オーシャンSに出走予定のママコチャ(撮影:下野雄規) 優勝馬には、高松宮記念への優先出走権が付与されるレースだが、過去10年でこのレースをステップに本番を制したのは2022年のナランフレグのみ。同じ距離ではあるが、コース形態の違いが結果に表れているようだ。中山競馬場芝1200mコースは外回りコース2角をまわり切ったところからスタートする変則的なワンターンコース。ゴール前の急坂を除けばコース全体が下り坂になっており、スピードが求められるコースだ。
◎ママコチャは一昨年のスプリンターズS優勝馬。その後はセントウルS2着、24年スプリンターズS0.1秒差4着など、強敵相手に勝ちきれないレースを続けているが、大きく崩れたのは重馬場で行われた高松宮記念のみ。高いスピード能力は維持し続けている。
前走の阪神Cは5着。前後半の3ハロンが34.5秒〜34.4秒とペースが落ち着いたために最後は瞬発力に屈した格好となったが、勝ち馬から0.2秒差なら地力を示した1戦ともいえる。
〇ヴェントヴォーチェは一昨年の本レース優勝馬。一昨年の高松宮記念のあと繋靭帯炎を発症して1年半もの長期休養を余儀なくされ、復帰戦が昨秋のスプリンターズS。さすがにここは厳しい条件だったが、11月の京阪杯は前が残る展開の中で3着に追い込み健在ぶりを示した。このコースには1分6秒8の持ちタイムもある。8歳とはいえ2度にわたる長期休養があって今回が18戦目。スピード比べになれば侮れない。
▲ステークホルダーはサンライズS優勝馬。未勝利脱出まで5戦を要し、そこから1年7か月以上もの間勝ち星に恵まれなかったが、ブリンカーを装着することでレースぶりが一変。装着から4戦で3勝を記録し、デビュー24戦目にして初の重賞挑戦となった。中山競馬場芝1200m戦は[3-0-0-0]。得意なコースだけに侮れない。
△オフトレイルはスワンS2着、阪神C3着。3歳時にはラジオNIKKEI賞を勝って毎日王冠にも駒を進めた馬だが、最大の武器である強烈な末脚は1400mの距離で輝きを増した。スプリント戦は今回が初めてだが、不安よりも楽しみの方が大きい。
ブリンカー着用でレースぶりが安定してきた△ウインモナークとラピスラズリSの勝ちっぷりが鮮やかだった△ペアポルックス。最後に、この距離が味方してくれそうな△レッドモンレーヴの名前を挙げておきたい。