1986年式 トヨタ『カローラレビン GT』 (C)ORICON NewS inc. 2月22日、23日に神奈川・パシフィコ横浜で開催された日本最大級のクラシックモーターショー『Nostalgic 2days 2025』(ノスタルジック2デイズ)。このイベントの目玉企画でもある「選ばれし10台」に1986年式のトヨタ『カローラレビン GT』が選ばれた。
【写真多数】信じられない極上状態…トヨタ『カローラレビン GT』 内外装全部見せ オーナーのヒロトさんは、弱冠24歳で既に13台も車を乗り継いでいるという根っからの車好き。『頭文字D』の影響で、昔から“ハチロク”への憧れを抱いていたというが、同氏のなかでは“ハチロク”=前期3ドアハッチバックの『スプリンタートレノ』以外に考えられなかったという。「3ドアのトレノの前期のGT APEX、赤茶の内装が絶対条件で。正直、こんな2ドアの(グレードが)GTのレビンなんて眼中になくて。1番ダサいと思っていて」と話すが、それが愛車になるのだから、縁というのは面白い。
“絶対条件”が決まっているだけに、なかなかいい個体に巡り合えないなかで、出会ったのがこの“愛車”だった。「ハチロクを4台くらい見に行く予定で、1軒目に行ったお店で、目当ての車の隣に会ったのがこの車で。昭和から令和まで整備記録が全部あって。これ多分普通に載ってても壊れないし、安心して乗れるんじゃないかってことで、その場でハンコ押しちゃったんすよ」と話すが、支払総額のなかにエンジン、デフ、ブレーキのオーバーホールや、好きな色でのオールペンなどが組み込まれていたことも、購入の決め手になった。
改造個体の多い同車だが、装備を最小限に抑えたいわゆる“競技グレード”が、ほぼフルノーマルで手に入ったことで同氏の“方向性”が変化したという。「ホントは、アルテッツアの6速に乗せ換えて、ハイグリップ履いて、いわゆるゴリゴリのサーキットマシンにするつもりだったんです。でも、整備記録などから前のオーナーさんの思いなどを感じて、『これ多分いじっちゃダメなんだろうな。これはいじるべきじゃなくて、買ったその新車当時のままに戻すべきなんだろうな』みたいな感じになって、そっからこのレストアプロジェクトが始まったっていう」とフルノーマルに戻すよう、カスタムを加えていったという。
“ハチロク”という人気車種のカスタムありきで作られた“競技グレード”が、フルノーマルで現代に残っていることが奇跡ともいえるが、本当に激レア。同氏も「僕以外にもう1人、新車でワンオーナーで乗ってる人がいるんですけど、その人以外知らないです」と話すほど。トヨタ『2000GT』や日産『スカイライン GT-R』(ケンメリ)など、生産台数がそもそも少ない車が、すさまじい金額を付けているが、この車も将来的にそれくらいの価値になっていくかもしれない。「もしかしたらなるかもしれないですね。本当に競技で使われてなんぼなグレードだから、ノーマルであるのはレアだなっていうのがあったんで。だから僕もスイッチが入ったっていうのがやっぱりあります」。
まだ20代というだけあって「この車はずっと自分が乗り続けます。もし自分が死んだら継承してほしいと思いますね」とこの先ずっと乗り続けることを宣言。一方で「単純に車を継承するっていうよりかは、考え方っていうか、思いをね、つないでいきたいとは思います」と語った。
『Nostalgic 2days 2025』は、芸文社が発行するクラシックカー(旧車)の雑誌『Nostalgic Hero』『ハチマルヒーロー』 『Nostalgic SPEED』『Classic PORSCHE』、Webサイト『Nosweb.jp』『特選旧車情報』が合同で主催する日本最大級のクラシックモーターショー。国産クラシックカーを中心にあらゆる旧車ショップ、パーツメーカー、レストアショップが集結し、貴重な車両が展示された。