
サム・ヴィッサー
Image by: Yves Saint Laurent Beauté
「イヴ・サンローラン・ボーテ(Yves Saint Laurent Beauté)」(以下、YSL)の新グローバル メイクアップ アーティストに、サム・ヴィッサー(Sam Visser)が就任した。ムッシュ イヴ・サンローランのDNAを受け継ぎ、YSLで大胆で遊び心があふれる感性を活かし、メイクアップが叶える自由な自己表現を体現していく。
ヴィッサーはロサンゼルス生まれで、幼少期からメイクアップに興味を持ち、学生時代からさまざまな著名なクリエイターの撮影現場でアシスタントを務めた。1970〜80年代のグラマラスなスタイル、映画のノスタルジア、ポップカルチャー、未来的な要素などを融合した唯一無二の美的感覚で、メイクアップの感性を磨き上げていった。フォトグラファーやヘアアーティストなど名だたるクリエイターたちとのコラボレーションをはじめ、「i-D」や「ヴォーグ(VOGUE)」などハイファッション誌でその才能を発揮。ハリウッドスターやメディアからも支持を集めている。また、2021年からは「ディオール(DIOR)」の米メイクアップアンバサダーも務め、そのほか「バーバリー ビューティ(BURBERRY BEAUTY)」や「M·A·C(メイクアップ アート コスメティックス)」など多くのビューティブランドのキャンペーンも手掛ける。
同氏とYSLの出合いは、母親へのプレゼントで「ルージュ ヴォリュプテ シャイン」を購入したことが始まりだという。“YSLウーマン”を表す3つの単語を「強さ、自信、個性」と表現。ムッシュ イヴ・サンローランについて、「彼と私には、自分の好きなことを追求したいという強い願望が早い時期からあった、という共通点があります。美しいものを広めるようにと、神様から呼びかけられたように思いました。彼は、アーティストとして自らの芸術をあふれるインスピレーションとアイデアで新たな次元に昇華させました。一方、私は物心ついたときにはこの道を歩み始めていました」と語る。自身のメイクアップの哲学は、「一人ひとりの本質をメイクアップに注ぎ込むことです。私のスタイルであるフューチャリスティック・グラマーを加えながら、個性を際立たせます。私にとってメイクアップとは、深い自己表現の手段であり、誰もが内側に秘めている自信を引き出す強力なツールです」と話し、今後ブランドとのコラボレーションによってメイクアップ美学を進化させることに意欲を見せる。「YSL BEAUTYのメイクアップは常に思い切った自信を体現してきました。私は、そうした品格ある伝統を尊重しながら、ポップカルチャーやグラマラスなフューチャリズム、シネマティックノスタルジアといったコンテンポラリーな影響を取り入れることによって、進化を図りたいと考えています。モダンなレンズを通してクラシックな製品に現代的な新しい解釈を加えることによって、現代のオーディエンスに響くと同時に、時代を超越したムッシュ イヴ・サンローランの洗練されたスタイルを称えるメイクアップ美学を提案していきたいです」と話している。
なお、前任のトム・ぺシュー(Tom Pecheux)は1月に自身のインスタグラムで同職の任期8年を振り返り、感謝を述べるなど退任を示唆していた。フランス生まれのトムは、世界的なフォトグラファーのピーター・リンドバーグ(Peter Lindbergh)との撮影で知られるようになり、「グッチ(GUCCI)」や「シャネル(CHANEL)」などのラグジュアリーブランドの広告キャンペーン、さまざまなブランドのランウェイのバックステージを手掛け、ヴォーグをはじめとしたグローバルのファッション誌に携わってきた。「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」や「資生堂」のクリエイティブディレクターを務めたことでも知られている。
2017年に、メイクアップアーティストのロイド・シモンズ(Lloyd Simmonds)の後任として、YSLのグローバル ビューティ ディレクターに就任。人気リップシリーズ「ヴォリュプテ」にハート型のフォーミュラを組み込んだ「ヴォリュプテ プランプインカラー」や、“粘膜リップ”として人気を博したウォーターベースのリップカラー「ルージュ ピュールクチュール ヴェルニ ウォーターステイン」、キープ力の高さで注目を集めたファンデーション「オールアワーズ リキッド」、イヴ・サンローランの色彩のクリエイションを再解釈したアイシャドウパレット「クチュール ミニ クラッチ」など、数多くのヒット商品を生み出した。