「ずっと好きでした!」声優・春瀬なつみが憧れのフィギュアスケーターに告白? 大号泣した演技も明かす

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2025年03月06日 18:20  webスポルティーバ

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声優・春瀬なつみさん インタビュー中編(全3回)

 新感覚アイスショー『滑走屋』が3月8〜9日、広島市のひろしんビックウェーブで幕を開ける。座長である高橋大輔を中心に、7人のメインスケーターと19人のアンサンブルスケーターを合わせ、総勢26人が重なり合いながら、氷上を華麗に舞う。生命の輝きがほとばしるような物語を紡ぎ出すーー。

 その『滑走屋』で応援団長を務めるのが声優、春瀬なつみだ。春瀬は、フィギュアスケートを題材にした人気アニメ『メダリスト』(テレビ朝日系/原作つるまいかだ・講談社)の主人公、結束いのりの声で注目を浴びる。

 自身も学生時代からスケートリンクに通って我流で滑ってきたといい、競技ファンとしてはノービスからスケーターに注目する春瀬。そんなフィギュアスケート愛に溢れた彼女だからこそ、明浦路司コーチと一心同体でメダルを目指す少女フィギュアスケーター、いのりとの相性も最高だ。

「原作のつるまいかだ先生がおっしゃっていてハッとしたんですが、スケートって一回の試合にかける集中力がすごく必要で、声優も本番にすべてを出しきらないといけない。だから、集中力の点では似ているんじゃないかって思います」

 春瀬は透き通った声で言う。いのりは"スケートを生きる"ように必死に滑る。そのキャラクターは春瀬の純粋さにも通じる。

「いつかやってみたいのが、フィギュアスケートの会場で『○○番、○○さん、○○大学(〇〇FSC)』というアナウンスです!」

 彼女は満面の笑顔を浮かべる。心底、フィギュアスケートが好きなのだろう。

 今回は、開幕前夜の『滑走屋』応援団長として、『メダリスト』の声優として、その両面からフィギュアスケートを語ってもらった。

【村元哉中さんに告白しました】

ーー昨年の『滑走屋』は、個人的には妖艶な演技が光った村元哉中さんがバツグンでした。アイスダンスのカップルを通じ、座長である高橋大輔さんの表現をもっとも汲み取っているように映りました。

春瀬なつみ(以下同) 私、村元さんのことはシングルの時から好きだったんです。『ラストエンペラー』の演技で魅了されちゃって。当時、私はまだ学生で、スケートファンなり立ての時でした。坂本龍一さんの音楽とマッチして、夢中になっちゃいました。村元さんがシングルからアイスダンスに転向した時、(演技を)まだ見られるんだって思ってうれしかったのを覚えています。クリス・リードさんとのアイスダンスで、"これだ、見たかったのは!"って勝手に思って(笑)。そしてそのあとの高橋さんとのカップルに結びつくわけで......。

ーー『滑走屋』の練習で村元さんに会ったそうですね?

 はい。村元さんにお会いした時、「シングルの時から好きでした!」と告白しました。びっくりされていましたが、「ありがとうございます」って優しく答えてもらって(笑)。

【二人三脚の物語が大きな魅力】

ーー『メダリスト』に登場する明浦路司先生は、アイスダンスの選手でした。春瀬さん自身がそれだけアイスダンスをリスペクトしていると、役柄でも司先生への敬意を持ちやすそうですね。

 アイスダンスはすごい競技だと思っているので、私も結束いのりちゃんを通じて司先生を尊敬できますね。スケーティングが大事な競技で、そこがうまくなることで、シニアになった時にどれだけ選手を助けてくれるか。今の時代はトータルパッケージでジャンプが跳べるだけじゃ足りなくて、スケーティングが大事だからこそ、いのりちゃんは子どもの時から積み重ねられてラッキーだなって思います。

