレル企業とは異なるスピード感のある組織体制を挙げた。ウェブメディアとしてスタートした同社は社内にエンジニアを多数抱えており、マーケティングからECサイトの開発・運営、カスタマーサービスなどを内製化。顧客の声や検索ニーズを分析し、スムーズに商品開発を行っていることが、成長を後押ししているという。また、自社ECや直営店を販路の中心とすることで、一般的なアパレル関連企業よりも高い69.9%という粗利率を達成している。

 現在の主力商品は、一般医療機器の認定を受けたリカバリーウェア「バクネ(BAKUNE)」だ。繊維原料に極小セラミックスを配合しており、身体から発する遠赤外線を吸収・輻射(ふくしゃ)することで、血行促進をもたらし、疲労回復や肩こり、腰痛の緩和が期待できるという。バクネは同社の売上の8割を占めており、これまでの累計販売数は100万セットを突破。中西CEOはバクネのヒット要因として、OECD諸国のなかでもワーストとなる日本人の短い睡眠時間を挙げ、睡眠課題を中心とした心身の疲労の解決に、同社製品が期待されていると分析している。同社が主戦場とするリカバリー市場の規模は2023年は5.4兆円、2030年にはその約2.6倍の14.2兆円まで広がる見込みだとし、今後はブランドの価値と認知度を高め、さらなる成長を目指すという。

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