限定公開( 6 )
札幌市西区で走行中の軽乗用車からタイヤが外れ、直撃した女児(当時4歳)が重体となった事故で、車の運転手と所有者の論告求刑公判が5日、札幌地裁(渡辺史朗裁判長)であり、検察側は運転手に懲役3年、所有者に罰金20万円を求刑した。両被告の弁護側は情状酌量を求め、結審した。判決は4月24日に言い渡される予定。
この事故では、所有者の田中正満被告(51)が道路運送車両法違反(不正改造)、運転手の若本豊嗣被告(51)が同罪と自動車運転処罰法違反(過失致傷)で起訴された。
若本被告は、被告人質問で検察側に「人身事故2件や無免許運転での前科があるが、安全意識の改善はなかったか」と問われ「その時は(安全を)軽視していたと思う」と説明。被害者参加制度を利用した女児の父親に「娘は四肢がまひし、目も見えない。真っ暗な中で痛みも怖さも伝えられない。想像したことはあるか」と聞かれ、「何度も考えました」と答えた。
田中被告は改造の目的を「見た目がかっこよくなるから」と語り、不正改造の安全への影響については「考えなかった」と答えた。
女児は現在も意識不明で入院中だ。父親は「4歳の誕生日を迎えたばかりで、楽しいことがたくさんあるはずだった。未来は一瞬で奪われた」と意見陳述し厳罰を求めた。また、事故車両が任意保険に加入しておらず補償が見通せないことについて「将来の介護費は何億円にもなり不安しかない」と訴えた。
|
|
起訴状によると2人は田中被告所有の軽乗用車を不正に改造。若本被告は2023年11月14日、タイヤを点検する注意義務を怠って脱輪させ、女児に頸髄(けいずい)損傷などのけがをさせたとしている。両被告は起訴内容を認めている。【後藤佳怜】
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 THE MAINICHI NEWSPAPERS. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。