中山記念に出走するエコロヴァルツ(撮影:下野雄規) 今週の日曜日は、中山競馬場で中山記念(GII・芝1800m)が行われます。
過去10年の中山記念は前走で国内外の重賞に出走していた馬が10勝2着9回3着8回と圧倒しています。中山記念は春のGIを見据える有力馬がステップレースとして選択することも多いレースですので、当然ながらレースレベルは高くなります。
ハイレベルなレースで結果を残すためには、レベルの高いレースの流れに慣れておく必要があるのでしょう。そのため、前走である程度のレベルが担保されている重賞へ出走している馬に良績が集まっていると言えます。
また、前走が重賞だった馬の内、そのレースで5着以内だった馬が8勝2着5回3着5回と結果を残しています。重賞で好走できるのは高い能力がある証拠と言えますし、前走のレース格や着順に注意しながら各馬の取捨を決めたいところです。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
前走オープン特別以下(ただし、前走白富士Sに出走していた馬は除く)
[0-0-0-13]複勝率0%
該当馬:エコロヴァルツ、グラティアス、グランディア
※特に言及のない限り、データは過去10年間を対象にしています。
上位人気が予想されるエコロヴァルツが該当しました。
過去10年の中山記念で、前走がオープン特別以下だった馬は23頭が出走し2着1回3着2回と悲惨な成績となっています。中山記念よりも遥かに格下のレースから参戦してきた馬はレベルの差に戸惑ってしまうのでしょう。ちなみに、馬券に絡んだのは23年ドーブネ、22年アドマイヤハダル、17年サクラアンプルールの3頭。
この3頭は前走が東京芝2000mで行われた白富士Sに出走していました。過去の白富士Sを見ると、その後の重賞で活躍する馬が多く出走しており、オープン特別ながらレベルの高いレースと言えます。また、東京芝2000mは直線が長く、根幹距離でもあることから実力のある馬が挙って参戦するのもレースレベルが高くなっている要因と言えます。
前走がオープン特別以下でもレベルの高さが担保されている白富士Sからの参戦ならば、僅かながらにチャンスはあると言えそうです。
該当馬に挙げたエコロヴァルツの前走はオープン特別のディセンバーSとなっています。そのディセンバーSでは勝利を挙げていますが、対戦相手の次走を見ると好走したのは小倉大賞典を優勝したロングランのみ。そのほかの馬は5着以下に敗れており、レースレベルが高いとは言い切れないものがあります。
今回はGIIで前走と比べればメンバーレベルも相当上がります。前走とは道中のペースから違いが出てくるでしょうし、レースレベルの違いに戸惑い力を出し切れないというシーンも十分にあり得そうです。
前走の走りから人気になるのでしょうが、その時のメンバーレベルを考えると鵜呑みにはしづらい印象。配当妙味も薄いとなれば多少なりとも評価を下げて考えた方がいいのではないでしょうか。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。