
明治大学から「10年に1人の逸材」として、昨年秋のドラフト会議で複数球団競合の結果、楽天にドラフト1位で入団した宗山塁内野手。球団は宗山を全面に出すことで“負の遺産”を吹き飛ばそうと必死になっている。
大学時代から甘いマスクで人気だった宗山。
「東京六大学野球の人気選手ということもあって、年末年始のスポーツニュース番組では軒並み宗山特集が組まれていました。広島県の田舎町出身の宗山は、実家の部屋や隣接する庭の練習場でバットを振り、最後は町を一望できる山の頂上で撮影……と球団による撮影にもかなり協力的でした。担当メディアがまず“宗山を金のなる木にしよう”という必死さが伝わってきました」(在京テレビキー局スポーツ番組スタッフ)
遅ればせながら、球団も宗山ブームを起こそうと乗ってきた。
|
|
「昨年12月の新入団会見のタイミングで宗山の応援タオルの発売が決まりました。2月1日から沖縄県金武町での1軍キャンプ参加が決まると、球場に隣接した球団公式グッズショップには“宗山コーナー”が誕生。1枚1万1000円するレプリカのユニフォームがキャンプ中だけでも現地で約160枚ほど売れたそうです。
また、店前は2体の宗山の立て看板がファンを出迎える形となっておりフォトスポットと化しています。かつては手で数えた方が早かった観客数も宗山効果により女性ファンが現地に駆けつけたことで雰囲気も明るくなっている」(同前)
金武のキャンプ地は高速バス、路線バスなどの公共交通機関のアクセスが悪く、近くの阪神1軍キャンプ地の宜野座などと比較しても水をあけられていた。
「金武町といえば、元は射撃場があったほか、何もなかった球場周辺に駐車場やサッカーグランドをまずは整備、続いて楽天のために悲願だった室内練習場を完成させる力の入れようです。一時は阪神が二軍キャンプ地として候補に入れるも町側がプロ野球1軍キャンプでの受け入れにこだわっていたため、これは実現しなかった。時間はかかったが、次はアクセス向上のための施策が待たれます」(地元記者)
球団関係者からも「宗山はゼニを稼げる選手。まだ結果は出ていないが稼げるうちにやるべきことはやっておくのが鉄則」と鼻息荒いコメントが漏れ伝わってくる。
|
|
さらに近年パワハラ問題で球団を去った安楽智大や、それに加担していたとの疑惑が根強かった田中将大の退団、定着しない1軍監督の空転人事など「ルーキーには過度な期待をして申し訳ないがチームのマイナスイメージを宗山にはどうにか吹き飛ばしてほしい」(同関係者)と願っているという。
果たして目論見通りに事は進むのだろうか。
(取材・文=CYZO sports)
|
|