“モンスター新人”にざわつく職場…「寒いんで」空調を勝手にオフ、「土曜はフットサルなんで」と取引先のお誘いも即断

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2025年03月04日 07:10  まいどなニュース

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空調を勝手に操作しないで…!自分の家じゃないんだから!

近年、「モンスタークレーマー」や「モンスターペアレンツ」といった、理不尽な要求をする人々が話題になることが増えています。しかし、職場においても似たような存在に悩まされるケースがあるようです。特に、新入社員の言動に戸惑う先輩社員も少なくありません。

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関東在住の会社員Aさん(40代)は、中堅専門商社の総務・経理部門で長年勤務しているベテラン事務職員です。新入社員への導入研修や社内の備品管理なども担当しており、毎年のように新人と関わる機会があります。

これまでも、経費精算の締切を忘れたり、領収証をなくしたり、寝坊して遅刻するといった「うっかりタイプ」の新人はいましたが、何かあっても素直に謝ることがほとんどで、大きな問題になることはありませんでした。しかし、今年入社した“モンスター新人”Bさんの言動には、Aさんも驚かされたと言います。

「この椅子ちょっと変なニオイがするんですけど」

Bさんは営業職として入社しました。さっそくOJTが始まり、AさんはBさんに新人に用意されたデスクの備品一式について説明していました。電話の使い方を説明していると、Bさんは何か落ち着かない様子でキョロキョロしています。

「どうしましたか? 分かりにくいところがありましたか?」とAさんが尋ねると、Bさんは「…あの〜、なんかこの椅子、ちょっと変なニオイがするんですけど」と唐突に言いました。

Aさんは驚きつつも、「新人のみなさんのために用意した新品だから、ビニールや梱包のニオイが残っているのかもしれませんね」と返しました。

不服そうに「はあ…。でも、ほかの椅子もニオイがするんですけど」と繰り返し、伝票用ファイルや文房具などの備品を手渡すたびに、変なニオイがしないか「くんくん」と嗅いで見せるBさん。Aさんが説明しているのもおかまいなしです。

その場の状況にかかわりなく、自分が思ったり感じたしたことをストレートに伝えるBさんの様子に、すこし面食らってしまったAさん。ニオイに繊細な人なのかもしれませんが、それだけではない違和感を感じ、Bさんのことが気になり始めたといいます。

「自分寒がりなんで」勝手に会社中の冷房をオフにしてしまう

Bさんと再び接点を持ったのは、入社から2カ月が経ち、暑くなり始めた頃のことでした。その日、午後からなぜかオフィスが蒸し暑くなっていました。なにかおかしいと感じたAさんが空調のコントロールパネルを確認すると、電源がオフになっていました。

空調はタイマーで始業30分前から自動でONになるはずでした。不思議に思いながら電源を入れると、すぐにBさんがやってきて、電源をオフにしたのでビックリ。

「Bさん、何しているの? 空調は自動運転なので、勝手に触らないでね」と注意すると、Bさんは反論。

「はあ…でも寒いんで。自分寒がりなんで。クーラーは体に悪いですから」

Aさんが「寒いなら上着を着たりして調整してね。Bさんは寒いかもしれないけれど、設定温度は26度で、標準的な温度だと思う。暑いと感じている人もいるから」と伝えると、Bさんは「これで風邪とか引いたらどうしてくれるんですか」と不満そうです。

自分の好みで全社の空調を勝手に調整しようとする新入社員は初めてだな……と思いつつ、快適な温度にしたいのは新入社員だからダメってことは言えないし、としばらくモヤモヤしたそうです。

会社の制度にクレーム??

モヤモヤを感じた数日後、AさんはBさんに声をかけられました。

「入社の時、有給の説明をしてもらったと思うんですけど、まだ申請書もらっていないので下さい」

あれ?と思ったAさん。会社の規定で、新入社員の有給付与は入社6カ月目からと決まっています。

「まだ入社3カ月目だよね? 3カ月後の休みを今から申請しておきたいって言うこと?」と聞くと、Bさんは悪びれもせずこう言ったそうです。

「別の会社の友達はもう有給あるらしいです。6カ月経たないともらえないっておかしいと思います」

なるほど。「それなら、その会社に入社すればよかったですね」と言いたい気持ちをぐっとこらえたAさん。「ウチは法定通りだから、私に言われてもどうしようもないですね」と答えたのでした。

「このままだと、いつかクレームが…?」

Bさんのことが心配になってきたAさん。配属されている営業課の社員に日々の様子を尋ねてみると、いろいろな不評を聞きました。

「真面目そうなんだけど先輩やお客様に失礼な物言いをする」
「相槌が『ハア』だから、なんとなくエラそう」などなど…。

なかでも驚いたのは「取引先から『土曜日に開催される自社セミナーに来て下さい』と誘われたときに先輩社員より先に『自分土曜はフットサルなんで』と即座に断ったらしい」という話。あまりにも「感覚」が違いすぎて、何をどう説明すればいいか悩むことが多く、現場では“モンスター”扱いなのだそうです。

「試用期間に解雇されるほどの問題はないし、欠勤もない。ただ、このままだといずれ顧客から大きなクレームになりそうで、今から心配です」と営業課の社員は不安を口にします。

「人手不足で採用が難しいとは聞いていますが、来年もっとおかしな言動をする“モンスター新人”が入ってきたらどうしようかと考え込んでしまいます」

「素直さ」「正直さ」と「図々しさ」は紙一重。先輩や会社の制度にもおかしいと言うのを「若者らしい」と考えるべきか、やっぱりダメだよね?と考えるべきか。Aさんも難しいと感じています。

◆沼田 絵美(ぬまた・えみ)人材業界や大学キャリアセンター相談業務などに20年以上携わる国家資格キャリアコンサルタント。

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