トランプ米政権、円安けん制=日銀の利上げに影響も

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2025年03月05日 08:02  時事通信社

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時事通信社

 トランプ米大統領の円安けん制発言を受け、4日の外国為替市場で円相場は急騰した。加藤勝信財務相は「日本は通貨安(誘導)対策は取っていない」と強調。日銀も円高要因となる利上げを継続する方針だが、市場ではトランプ氏の主張が利上げペースを加速させる「外圧」になるとの見方も出ている。

 トランプ氏は3日の記者会見で、日本や中国の首脳らに「通貨安を続けることはできないと伝えた」と説明。通貨安を誘導し、米国に「極めて不公正な不利益」を招けば、日本からの輸入品にも追加関税を課す可能性を示唆した。

 ただ、政府・日銀は2022年以降、円買い・ドル売りの為替介入で円安是正を図ってきた。日銀も24年3月にマイナス金利政策を解除し、同7月と今年1月には追加利上げを決めた。今後も経済・物価の見通しが実現すれば「政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」(植田和男総裁)構えだ。

 みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは、トランプ氏の発言について「円が安い分、日本からの輸入品が有利になっているので追加関税を課す、というのが真意。その立場から日本の利上げペースは遅過ぎるという主張はあり得る」と指摘。この「外圧」が利上げを模索する日銀にとって「渡りに船」になる可能性があると話す。

 一方、米国の高関税政策などの影響で世界の景気減速懸念が強まれば、日銀も利上げが進めづらく、難しい判断を迫られそうだ。 

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  • 「日銀も円高要因となる利上げを継続する方針」「この「外圧」が利上げを模索する日銀にとって「渡りに船」になる可能性がある」←日銀が金利を動かして為替操作するのは御法度だったはず。
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