定番モデルから「開いてたためるディスプレイ」など“変化球”コンセプトモデルも――Lenovoが新型PCを一挙に披露

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2025年03月04日 15:11  ITmedia PC USER

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折り曲げ可能な有機ELディスプレイを搭載するThinBook「codename Flip」

 Lenovoは3月2日(ヨーロッパ中央時間)、スペイン・バルセロナで開催している世界最大級の通信関連イベント「MWC Barcelona 2025」への出展に合わせて、ノートPCの新製品とコンセプトモデルを紹介する報道関係者向け説明会を実施した。


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 展示には、最軽量構成の重量が1kgを切った「ThinkPad X13 Gen 6」、ThinkPad Tシリーズ初のコンバーチブル型ノートPCとなる「ThinkPad T14s 2-in-1」といったThinkPad/ThinkBookの新モデルの他、ThinkBook/Yogaを中心にいくつかのPoC(Proof of Concept:概念実証)サンプルも展示され、実際に見たり触れたりすることもできた。


 夢のある、興味深いPoCサンプルを中心に、一部を紹介しよう。


●折り曲げ可能な有機ELディスプレイを搭載する「codename Flip」


 AI PCのPoCサンプルとして展示されていた「ThinBook『codename Flip』」は、その名の通り折りたためる18.1型有機ELディスプレイを搭載している。ディスプレイを折りたたんだ状態では約13型のモバイルノートPCとして使える一方、ディスプレイを縦方向に伸ばすと18.1型の大画面で使えるという格好だ。


 「クラムシェルモード」では、従来のノートPCと同じ使い方ができる。その他、ディスプレイをフルに広げた「縦型モード」、タブレットライクに使える「タブレットモード」、向かい合った相手に同じ画面を見せられる「共有モード」など、折り曲げ可能なメリットを生かして複数のスタイルで活用できることがメリットだ。


 また、「Smart ForcePad」と名付けられたタッチパッドは、テンキーやメディアコントローラーとしても使えるようになっている。


 面白いコンセプトモデルではあるのだが、ディスプレイを広げた縦型モードにすると、頭が重くなって重量バランスが悪くなり、後ろに倒れてしまうこともある。実際に製品化する際には、倒さないための工夫が求められるだろう。


●ノートPCに直接取り付ける「拡張ディスプレイ」


 ThinkBookの新モデル「ThinkBook 16p Gen 6」は、ポゴピン式の周辺機器ポート「Magic Bay(マジックベイ)」を備えている。このMagic Bayは一部のThinkBookにも採用されてきたのだが、今回の新モデルに合わせて「Magic Bay Dual Display Concept」なる周辺機器のコンセプトが展示された。


 その名の通り、Magic Bay Dual Display Conceptは ThinkBook 16p Gen 6に取り付けられる外付けの13.3型デュアル(2画面)ディスプレイだ。装着すると、本体のディスプレイと合わせて3画面を利用できるようになる。


 このディスプレイは「これがあれば外部ディスプレイを用意することなく、複数のアプリケーションやウィンドウを同時に表示できる」ことを訴求している。幅こそ取るが、単純に外部ディスプレイを用意するよりも設置面積が少なくて済む上、追加でコンセントを用意する必要がないというメリットもある。


 このMagic Bayを使った周辺機器のコンセプトとしては、8型ディスプレイを追加する「Magic Bay 2nd Display Concept」や、絵文字スタイルのAIウィジェットを表示するためのコンパニオンデバイス「Magic Bay “codename Tiko” Concept」、AIエージェントの表示をより詳細に行える「Magic Bay “codename Tiko Pro” Concept」も展示されていた。


 Magic Bay “codename Tiko” Conceptは、PC本体のWebカメラを介してジェスチャーを認識するようになっており、きちんと反応してくれる。これが結構楽しい。Magic Bay “codename Tiko Pro” Conceptは、より機能的なAIエージェントを使いたい場合に使うもので、常時表示にも対応する。


●「ソーラーパネル駆動」に対応するノートPC


 「Yoga Solar PC Concept (POC)」は、天板に発電用ソーラーパネルを搭載し、その電力で駆動/バッテリーの充電を行えるノートPCのコンセプトモデルだ。


 ソーラーパネルには「バックコンパクトセル」という技術を採用。受光面の配線をなくすことで陰による発電ロスが無くなり、より多くの光を取り込むことで変換(発電)効率を高めている。Lenovoによると、このモデルに搭載したパネルでは20分間太陽光を浴びるとビデオ再生時間が最大1時間延びるという。


 「ソーラーパネルがある分、本体が分厚く重くなるのでは?」という懸念もあるが、このモデルは厚さはが15mm、重量が約1.22kgと、それほどサイズや重量にインパクトを与えていない。


 この他、3Dメガネなしで見られる3D表示と通常の2D表示をシームレスに切り替えつつ、2D/3Dの混在表示も可能なディスプレイを備えた「ThinkBook 3D Laptop Concept」も展示されていた。


 こちらはリングをはめた指の動きで、画像の回転、ズームなどの操作を行える。空間コンピューティングに直感的で自然な操作をもたらす取り組みだという。


●ThinkPadの主要な新モデル


 説明会では、これから発売される新型PCも展示されていた。主要なものを紹介する。


 なお、これらの新モデルの日本での展開は未定だ。


Xシリーズ初の1kg切りを実現した「ThinkPad X13 Gen 6」


 「ThinkPad X13 Gen 6」は、13.3型モバイルモデルの第6世代だ。Core Ultra 200H/200Uプロセッサを搭載するIntelモデルと、Ryzen AI PRO 300プロセッサを搭載するAMDモデルが用意されており、最軽量構成は約933gと1kgを切っている。6月から順次発売する予定で、最小構成の税別想定価格は1399ユーロ(約21万8700円)となる。


 メモリ(LPDDR5X規格)は最大64GBまで搭載できる。ストレージはPCI Express接続のSSDで、最大2TBまで搭載可能だ。ディスプレイは1920×1200ピクセルの13.3型液晶で、オプションでタッチ対応パネルとすることも可能だ。


 バッテリー容量は41Whまたは54.7Whで、いずれもユーザーによる交換に対応している。ボディーサイズは約299.3(幅)×207(奥行き)×17.75(厚さ)mmで、最軽量構成の重量は約933gとなる。


Tシリーズ初の2in1モデル「ThinkPad T14s 2-in-1」


 「ThinkPad T14s 2-in-1」は、ハイパフォーマンスを担う「ThinkPad Tシリーズ」としては初めてのコンパーティブルタイプの2in1モデルだ。Core Ultra 200H/200Uプロセッサを搭載することでAI(人工知能)の処理パフォーマンスを高めた他、オプションのスタイラスペン「Yoga Pen」を使うことでビジネスの生産性をより高められるという。6月から順次発売する予定で、最小構成の税別想定価格は1469ユーロ(約25万7800円)となる。


 メモリ(LPDDR5X規格)は最大64GBまで搭載できる。ストレージはPCI Express接続のSSDで、PCI Express 5.0規格のモジュールも選択可能だ。ディスプレイはタッチ/ペン入力対応の1920×1200ピクセルの14型液晶で、パネルは電子プライバシーフィルター付きのものを含めて3種類から選択可能だ。無線LANはWi-Fi 7(IEEE 802.11be)に対応しており、オプションで5G対応のモバイル通信モジュールも搭載できる。


 バッテリー容量は58Whで、ユーザーによる交換に対応している。ボディーサイズは約313.6(幅)×222.8(奥行き)×19.21(厚さ)mmで、最軽量構成の重量は約1.4kgとなる。



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