大阪地裁=大阪市北区 大阪府枚方市のマンションで昨年、交際相手の大学生渡辺華蓮さん=当時(19)=を刺殺したとして、殺人などの罪に問われた無職西光勝被告(27)の裁判員裁判の判決が28日、大阪地裁であった。三村三緒裁判長は「失った家族の悲しみや苦しみは大きい」として、求刑通り懲役22年を言い渡した。
判決で三村裁判長は、西光被告には多額の借金があり、渡辺さんに知られるのを恐れて殺害したと指摘。「自身の見えやプライドのために被害者の生命を奪うという動機は身勝手極まりない」と非難した。その上で、渡辺さんの遺体には62カ所もの傷があり、「確実に殺害しようという強い殺意が認められる」とした。
公判では渡辺さんの父親が「犯人を一生恨み、憎み、許すことはありません」と述べていた。西光被告は起訴内容を認め、最終意見陳述で「どんな刑でも控訴せず、一生償っていきます」と謝罪した。
判決によると、西光被告は昨年5月、枚方市のマンションで、当時交際していた渡辺さんの首などを包丁で複数回突き刺し、失血死させた。
判決後、遺族は「犯人に対する強い怒りが消えることはありません」とするコメントを出した。