「歌ってみた」の一大祭典として、2022年から開催が始まったイベント『歌ってみた Collection』。
歌コレの愛称で親しまれる本イベントは、日頃から「歌ってみた」の文化を愛する大勢の人々が、歌い手として、そしてリスナーとしても楽しく参加できる催しが数多く行われている。
その中でも近年大きな注目を集めているのが、「ボカロP部門」と呼ばれるランキングだ。
特定のボカロPの楽曲の歌唱が参加条件となるこの部門では、毎回ランキング順位とは別に各ボカロPによって優勝者が決められ、その優勝者にはボカロPから楽曲を1曲書き下ろしてもらえる権利が与えられる。
今回ピックアップするのはそんな「歌コレ2023秋」の開催で、夏代孝明部門にて優勝した歌い手・夜凪セラへ書き下ろされた楽曲「ミラーサイドステラ」。
歌コレ優勝時に夏代が大きく評価した“意志の強さ”も確かに感じる、青さとパワフルさ、そして煌めきに満ちた、ステラ=一番星のような1曲ともなっている。
文/曽我美なつめ
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自身も歌い手として活動するかたわら、「ニア」や「ジャガーノート」、「エンドロール」などの作者としても知られるボカロP・夏代孝明。
「歌コレ2023秋」にて設立されたそんな彼の部門で、「フロムトーキョー」で優勝を勝ち取ったのが、2021年より歌い手として活動する夜凪セラである。
「フロムトーキョー」は元々、アプリゲーム・プロセカ内のバンドユニット・Leo/needへ書き下ろしとして提供された曲となる。
故郷から独り上京し、都会でミュージシャンを目指し奮闘する女の子を描いた本作。そんな曲中の女の子の決意や“意志の強さ”が滲むような歌唱が、夜凪セラ版の楽曲の大きな魅力でもあった。
凛とした芯の強さと満ち満ちたエネルギッシュさを感じさせる、張りのある歌声。
そんな夜凪セラの声から、おそらく夏代孝明も大きなインスピレーションを受けたのだろう。今回書き下ろされた楽曲「ミラーサイドステラ」を聴いて、そう感じるリスナーもきっと多いに違いない。
一聴して思わず駆け出したくなるような、疾走感と爽やかさのあるバンドサウンド。
歌詞には一度は諦めた音楽の夢へと、それでももう一度手を伸ばそうとする人の物語が描かれる。今まさに夢を掴むべく努力し続けている人、あるいは過去に何かを諦めたことのある人。どんな人の心にも、強く響くメッセージ性を持った1曲だ。
夜凪セラは今作の書き下ろしに際して、YouTubeの概要欄に以下のようなコメントを残している。
「私の決意を、夏代孝明さんが音に乗せて下さいました。夜凪の道標のようなこの楽曲がいずれ誰かの背中をも押せるパワーソングになりますように」。
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これまでも明るくまっすぐな彼女の歌声に、たくさんの勇気や元気をもらった人も大勢いたはずだ。
今回の「ミラーサイドステラ」という楽曲と共に、夜凪セラ自身もきっとまだまだ音楽への夢を追い続けていくのだろう。今まさに何かに挑み走り続ける人の背に、これからも優しく力強い歌声で寄り添いながら。
「歌ってみたCollection」 公式サイト
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