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「元県民局長作成の文書については、事実無根でも嘘八百でもなかったというのが我々の調査結果です」
3月4日、斎藤元彦兵庫県知事(47)の“パワハラ疑惑”などをめぐる内部告発文書問題で、県の百条委員会は約9カ月に及ぶ調査結果の報告書をまとめ、委員長の奥谷健一県議(39)が冒頭のように述べた。
昨年3月、元県民局長の男性が斎藤知事に関する告発文書を報道機関に配布し、これを把握した斎藤氏の支持を受けた元副知事らが男性を“告発者”と特定。斎藤氏は3月27日の会見で文書を「噓八百」「事実無根」と主張しており、男性は4月に公益通報制度を利用し通報したが、5月に県から停職3カ月の懲戒処分を受け、7月に死去した。
一連の動きを受け、昨年6月に県議会で百条委員会の設置が決定されたが、今回まとめられた報告書では、斎藤氏をめぐる7つの疑惑のうち、パワハラなど5つを“一定の事実”と認定。斎藤氏が“妥当”としてきた告発者探しなど、文書に対する一連の件の対応は「看過できない問題があった」と指摘している。
そして、報告書が議会で正式に了承された5日の定例会見で、斎藤氏は報告書について「一つの見解が示されたということは、しっかり受け止める必要がある」としつつ、元県民局長の男性の懲戒処分など、県の対応の正当性を主張。「告発書は誹謗中傷性が高かった」とその根拠を述べたほか、男性の公用PCの中身について、「当該文書のデータが見つかった」「倫理上きわめて不適切な、わいせつな文書を作成されていた」とも言及した。
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男性の公用PCの中身をめぐっては、斎藤氏の側近でもあった元総務部長が県議に漏洩した疑いがあり、斎藤氏は今年1月に事実関係を確認するため第三者委員会の設置を発表。なお、斎藤氏はPCの中身を「見ていない」としている。
パワハラが“認定”された後の会見とあって、こんな場面も。終盤、フリージャーナリストの男性が、「報告書をしっかりと受け止めるならば」と前置きした上で、斎藤氏がPCの内容に触れたことについて、こう迫った。
「晒す必要などないじゃないですか! あなたは人が死んだことをなんだと思ってるんですか!」
すると、5秒ほどの間があき、斎藤氏は「あっ、質問ですか」と一言。これに対し、ジャーナリストの男性はこうも投げかけた。
「あなたの人間性を問うてるんです! あなたの日本語能力に合わせましょか? 死者を冒涜するな! 職員をバカにするな!」
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これに斎藤氏は、「ご指摘、百条委員会の報告というのは、真摯に受け止めていくことが大事だと思ってます」と回答するにとどまったが、男性は「真摯に受け止めるならば、今日の記者会見での元県民局長のプライバシー情報に対する言及を取り消していただけないですかね?」と反論。これにも「倫理上、極めて問題のある文書というものはこれまでも申し上げてましたし、その内容について申し上げたということです」と淡々と返答した。
最後に、4日に閣議決定された公益通報者保護法改正案の受け止めを問われた際も、「国において公益通報のあり方をしっかり審議されて、先日閣議決定されたと。法改正に基づいて公益通報保護制度の改善をしていくと、制度上の対応をしていくと」と、答えるにとどまった。
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