“体重126kg・Pカップ”女性の知られざる日常生活「自分らしく生きられる体重であれば、それが一番」

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2025年03月01日 09:11  日刊SPA!

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あみさん
昨年突如現れた「#デカ女」ブーム。SNS上で高い注目度を誇る高身長女性たちが、さまざまなメディアで取り上げられたのは記憶に新しい。だが、“デカさ”の点では「#みけぽ」に代表されるぽっちゃり女性たちの存在も忘れてはいけないだろう。
ぽっちゃり体型を自身の個性・武器として活躍する女性インフルエンサーは少なくないが、3桁体重の女性たちは日常生活でどんな「あるある」や「悩み」があるのか。

前編に引き続き、今回は名古屋のラウンジやキャバクラで長年働いてきた、あみさん(126キロ)をインタビュー。普段の食生活や恋愛事情などを紹介する。

◆実は一気にたくさんの量は食べられない

――前編で家庭の話がありましたが、同じような生い立ちを持つぽっちゃり女性も多いのでしょうか?

あみ:“エリートぽっちゃり”の方々は裕福な、比較的恵まれた家庭出身が多いです。エリートぽっちゃりって、私もぽっちゃり界の重鎮に最近教えてもらったぼっちゃり界用語なんですけど。小さい頃からぽっちゃりの子を“エリートぽっちゃり”と呼ぶらしくて。

――ぽっちゃり界の重鎮……。

あみ:“ぽっちゃり界の壇蜜”みたいな。

――みけぽ女性によくある誤解ってありますか?

あみ:ご想像の通り健啖家が多いんですが、みけぽくらいになると胃が贅肉に押されるため、実は一気にたくさんの量は食べられません。2時間ほどですぐお腹が空くんですが、少しずつしか食べられないんです。

――“100キロの壁”ってやつですね。

あみ:やっぱり90キロぐらいの子とかは1回の食事でめちゃくちゃな量を食べています。“ギャル曽根級”です。あと、体重が増えるほどお酒は飲めます。私は痩せていた頃も体質的に強いほうでしたが、今より限界がすぐ見えていました。

――体重が増えるほどアルコールって強くなるんですか?

あみ:結局あれって濃度ですから。人体の多くが水分ということは、みけぽは普通の人よりも水なんです。水々しいんです。そこにショットとか注いでも、砂漠や大海に一滴の真水を垂らすのと同じことなんですね。

◆米は「1日に5合ほど」

――あみさんは普段、どんな食生活を送っているんですか?

あみ:1日に5合ほどの米を食べます。ロウカット玄米に雑穀をたくさん入れた米です。

――雨にも負けずに。

あみ:雑穀がまたウマいんですよ。

◆ぽっちゃり界隈は“肉派”が多い

あみ:あと、個人的なことで言うと、実は肉よりも魚が好きです。

――へぇ、意外ですね。

あみ:ぽっちゃり界隈は完全に“肉派”です。みんな事あるごとに焼肉へ行こうとするし、実際にたくさんの肉を食っていますが、私はそんなに焼肉は食べたくないです。同伴で叙々苑とか散々行きましたので、今は肉への欲望はあまりありません。魚と野菜がおいしい店にもっと行きたいです。

――“みけぽ”というだけで肉を食わされがち?

あみ:いや、本当に。最近、知人で魚好きの若いぽっちゃり女性がいて、彼女の彼氏と私の彼氏と4人で海鮮居酒屋Wデートをしました。格安店なのにお会計が2万円くらいになっていました。

――量はともかく食事の内容自体はヘルシーな感じですね。

あみ:中性脂肪もコレステロールも引っかかっていないので、わりと私は健康的なみけぽです。

◆“Pカップ”になり、一升瓶も持ち上げられるようになった

――服や下着はどこで買っているんですか?

