米ホワイトハウスで開かれた第2次トランプ政権発足後初の閣議で発言するイーロン・マスク氏=2月26日、ワシントン(AFP時事) 【シリコンバレー時事】実業家イーロン・マスク氏が、生成AI(人工知能)開発企業、米オープンAIの営利企業が主導する形での組織再編について仮差し止めを求めた訴訟で、カリフォルニア州の連邦地裁は4日、同氏の請求を退けた。マスク氏が、反トラスト法(独占禁止法)違反との主張を立証できていないと判断した。
仮差し止めは、裁判が終わるまで再編を停止するため申し立てられた。判事は大半の争点でマスク氏の主張の根拠が不十分だと指摘したが、公益性を巡る争点に絞り、今秋にも審理を始める用意があると述べた。
マスク氏は、オープンAIと提携先のマイクロソフトが、投資家に対し同氏が設立したxAIなどの競合企業に出資しないよう求めたと主張。ただ、同社はオープンAIの投資家から出資を受けており、被害立証が十分ではないと判断された。
マスク氏は、オープンAIの設立に関与。4400万ドル(約66億円)以上を寄付した。同氏は「人類の利益」を掲げるオープンAIの組織再編がこの目的に反すると批判。2月には同社に、974億ドルでの買収を提案したが、拒否された。