
企業向けのコンサルタントとして順風満帆な日々を送っていたAさんは。妻と二人暮らしです。仕事の成果も安定しており経済的な不安とは無縁でした。しかしある日、酒の勢いから仕事関係で知り合った女性と一線を越えてしまったことから、すべてが一変してしまいます。
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数日後、妻がAさんのスマートフォンを手に取り、女性とのLINEのやり取りを目にしてしまいます。妻は激しく動揺し、「実家に帰ります」とだけ告げて、家を出て行きました。
Aさんは焦りながらも、どこか楽観的に考えていました。というのも彼の知人であるBさんも過去に不倫をした経験がありましたが、最終的には離婚せず現在も円満な生活を送っているからです。「Bさんが大丈夫だったのだから、自分も何とかなるだろう」「しばらくすれば戻ってくるだろう」と安易に考え、Aさんは妻への連絡を少しおざなりにしてしまいました。
数週間後、Aさんの元に一通の封筒が届きます。中には、妻が署名捺印した離婚届が入っていました。Aさんは目の前が真っ暗になる思いでした。Bさんは許されたのに、なぜ自分は許されないのでしょうか。夫婦関係修復カウンセリング専門行政書士の木下雅子さんに話を聞きました。
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ー妻が夫の浮気を許す場合と許さない場合の違いはどこにあるのでしょうか
大前提として、浮気をした夫は妻に許されるだろうとは考えるべきではありません。Bさんは円満な生活を送っているということでしたが、実際には着々と離婚の準備を進められている場合も考えられます。笑顔を見せて過ごしておきながら、いつか大きな仕返しをしようと考える妻もいます。
その上で、許される夫に共通している点を考えると、自分が変わったことで反省している姿が妻に伝わっているかどうかがポイントです。Aさんのように「自分も何とかなるだろう」と何も改めないでいると許されるわけがありません。
ー反省している姿が伝わるように夫が心がけるべきこととは?
行動を改めるにしても、続けられないことをすると逆効果です。たとえば、妻に代わって食事を作るようになったとしても、2週間ほどでやめてしまえば相手を失望させてしまいます。「どうせ口だけ」と見透かされてしまうでしょう。
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トイレを終えた後に掃除をしたり、自治会の役員を妻の代わりに引き受けたり、長く続けられる行動がおすすめです。一度裏切られてしまったとはいえ、夫が行動を変え続けていれば、妻も自分に関心が向いているのだと思い、徐々に態度を軟化させるでしょう。
一時の過ちとはいえ妻は深く傷ついています。その傷を癒すのは長い時間がかかると考えた方が良いと思います。
◆木下雅子(きのした・まさこ)行政書士、心理カウンセラー。大阪府高槻市を拠点に「夫婦関係修復カウンセリング」を主業務として活動。「法」と「心」の両面から、お客様を支えている。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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