あみ:SHEINなどのECサイトならいくらでもサイズありますし、ユニクロでもモノによっては3Lとかで着られます。10代の頃はHカップのブラジャーを無理やり着けていました。大人になってからは一応、“Pカップ”と言っています。

――本当に規格外というか……。

あみ:太ると胸の重量も増え、いろんなものを挟めるようになりました。一升瓶も持ち上げられます。下着や服はサイズ選びが大変だし、ヒールは危なくて履けないし、一般体型の女性と同じものが使えるのはメイクぐらいですね。メイクだけは平等です。面積が広いぶん、消耗は早いですけど。

――ぽっちゃりの方って肌が綺麗な方が多い印象もあります。

あみ:ただ、汗っかきで乾燥肌というパターンもけっこうあります。私はぽっちゃり仲間とメイクの情報交換がしたいんですけど、メイクに詳しい子はあまり多くないです。「また、そんなに化粧品買って! 顔はひとつしかないんだよ?」って、よく言われます。

◆変質者やナンパのターゲットにはなりにくい?

あみ:スリムな女性より親しみやすいのか、飲み屋で隣の席と仲良くなって盛り上がることはけっこうあります。基本的にみんな気さくで優しいです。痩せている時より友達はできやすい気がします。

――痴漢やひったくりなどの被害に遭うことはありますか?

あみ:減量していたころは、変質者やナンパにも遭遇しましたが、今は“ニクATフィールド”に守られています。モテとはまた違うと思いますが、そういうターゲットにはなりにくいです。

――ぽっちゃり女性ならではの恋愛傾向とかもありそうですね。

あみ:ウケる人にはウケるという感じで、新規参入が少なく相手の本気度が高めなので、全体的に恋愛の失敗みたいなものは少ないかもしれません。ぽっちゃり界隈には中年男性がわりと多いんですが、中には38歳のぽっちゃり女性とベタ惚れ交際中の21歳の男の子もいます。ぽっちゃりは年齢を超越します。

◆ゲイの夫とは「20年弱の付き合い」

――あみさん自身も配偶者とは別に、公認の23歳のパートナーがいるとか。

あみ:ぶっちゃけた話、未経験だったので最初は味見したかっただけだったんですけどね(笑)。

――バツ2のあみさんですが、旦那さんとは長いんですか?

あみ:ゲイの旦那とは20年弱の付き合いです。私が痩せようが、みけぽになろうが、全く動じない人ですね。

――立ち入った質問ですけど、パートナーとの営みってどういう……。例えば、あみさんが上になることって、あるんでしょうか?

あみ:私が上になったら、相手死ぬんじゃないですかね(笑)。

◆痩せてみた結果、合わないと思った

あみ:私が10代の頃はアムラー全盛期で、周り女子もみんなスリムでしたし、ぽっちゃりウケは今より悪かったです。でも、今は多様性の時代なので。逆にぽっちゃりだからこそ楽しめることもいっぱいありますね。

――体重管理に悩んでいる人は、やはり男女問わず多いのかなと。

あみ:私自身は1回痩せてみた結果、合わないと思ってみけぽになりましたが、周りに囚われず自分らしく生きられる体重であれば、それが一番だと思います。誇りを持ってぽっちゃりで通してもいいし、1回試しに痩せてみてもいいし。それで身近な人が認めてくれたら最高ですし、周りの人が認めてくれなくても自分は自分ですから。

――誰しも年齢を重ねると、自分の身体に向き合う必要が出てきますけれども。

あみ:将来、例えば介助が必要なときとかも大変でしょうし、開腹手術も危ないので必ず痩せるように言われるそうなので。40代女性でこの体重になると危ないかもしれません。タイムリーなことに最近、コケたらわりと大事になってしまいました。ただの捻挫なんですけど、今ずっとサポーター巻いています。

――最後にメッセージを。

あみ:考えようによっては若い人ほどぽっちゃりを楽しめます。あと、みけぽは絶対にコケちゃダメです。

<取材・文/伊藤綾>

【伊藤綾】
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii

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