円相場と、日経平均株価の終値を示すモニター=4日午後、東京都港区の外為どっとコム 4日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比454円29銭安の3万7331円18銭と反落して終わった。一方、東京外国為替市場の円相場は、一時1ドル=148円台半ばに急伸。トランプ米大統領の関税や為替政策を巡る発言が市場を揺るがした。
3日の米国の主要株価指数はそろって急落。トランプ氏がメキシコとカナダに予定通り25%の関税を課すと明言したことなどが投資家心理を冷やした。製造業の景況感を示す経済統計が弱かったことで、米国景気の減速不安も強まった。
市場では、トランプ氏の政策の読みにくさなどを背景に「世界的にリスクを避けるムードになっている」(大手証券)とされ、東京市場も朝から売りが優勢になった。米国による中国への半導体輸出規制が強化されるとの観測が出て、ハイテク株の一角が大きく値を下げ、日経平均は900円超下落する場面もあった。
トランプ氏が「日本や中国が通貨安を誘導している」と批判したことで円相場は急騰。自動車など海外での売上比率が高い業種の株価を抑えた。
トランプ氏がロシアの侵攻を受けるウクライナへの軍事支援の一時停止を命じたと米メディアが報じ、地政学リスクが高まったことも、安全資産とされる円を買う動きを強めた。午後5時現在は149円34〜36銭と前日比84銭の円高・ドル安。