2月28日に発売された「iPhone 16e」。ネットでの反応を見ていると、「これならiPhone 16の方が……」という意見も少なくないようです。Apple Intelligenceに対応し、今後増えるであろうAIを活用できるスペックを持っている反面、従来のiPhone SEから価格が大幅にアップしてしまい、iPhone 16との差額は2万5000円。iPhone 16eはiPhone 16と比べて仕様的に劣る部分も多く、この差額ならiPhone 16を選びたくなるのも仕方がないところです。
それでも、少しでも安く購入したいと考えて、iPhone 16eを選ぶ人もいるでしょう。前回の記事ではiPhone 16との違いについて、全体的にまとめましたが、今回はiPhone 16eで非対応となった項目について、詳しく見ていきます。
●カラバリがホワイトとブラックの2色のみ
iPhone 16は、ウルトラマリン、ティール、ピンク、ホワイト、ブラックの5色展開。対してiPhone 16eにはホワイトとブラックの2色しかありません。自分好みの色の端末を使いたい、人とは違う色を使いたいと考えている人にとっては物足りなさを感じそうです。
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とはいえ、iPhoneをそのまま使うということは少なく、多くの人がケースを装着するのではないかと思います。その意味では、あまり影響はない項目かもしれません。ちなみに、純正のシリコンケースは5色展開となっています。
●カメラが1眼、超広角や望遠のレンズは使えず
iPhone 16eの背面カメラは、SEシリーズから引き続き、広角のみの1眼となっています。マクロ撮影や空間写真撮影には非対応です。
ただし、搭載しているのはiPhone 16シリーズと同じ48MP Fusionカメラなので、解像度は24MPになりますが、等倍切り出しによる2倍望遠撮影は可能です。マクロや空間写真を日常的に撮影しているという人以外、実は1眼でも困ることはないでしょう。
●カメラコントロール非搭載
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iPhone 16シリーズには、右側面下部にカメラコントロールを搭載しています。ワンクリックでカメラを起動したり、露出や被写界深度、ズーム倍率を変更したりできるものですが、iPhone 16eは非搭載です。差別化やコストダウンが理由と思いますが、そもそもカメラが1眼なので、高度なコントロールが不要という判断もあるのかもしれません。
●LTEのBand 11と21に非対応
iPhone 16eには、Apple初の独自モデム「Apple C1」が搭載されています。このためなのか、あるいは単にコストダウンのためなのかは定かではありませんが、LTEのBand 11と21に非対応となっています。どちらも1.5GHz帯で、Band 11はauとソフトバンク、Band 21はドコモが利用しています。
Band 11と21は、各キャリアの利用に必須というわけではありません。実際、低価格帯のスマホでは非対応なものも多いです。しかし、約10万円のハイエンド帯に位置するスマホが非対応というのは、最近では珍しいこと。特にドコモの場合、都市部でのパケ詰まりなど、つながりにくさを指摘されることが増えており、影響を強く受けるかもしれません。
●USB Type-Cからの映像出力に非対応
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iPhone 16eは、USB Type-Cからの映像出力(DisplayPort)には非対応となっています。iPhone 15から対応した映像出力、それまではなかったので、非対応でも問題ないという意見もあるかもしれませんが、最近盛り上がっているXREALなどのARグラス(メガネ型ディスプレイ)が利用できないというのはデメリットです。
●MagSafeに非対応
iPhone 16eは、Qiでの7.5Wワイヤレス充電には対応しているものの、MagSafeには非対応。ただ、Androidと同様にサードパーティーからMagSafe対応のケースが登場するはずです。このため、25Wの急速充電こそ使えませんが、マグネットを利用したワイヤレス充電や各種アクセサリーの接続に関しては、それほど心配する必要はないでしょう。
●Wi-Fi 7非対応
iPhone 16シリーズは最新のWi-Fi 7(802.11be)に対応していますが、iPhone 16eはWi-Fi 6(802.11ax)にとどまります。Wi-Fi 7自体、まだ一般家庭に普及しているとはいえないので、非対応なことにあまり影響はないと考えられますが、Wi-Fi 6Eにも非対応なのは少々残念です。
●超広帯域無線通信技術(UWB)非対応
iPhone 16eは、UWBにも非対応です。UWBは、AirTagなどを探す際に高精度に位置情報を取得できるというもの。非対応でもAirTagを利用したり、「探す」機能を使ったりはできますが、ピンポイントで位置を把握できるUWBと違い、大ざっぱな位置しか把握できなくなります。
iPhone 16e購入に合わせてAirTagを使ってみようと考えている場合には、「思っていたほど精度がよくないかも」と感じることになるかもしれず、注意が必要です。
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