「無名の人生」ティザービジュアル鈴木竜也監督が個人制作した長編アニメーション「無名の人生」が、5月16日より東京・新宿武蔵野館ほか全国で順次公開される。
【大きな画像をもっと見る】コロナ禍を機に2021年より短編アニメ「MAHOROBA」を独学で作り、国内の自主映画祭で数々の賞を受賞した鈴木監督。「無名の人生」は、そんな鈴木監督が1年半を費やし制作した長編デビュー作だ。
物語はいじめられっ子の孤独な少年が、父親の背中を追ってアイドルを目指すところから始まる。生まれてから死ぬまで、蔑称や源氏名などいくつもの呼称で呼ばれた主人公の波乱に満ちた100年の生涯が、高齢ドライバーや芸能界の闇、若年層の不詳の死、戦争などの社会問題を背景にしながら全10章で描かれる。また本作は、鈴木監督が原案から作画監督、美術監督、撮影監督、色彩設計、キャラクターデザイン、音楽、編集まで担当。たった1人で描き上げ、章ごとにタッチも色彩も変化している。
鈴木監督たっての希望で主人公の声を務めたのは、ラッパーのACE COOL。ティザービジュアルは少年時代の主人公とともに、背景には彼がのちに目をすることになるさまざまな土地の光景が描かれている。プロデュースは大橋裕之原作の映画「音楽」で知られる岩井澤健治が担当。特報と鈴木監督をはじめとするスタッフ・キャストからのコメントも到着した。
■ 鈴木竜也(監督・原案・作画監督・美術監督・撮影監督・色彩設計・キャラクターデザイン・音楽・編集)コメント
まさか、実家で1人で描いてた映画にACE COOLさんが声を当ててくださるとは。まさか、通っていた武蔵野館さんで自分の作品をがっつり上映していただけるとは。でもその「まさか」を起こしたくて、スクリーンへの夢と野望をハチマキみたいに巻きつけながらブッ描いた93分。僕は絵が特別うまいわけでもないし、 アニメの技術にもあまり自信はありません。がしかし、100人かかっても作れない内容と、1000人観ても予想できない結末を描けたという、度を超えた自尊心があります。とにかく多くの方に観に来ていただきたい一心です。どうか、よろしくお願いします。
■ ACE COOL(主演)コメント
この度、主人公の声を演じさせていただきました。 私自身、普段ミュージシャンとして活動をしているのでこの映画のお話をいただいた時は大変驚 き、声優初挑戦の私に主役が務まるのかという不安もありました。ですがある日鈴木監督本人からメールで熱いメッセージをいただき、飛び込んで みようと決心しました。 鈴木監督のアニメーションや独特のペースで展開される物語は日本のアニメ作品ではあまり見たことのない感覚でした。鑑 賞後お客さんがどのような感想を持つのか、この作品に関わった一人として今から楽しみです。
■ 岩井澤健治(プロデューサー)コメント
「無名の人生」は鈴木監督の人生と想像を凝縮してドリップされた これ以上ない濃度で作られた壮大でミニマムな映画です。至極個人で作る究極の創造性の行き着く先を是非とも劇場で体感していただけますと幸いです。
■ 西島新(新宿武蔵野館 番組編成担当)
『音楽』で共闘し想像を遥かに超える事跡を残して下さり、
以来絶大な信頼を寄せているお二人である、
岩井澤監督と宣伝プロデューサーの平井さんから「こんな逸材が居る」と、 鈴木竜也さんと『無名の人生』をご紹介いただきました。この段階でほぼ即決でしたが、未完成版を拝見し、成程その画のタッチや物語の独創性に触れたことでより確信しました。きっと多くの方がまだ触れられたことのない、未開拓のジャンルの作品だと思うので、どんな風にお客様に受け止めていただけるか、今からとても楽しみです。
■ 「無名の人生」
2025年5月16日(金)より新宿武蔵野館ほか全国で順次公開
監督・原案・作画監督・美術監督・撮影監督・色彩設計・キャラクターデザイン・音楽・編集:鈴木竜也
プロデューサー:岩井澤健治
配給:ロックンロール・マウンテン
配給協力:インターフィルム
□ キャスト
ACE COOL ほか
(c)鈴木⻯也