「ワシがルールだ!」アパートに住む70代迷惑老人に“20代の女性大家”が言い放った「会心の一言」

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2025年03月03日 16:21  日刊SPA!

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 歳を重ねるごとに頑固になったり面倒な人になる……などということはよく耳にしますが、もしかしたら「老害」などという言葉だけでは片付けられない“何か”があるかもしれない。今回は、まさにそんな体験をした清水宏明さん(仮名・30代)に話を聞いた。
◆築30年のアパートで出会った70代の迷惑老人

 清水さんの前職は、ブラック企業で働く元社員。肉体的にも精神的にも疲弊し、フリーランスとして生きることを決意して退職した。パソコン作業を請け負うフリーランスのほか、飲食店のアルバイトを週に3回3〜5時間程度。充実した毎日を送っていた。

「会社を退職して心機一転のために引っ越した先が、築30年以上の古いアパートです。外観が古くリフォーム済でも壁が薄かったですが、それでも風呂・トイレは別。トイレは洋式でエアコン付きの好待遇だったため不満はありませんでした」

 とくに不満もなく1年以上が経とうとしていたある日のこと。先代の大家さんが亡くなり、20代でおとなしそうな雰囲気の孫娘Y美さんが「会社員として働きながら管理をすることになりました」と手土産を持って挨拶へやってきた。

「Y美さんが僕のところに尋ねてきたとき、同じアパートに古くから住んでいる70代ぐらいの男性Hさんが通りかかったんです。僕とHさんは会釈を交わす程度でしたが、HさんはY美さんが小さい頃から知っているようで、声をかけてきました」

 そして、いままでは話したこともなかった清水さんに「ワシは、Y美がオムツをしていた頃から知っている」などと説明。久しぶりに会えたことをとても喜んでいたという。

◆やりたい放題の迷惑老人と口論に…

 ところが、この数か月後からHさんの態度は徐々に横柄になっていった。

「最初のほうは、決められた日時ではないときにゴミを出したり、自転車置き場への駐輪が雑だったり。それがだんだんとエスカレートしていき、ゴミは適当なモノを適当な曜日・時間に出すことが日常茶飯事になっていき、大きな音を出して周りの住人に迷惑をかけることもありました」

 とにかく、やりたい放題。Hさんがゴミを捨てているとき、たまたま遭遇した清水さんが注意をしても、「ワシは最初のほうから此処の住人」「ワシがルール」などと聞く耳を持たない。行動はエスカレートし、注意書きの貼り紙もむなしく不衛生な状態になってしまう。

「僕の部屋はゴミ置き場のすぐ近くだったので、ニオイがキツくて……。転居も考えていたとき、ゴミ置き場でHさんと遭遇したんです。燃えるゴミの日にあきらかな粗大ゴミを出そうとしていたので注意をしたところ、いつものように軽く言い合いになってしまいました」

◆20代女性の大家が言い放った「スカッとする一言」

 そのとき、どこからかY美さんがやってきて、「ほかからも苦情があって、防犯カメラの設置を検討していたところでした。張り込みしていて正解!」と言ったのだ。そして、日頃は大人しい大家さんがHさんに注意を開始。Hさんは、ただただ驚いていたとか。

「それでもY美さんは怯むことなく、『ルールを守らずほかの人に迷惑をかける人には、このアパートから出て行ってもらうようになりますが、いいですか?』『場合によっては、警察へも相談させてもらいます』とピシャリと言い放ったのです」

 ただ、それだけでなく、「私は小さい頃からHさんのことを尊敬していて大好きなので、これからもずっとここの住人でいてほしいんです。よろしくお願いします!」と、場をまとめてみせたのだ。

◆Hさんからの謝罪の言葉

 Hさんはプライドもあってか、その場で怒り狂い、無言で立ち去ってしまった。しかし、後日謝罪があったようだ。

「大きなトラブルに発展するかもと心配していたのですが、数日後にHさんと会った時、『ずっと昔から話し相手だった大家が亡くなって寂しかった。気づいたらなぜかあんなことをしてしまっていて恥ずかしい。申し訳ない』と謝罪がありました」

 そして、「同じアパートに住みながら、Hさんの寂しさに気づいてあげられなかったことを反省しました。お年寄りになると、友人も少なくなって寂しくなるとわかっているのに、ひと言でも声をかけるようにすればよかったと思ったのです」と清水さんは続ける。

「そしてこのことをキッカケに、Hさんと会ったときは会釈だけでなく言葉で挨拶をし、一言・二言交わすよう意識するようにしたんです。すると、Hさんの様子がグングン変わって、いまではアパートの掃除を積極的にやっている姿も目にするようになりました」

 何かあれば “老害”や“〇〇ハラスメント”などという言葉で他人を非難してしまうことも多い今日。迷惑な人に注意したり叱ったりすることも大事だが、そのあとには周りの人たちが受け入れ、原因を取り除いてあげることも大切かもしれない。

<TEXT/山内良子>

【山内良子】
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意

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