ーー『メダリスト』では師弟関係もひとつの軸になり物語が進んでいきます。

 高橋さんと対談させてもらった時、「長光歌子先生との出会いは偶然が重なって起きたことで、もし出会えていなかったら今の自分はない」と話されていました。『メダリスト』では、いのりちゃんや他の選手も先生と出会えたから、今の選手人生がある。先生と選手の二人三脚というところもフィギュアスケートの魅力ですね。リンクではひとりで戦うスポーツだからこそ、先生との信頼関係が大事で、氷の上に立つ覚悟にもつながると思います。そういうところは、演じる時も気をつけています。

【ノービス時代から見守った"スケート人生"に号泣】

ーー二度とない一瞬を滑るからこそ、フィギュアスケートはドラマが生まれるんですね。演技を通し、選手の人間性や歴史が浮かび上がります。たとえば、『滑走屋』のメインスケーターでは青木祐奈さんが典型でしょうか?

 私は、「天才少女が現れた」と言われたノービス時代から青木祐奈さんを見ていました。ジャンプじゃなく、表現力も磨かれていって。ジャンプは、トリプルルッツ+トリプルループのコンビネーションから決して逃げていない。あのジャンプを維持するのがどれだけ大変か! 昨年の全日本選手権では冒頭のジャンプが単独になり、リカバリーをどうするんだろうって思っていたら、最後のジャンプで入れて......私は"諦めなかったんだ!"って号泣しちゃいました。今も思い出して話しているだけで、泣きそうです。足に乳酸がたまってきつかったはずなのに、最後まで諦めず。それだけ全日本にかけているし、スケート人生を諦めたくない執念を感じました。だから、「現役を続けるか迷っている」という話を聞いて、少し気持ちがわかるなって。声優の職業もつらいことのほうが多いんです。いつも瀬戸際で、"やっぱりここに立っていたい"って思うもので。青木さんの演技には尊いスケート人生を感じます。今回の『滑走屋』で、少しでもお会いできてよかったです。

ーー春瀬さんはノービスから選手を見続けるのが好きとのことですが、その意味で一番変化を遂げた選手は誰ですか?

 宮原知子さんです。成長する姿を見られるのは、ノービスから応援する人にしか得られない特権。知子さんがノービス時代に全日本に推薦出場したシーズンは、一つひとつの要素を明確に滑っていく印象でした。あとレイバックスピンにビールマンポジションは入っていなくて、ヘアカッターというポジションでした。でもその1年後、知子さんは主流になっていたビールマンを入れていたんですよ。ふつう体は急に柔らかくならないし、負担もかかる。"1年でできるの!"って! さらに表現力もどんどん花開いていって。そのあと生で拝見できたNHK杯のショートプログラム『戦場のメリークリスマス』は本当に感動しました。ピアノアレンジで優しい静かな曲を、イノセントに表現していて。最初に見た知子さんから変身したようで芸術的でした。

ーー宮原さんは、フィギュアスケートを芸術に高めた女子選手のひとりですね。

 知子さんは気持ちを表現できるように、ガッツポーズまで練習されたという話を聞きました。自分と向き合って練習をされてきたからこそ表現を極められたんですね。コーチが止めても練習する方だそうで、スピンを失敗した時、冗談で「スピン100回」と言われ、それを本当にやっちゃうとか。すごい演技を見せるスケーターは練習量も多い。その日々が演技に詰まっていて、知子さんの演技は"どれだけ練習を積み重ねてきたの?"って思って感動して泣いちゃうんです。

後編へつづく ※3月7日午前7時公開予定

<プロフィール>
春瀬 なつみ Haruse Natsumi 
香川県出身。2014年に声優デビューし、『アイドルマスター』シリーズの龍崎薫役で注目を集める。2025年にスタートした、フィギュアスケートを題材としたアニメ『メダリスト』では、主人公の結束いのり役を務めている。自身もフィギュアスケートの大ファン。マウスプロモーション所属。

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