高校入試を前に自主学習に励む、山林火災で休校中の岩手県大船渡市立東朋中の生徒ら=4日午前、同市 岩手県立高校の一般入試が5日から始まるのを前に、山林火災の影響で休校が続く同県大船渡市立東朋中が、3年生を対象とした学習会を実施している。生徒らは慣れない環境に戸惑いつつ、友人たちと一緒に受験勉強に励んだ。
東朋中は避難指示の対象区域にあり、山林火災発生翌日の先月27日から休校が続いている。今月3日時点で全校生徒104人中91人が避難所や親戚宅に身を寄せているという。
4日の学習会は公共施設の一室を借りて実施し、3年生26人が参加した。教諭らは登校してきた生徒に「おはよう。疲れてない?」などと声を掛け、気遣った。
突然の避難で教材が手元にない生徒も多く、教諭らが持ち寄った教科書や問題集のプリントなども使いながら机に向かった。祖母宅に避難している女子生徒(15)は「いつ学校が始まるか分からず不安だが、みんなに会えて安心した」とほっとした様子だった。
この日の学習会では同校の教員19人が指導に当たった。3年の担任を受け持つ菊池奏江教諭(34)によると、休み時間に談笑する姿が見られる一方、自宅の状況が分からず勉強に集中できない生徒もいる。避難所から通う生徒からは、あまり眠れていないとの声も聞かれるという。
菊池教諭は「入試という大変な時期にこんなことになってしまい、切なく、悔しい思いでいっぱい」と話す。「今まで勉強してきた成果を出して、落ち着いて臨んでほしい」と期待を込めた。