写真 女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「恋愛」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2022年3月24日 記事は取材時の状況)
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人間なら、1つや2つくらい隠し事はあるもの。しかし、その隠し事を恋人にしてしまった場合、どのタイミングで打ち明ければよいのか、悩ましいものです。
都内在住の上尾智子さん(仮名・33歳)は、つい先日入籍したばかり。今は幸せいっぱいですが、ここに至るまでは一筋縄ではなかったといいます。
◆嘘のはじまりは、ガールズバーでの“サバ読み”
「夫と知り合ったのは3年前。私がアルバイトをしていたガールズバーで出会いました。兄の友人がガールズバーの店長を務めていたのですが、女の子が一気に辞めてしまい、『新しい女の子が入るまで手伝ってほしい』と頼まれたんです。
店長とは昔から仲が良かったし、私もお小遣いがほしかったので手伝うことにしました。でも、そのガールズバーは女の子の平均年齢が22歳と若かったんですよね。当時、私は30歳だったのですが、店では年齢をサバ読むことにしたんです」
筆者も夜の店で働いていた経験がありますが、年齢を詐称するキャストは珍しくありませんでした。中には5年近く23歳のバースデーイベントをやるツワモノのキャバ嬢も……。智子さんは5歳サバを読んで、ガールズバーのお客さんには25歳と言っていたそうです。
◆店を辞めて、話の合うお客さんと交際スタート
「でも、さすがに5歳もサバを読むと話が噛み合わないんですよ。干支の話になると『あれ、干支って何になるんだっけ?』と慌てたり。また、他のキャストは私のことを20代だと思っているので、イジったりしてきて。でも、そのノリもよくわからないので笑って流すことしかできませんでした。若者言葉とか流行っているTikTokのネタとか、ついていけないことばかりでしたね(笑)」
そう苦笑いする智子さんですが、周りが若いキャストばかりだったせいか、年配の客に受けたといいます。そんな中で出会ったのが、今の夫でした。
「夫は1つ年上で、当時31歳。同世代だから好きな音楽とか、流行ったアニメの話で盛り上がりました。夫は私のことを25歳だと思っていたので『若いのにいろいろ知ってるんだね』と喜んでいました。
お互いに意識して付き合うようになったのはそれから3か月後。ちょうど店に女の子が増えてきたので、辞めるタイミングで付き合うことになりました。でも、私は彼に本当の年齢を言ってなかったんです」
◆どうにかバレずに交際続行
智子さんは、彼に本当の年齢を隠したまま付き合うことに。しかし、彼と親しくなればなるほど嘘をつくのが苦しくなっていくのです。
「たとえば、一緒に旅行するときに生年月日を打ち込まないといけないときとか。そのときに打ち明ければよいものを、『もし、ここで本当の年齢を言って嫌われたらどうしよう』と思って言えませんでした。結局、私が予約したことでその場は切り抜けられましたけれど……。
でも、このままではいつかバレるときが来るからきちんと伝えないといけないと思ったんです。その状態が1年も続いたとき、ついに打ち明けるタイミングがやってきました」
◆ついに事実を告白。返ってきた衝撃の返事
それは、彼から結婚を前提とした同棲の提案をされたこと。さすがに同棲となると部屋を借りるときに身分証の提出が必要となります。そこで意を決して彼に本当の年齢を伝えようと、彼を部屋に呼びました。
「『実は今まで黙っていたことがあって、本当は31歳なの』と伝えました。すると彼はしばらく絶句……。これは振られるかもと覚悟を決めたとき、彼が『実は俺も薄毛で……』とまさかの暴露をしてきたんです」
話を聞くと、彼は髪の毛が薄くなってきていて、最近は増毛パウダーを薄い部分を隠していたのだそう。
「『ごめん、今まで隠していて……』と謝る彼に『こちらこそごめんなさい!』と言いました。その後は2人して大爆笑!そこでお互いの嘘を水に流すことができました」
お互いの秘密を打ち明けて、絆が深まった智子さんと彼。2人がついた嘘は互いに笑って許せる範囲だったのでよかったのかもしれません。しかし、相手によってはどうしても許せない境界線はあると思うので、打ち明けるときは注意が必要かもしれませんね。
<文/カワノアユミ イラスト/磋藤にゅすけ>
【カワノアユミ】
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。裏モノ・夜ネタを主に執筆。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。ツイッターアカウントは@ayumikawano