プロの絵画修復士が200年前の油絵を修復する動画がYouTubeで注目を集めています。
●200年前の絵画を検査→修復
動画を公開したのは、絵画や楽器などの修復の様子を紹介するYouTubeチャンネル「Masters Of Craft」。今回修復するのは、愛好家によってオークションで購入され、何年も放置されていた200年前の風景画です。
もともと描かれていたのは、手をつないで森の中を歩いている親子。1830年から1870年にかけて発生した、ロマンチックで写実的なアプローチで知られるフランスのバルビゾン派の絵に似ていて、品質と筆使いから、20世紀の作品のレプリカの可能性があるといいます。絵は保管方法が悪かったのか、かなり傷んでいます。
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まずは適切な処理をするため、絵画の検査からスタート。マイクロカメラや紫外線で絵の状態を確認したら、クエン酸アンモニウムの希釈液を使用し、脱脂綿と綿棒でクリーニングしていきます。その後、劣化していた木枠などを新しいものに交換し、貼り直しました。
●緻密な技術が要される作業が続く
次に、溶剤にアクリル樹脂を溶かして塗布し乾燥させます。ところどころ剥がれている部分に小さなヘラを使って柔らかい補填材を乗せ、さらにその上から顔料の色合いに合わせたカラーを塗っていきます。
最後はニスをふき付けたら、ワックスや樹脂で仕上げを施して完成です。絵画はかつての輝きを取り戻し、驚くべき変貌を遂げました。
●すばらしい修復技術に反響
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動画には「素晴らしい修復です」「時代を超えた芸術史の作品を修復するという、信じられないほど素晴らしい仕事をしていると思います」「傑出した芸術」などの称賛が寄せられています。
画像はYouTubeチャンネル「Masters Of Craft」から引用
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