主審に詰め寄って抗議したフォンセカ監督 [写真]=Getty Images フランスプロサッカーリーグ(LFP)は、リヨンを率いるパウロ・フォンセカ監督に11月30日までとなる約9カ月のベンチ入り禁止処分を下した。
リヨンは2日に行われたリーグ・アン第24節のスタッド・ブレスト戦に2−1で勝利を収めた。しかし、試合終了間際にPK判定を巡ってオンフィールド・レビューをしたブノワ・ミロー主審に抗議したフォンセカ監督が一発退場となると、主審に詰め寄り激昂。周囲の人に抑えられながら、ピッチを後にしていた。
なお、ミロー主審はフランス紙『レキップ』とのインタビューで「彼は威圧的な態度で私に飛びかかってきたので、私は彼を一発退場にすることにした。事態は制御不能に陥り続けていた。彼はさらに激しい態度を見せ、殴ろうとした。実際は頭突きだった。私は最終決定を発表する時間さえなかったが、結局PKを与えないことにした。正確に言えば、鼻が軽く接触をした」とフォンセカ監督の退場場面を振り返っていた。
これを受け、LFPは5日に声明を発表。フォンセカ監督を11月30日までベンチ入りを禁止するほか、9月15日までは公式戦の前後にロッカールームに入ることも禁止する処分を下したことを明らかにした。そして、懲戒委員長のセバスチャン・ドゥヌー氏は以下のように今回の処分に至った理由を説明した。
「フォンセカ氏はリーグ・アンの監督だ。何よりも教育者である。言うまでもなく、このような態度はこうした職務とまったく相容れないものだ。委員会は、審判に向かって身を投げ出し、叫んで、2人が正面からぶつかり合うほどだったフォンセカ氏の態度は、威圧的で脅迫的な行動の特徴であると判断した」
現時点でこの処分はリーグ・アンのみに適用されており、欧州の大会には問題がないことから、6日に行われるヨーロッパリーグ(EL)ラウンド16・ファーストレグのFCSB(ルーマニア)戦は指揮を執ることが可能となっているフォンセカ監督だが、イギリスメディア『スカイスポーツ』などによると、LFPがこの件をUEFA(欧州サッカー連盟)やFIFA(国際サッカー連盟)などに報告すれば出場停止処分は欧州大会にも適用される可能性があるようだ。
一方、この処分を受けたリヨンはクラブ公式サイトで以下のように抗議の声明を発表している。
「リヨンは、パウロ・フォンセカに対する懲戒委員会による前例のない厳しさと異例の速さの制裁を確認した。クラブは審判員を身体的に攻撃するという明確な意図はなく、感情的な反応であった監督の行動のみで判断されなかったことを遺憾に思う。フランスの審判に悪影響を及ぼす状況によって決定されたと思われる処分を受けて、リヨンは現在、控訴に向けてあらゆる解決策を検討中であることを発表する。これまで以上にクラブは団結し、スポーツの目標に集中していく」
昨年12月30日にミランの指揮官を解任され、今年1月31日からリヨンに就任したフォンセカ監督。ここまでリーグ戦3勝2敗ときていたなか、控訴が認められなければ、長期のベンチ入り禁止となることになった。
【ハイライト動画】リヨンvsスタッド・ブレスト