
香川県高松市にある高松中央商店街の繁栄ぶりがSNS上で大きな注目を集めている。
「高松の商店街へ初めて来ています。…すみません、理解が追いつきません。 どうやったらこんな商店街が作れるんですか?」とその模様を紹介したのは大曽根まちそだて会議事務局(名古屋市北区)のTAKEさん(@NGO_cent)。
高松中央商店街とは高松市の中心部にある8つの商店街の総称。1990年代に一時衰退したが、地域が一体となり積極的な再開発事業に取り組んだ結果、見事復活。地方都市としては異例の繁華かつ洗練された街並みを作り上げているのだ。
TEKEさんにお話を聞いた。
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ーー高松中央商店街を訪問した経緯は?
TAKE:高松市の商店街は地方都市の中でも有数の活性化事例として知られています。多くの都市が郊外開発によるスプロール化にあえいでいるなか、商店街を一体的に再開発したり、路上空間を有効活用していたりした結果、再び大きな求心力を持つようになった高松中央商店街は、かねてより視察したいと思っていました。
私は学生時代、地方都市の交通計画に関する研究に取り組んだほか、会社員をしている現在では大曽根商店街にて「大曽根まちそだて会議」の事務局を担当しています。大曽根商店街の今後を皆さんと検討し、実践していく中で、他の商店街の事例もエッセンスとして必要不可欠であると感じたため、今回訪問することにしました。
ーー高松の商店街をご覧になって。
TAKE:高松の商店街の事例は、再開発のスキームなどから鑑みると、他の商店街でも簡単に真似できる事例ではないと思います。しかし、実際に訪れてみて、実践的な事例も多くあると感じました。
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例えば、高松の商店街では、自転車の走行が禁止されている代わりに、無料の駐輪場が点在しています。多くの商店街は、各店舗の前に自転車を停め、お買い物や用事を済ませます。店舗へのアクセシビリティを考えるとそれが最適解なのですが、代償として歩行空間の大部分を自転車が占用してしまったり、自転車が走行してくるために歩行者にとっては危険に感じられてしまいます。高松の商店街のように、自転車の駐輪スペースを商店街側が提供してあげることで、自転車ユーザーも歩行者も、双方にとって安全で快適な商店街を実現していると感じました。
また、各テナントの入居割合には驚きました。もちろん、いずれの商店街も立地条件が異なるため単純比較はできませんが、私が普段関わっている大曽根商店街では、都心部ゆえのテナント料の高さや飲食不可などの制約によって、空きテナントがちらほらとあるのが課題です。そのため今回の視察を踏まえ、大曽根商店街でもいかにテナントに入居しやすい環境を整え、実際に入居していただくか、という点を今後も考えていかなければならないなとあらためて感じました。
ーー投稿に大きな反響がありました。
TAKE:正直とても驚きました。とはいえこれまでで一番の反響をいただき、少しですがフォロワーさんも増え、ありがたく感じています。なぜここまでの反響を頂けたかはまだ整理がついていませんが、丸亀商店街はじめ高松丸亀町商店街の魅力を、写真で伝えられたことは大変うれしいです。普段は名古屋にいるので、必然的に名古屋に関する投稿ばかりではありますが、これからも様々な都市や商店街について、有益な情報を発信していきたいと思います。
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SNSユーザー達から
「商店街なのにティファニーあるのスゴイ」
「高松は昔仕事でよく行きましたが、高松中央商店街はきらびやかで美しいと感じられる場所ですよね それでいて路地に入ると昔ながらのディープな雰囲気も感じられるので、いくらでも時間を潰せます」
「丸亀町商店街組合の古川理事長という方が相当のやり手で、この方無しにはこれは成し得なかったと思います。 『補助金も投下してもらったが、固定資産税が増えた分で十分還元出来た』という趣旨の発言もされています。 直近でも組合で駐車場ビルを建てたり、マンション開発やったりしてますね。」
など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。高松中央商店街の事例を参考に、全国の商店街が賑わいを取り戻してほしいものだ。
また今回の話題を提供してくれたTAKEさんが関わる大曽根商店街も活性化を目指し「大曽根わくわくフェスタ」「名古屋ジャズフェスティバル」などさまざまなイベントづくりやテナント誘致に取り組んでいる。名古屋ドームや徳川美術館など観光スポットにも近いので、ご興味ある方はぜひ一度足を運んでいただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)