山中で保護された8匹の子犬→家族を見つけて幸せに 久々に兄弟が集合しました

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2025年03月06日 11:40  まいどなニュース

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右目が開きづらかったにこまるくん。獣医師のご家族に手術してもらいパッチリおめめに!

 2024年1月、岡山市の山中で8匹の子犬が保護されました。その山では数十年前から多くの野良犬が死と隣り合わせのフィラリア症や、大変な苦痛を伴う皮膚病などにさらされながら、懸命に生きていることが知られていました。『一般社団法人 せとうち保護犬猫の里』をはじめ、動物愛護団体や個人ボランティアが山へ入り、情報収集をしては保護に努めていましたが、野良犬の捕獲は簡単ではなく、また、どんなに過酷な環境でも繁殖可能なオスとメスがいれば、妊娠・出産が繰り返されてしまいます。保護された8匹の子犬は、1年に2回のペースで出産し続けていたメス犬から生まれた子たちだったと言います。

【動画】保護当時の子犬のかわいい動画を見る

 2023年12月初旬、山に設置していたカメラ映像や目視により、出産があったことが判明。子犬が離乳食を食べられるようになる生後3週齢以降まで待ち、ボランティア数人が山へ入って子犬を捜索しました。とはいえ、広い山の中のこと、年末年始に1回あたり10000万歩以上歩いてもなかなか見つけることができず、年明け4回目の捜索でやっと発見、保護することができました。

「もし子犬のときに保護できなければ、その子たちがまた1年未満で子どもを産み、あっという間に野良犬が増えます。あのとき8匹の子犬たちを無事に保護することができて本当によかったです」

 そう振り返るのは、捜索に参加した西村朋美さん。犬猫の保護活動歴30年というベテランのボランティアです。

「保護した子犬たちはボランティア数人で手分けして自宅でお世話しました。人間に対する警戒心を持たないくらいの幼さで保護することができたので、人馴れ訓練の必要もありません。コロコロとした甘えん坊のかわいい子犬たちは、必要な医療処置を済ませて里親様を募集したところ、比較的早くに8匹すべてに良い里親様が決まりました」(西村さん)

山で保護されたきょうだい犬が大集合! 

 保護から1年余りが過ぎ、8きょうだいは岡山県内を中心に関西へも巣立って行き、それぞれ幸せに暮らしています。今回、取材をきっかけに一般社団法人 せとうち保護犬猫の里が運営する『せとうちドッグパーク』に6匹が集合してくれました!

●にこまるくん

「保護されたときから右目が悪かったようで、そのせいか、きょうだいの中で最後まで残っていました。息子が獣医師なので、うちならお世話できるかもしれないと思って決めました。手術して、今は毎日2〜3回の散歩を楽しんでいます。私たちにとってもいい運動ですし、わが家に来るために残って待ってくれていた“にこ”です」(ご家族)

●ルーナちゃん

「実家で保護犬を2頭飼っていて、迎えるなら保護犬をと思っていました。インターネットで探していたとき、頼りなさそうな顔がかわいいルーナを見つけて、すぐ会いに来ました。子どもたちからはずっと『白い子がいい』とリクエストされていたんです。きょうだいで遊んでいる姿を見て、この子だ!と思って決めました」(ご家族)

●手毬ちゃん

「23年7月に先代のボーダーコリーが亡くなって、もう飼うつもりはなかったのですが、息子と孫が手毬を見つけてきてくれて。実際に会ったら…ね。手毬は甘えん坊でひっつき虫。台所にもトイレにも付いて来ます(笑)。うちには保護猫が3匹いるのですが、その子たちとも仲良くしていて、特に絹ちゃんと仲良しですね」(ご家族)

●パダくん

「パダというのは韓国語で『海』という意味。同居猫の2匹がタル(月)とピョル(星)で、自然にちなんだ韓国語から付けました。パダを迎えようと思った決め手は、愛くるしさとやんちゃさが我が家にぴったりだと思ったから。息子3人、猫2匹、犬1匹のにぎやか家族です!子どもたちも積極的にお世話してくれています」(ご家族)

●音次郎くん

「同じ山で生まれた胡太郎という元保護犬を飼っていて、次の子を迎えるなら3〜4歳までがいいと聞いて。胡太郎を連れてせとうちドッグパークのドッグランに来たとき、困った顔をした音ちゃんに出会って、同じ山出身ということで心が動きました。音はイケイケで怖い者知らずの性格。胡太郎とも2〜3日で打ち解けました」(ご家族)

●息吹くん

「もともとせとうちドッグパークさんから猫を2匹迎えていました。インスタで子犬がたくさん保護されたのを知ってすぐ会いに来ると、猫のしずくと模様、ブチの位置が同じ子がいて…それが息吹です。猫たちとも追いかけっこをしたり仲良くしていますよ。散歩に行くことで生活にメリハリが生まれましたし、子どもも率先してお世話してくれています」(ご家族)

 きょうだい犬大集合に参加できなかったウニくんとアクアくんも、ご家族の愛情をたっぷり受けて幸せに暮らしています。

「ご家族から送られてくる写真を見ると、愛され、大切にされていることが分かります。本当にありがたく、うれしい気持ちになりますね。実際に保護したり預かることだけがボランティアではなく、保護犬猫を家族に迎え、生涯責任を持って大切にしてくださることも、ボランティアの1つの形だと思います」(西村さん)

(まいどなニュース特約・岡部 充代)

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