演劇の殿堂、帝国劇場(東京都千代田区)が2月28日をもって、建て替えのため休館作業に入った。ミュージカルナンバーでつづるコンサート「THE BEST New HISTORY COMING」が大千秋楽を迎え、「レ・ミゼラブル」の「民衆の歌」で、59年間の2代目帝国劇場の歴史に幕を下ろした。3代目となる新・帝国劇場は30年度再開場を目指す。
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約1900人で満席になった帝国劇場が揺れた。最後のカーテンコールでは、出演者、観客が「民衆の歌」を歌い別れを惜しんだ。
ラスト2週間は、同劇場で上演されたミュージカル全53作品から計64曲の楽曲を歌唱するコンサートが開催された。プログラムと出演者替わりで行われ、前日27日とこの日の大千秋楽は、市村正親、今井清隆、鳳蘭らがゲスト出演した。
「ミスター帝劇」と呼ばれる市村は「ミス・サイゴン」から「アメリカン・ドリーム」、「屋根の上のヴァイオリン弾き」から「陽は昇り又沈む」を歌った。舞台のセンターを示す「0番」にキスをしてガッツポーズすると「しばしのお別れ。待ってろよという気持ち」と語り「新しい帝国劇場の『ミス・サイゴン』はオーディションを受けようと思います」などと話して沸かせた。
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「ありがとう帝劇」のボードが掲げられたカーテンコールには、歴史を彩ってきた佐久間良子、北大路欣也らレジェンドたちが50人近く登壇。00〜24年まで「SHOCK」シリーズに主演し、2128回の国内単独主演作歴代最多記録を持つKinKi Kids堂本光一は「帝劇の住人」と紹介され「この場にいるだけで光栄です」と感慨を語った。
進行も務めた井上芳雄は、声を詰まらせる場面もあったが「さみしいですが、僕たちは引退するわけじゃないです。いろんな劇場に会いに来てください。また、新しい帝劇でお会いしたいと思います。僕たちは帝劇が大好きです!」とメッセージを送った。
帝劇は66年に開場し全372作品(再演を除く)、そのうちミュージカルは53作品が上演された。【小林千穂】
○…3代目となる新帝国劇場の開場は2030年度と発表されている。設計者は建築家小堀哲夫さん。正面玄関の方角は変わらず、舞台と客席が90度向きを変え、エントランスの正面に客席を配置した計画になる。客席数は現在の劇場と同等数となり、舞台の見え方、トイレの待ち時間や列を検証し計画を進めているという。建築コンセプトは「THE VEIL(ザ・ベール)」で、皇居に面し、緑多い周囲の環境を鑑み「自然をまとい、自然に包み込まれるようなイメージ」になるという。
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92年発売で一世風靡 MD生産終了(写真:TBS NEWS DIG)421
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