映画『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』出演声優たち 撮影=上野留加(C)ORICON NewS inc. 映画『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』が大ヒット公開中。今作は映画としては日本“初”となる観客参加型「インタラクティブ映画」で、観客の投票によってラップバトルの勝敗が決定し、展開が変わるシステム。上映パターンが48通りあり、16曲の新曲と7通りのラストが用意されている。
【写真】ヒプマイ声優たちのソロカット そんな“前代未聞”の作品に参加している声優陣、イケブクロ・ディビジョン「Buster Bros!!!」の山田 一郎役・木村昴、ヨコハマ・ディビジョン「MAD TRIGGER CREW」の毒島 メイソン 理鶯(りおう)役・神尾晋一郎、シブヤ・ディビジョン「Fling Posse」の飴村 乱数(あめむら・らむだ)役・白井悠介、シンジュク・ディビジョン「麻天狼」の神宮寺 寂雷(じゃくらい)役・速水奨、オオサカ・ディビジョン「どついたれ本舗」の白膠木 簓(ぬるで・ささら)役・岩崎諒太、ナゴヤ・ディビジョンのチーム「Bad Ass Temple」の波羅夷 空却(はらい・くうこう)役・葉山翔太の6人にインタビュー。プロジェクトにまつわる思い出や映画について語り合ってもらった。
■『ヒプマイ』で学んだものづくりの姿勢&育んだ絆
――『ヒプノシスマイク』は、2017年のプロジェクト始動から数えると、8年目を迎えました。これまでの活動で特に思い出に残っていることを教えてください。
【神尾】 思い出、いっぱいありますね。
【岩崎】 全部、思い出
【速水】 大阪のライブ(※2019年9月開催『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-4th LIVE@オオサカ《Welcome to our Hood》』)のとき、台風で帰れなかったよね。
【白井】 初めてオオサカとナゴヤがお披露目になったときですね。
【木村】 帰れなくなったから速水さんが、ご飯に連れて行ってくれましたよね。めっちゃうまいナッツが出てくるお店でした!
【速水】 懐かしい。
【葉山】 いろいろな経験も積めたし、こうやってものづくりをしていくんだ、こうやって築きあげていくんだなと教えてもらったのがヒプマイです。
【神尾】 ところで葉山さん、初登場のときケガしていませんでした?
【葉山】 なんでバレたの(笑)。フットサルでキーパーをやったら、慣れていないのにボールを掴もうとしちゃってグキッて(苦笑)。うまいことスーツで隠してもらっていました。
【白井】 観客の皆さんは気づいていなかったし、竹内君がかんだことしか見ていなかったと思う(笑)
【葉山】 あはは!竹さんのおかげだ(笑)。
■木村昴、一般ラップバトル参加の過去 仲間2人と挑み「何かたぎっちゃって(笑)」
【木村】 ヨコハマはどうですか?
【神尾】 1stディビジョン・ラップバトルのシーズンのとき、ライブで天(崎滉平)ちゃんが(自分の顔のすぐ前を示しながら)ここにいまして(笑)。
【白井】 ゼロ距離ね。
【木村】 「WAR WAR WAR」かな?イケブクロVSヨコハマだ。
【神尾】 パフォーマンス始まった瞬間、ここ(※自分の顔のすぐ前)にいるから。天ちゃん、近すぎるよって!(笑)
【木村】 イケブクロ、ギンギンだったでしょう。
【白井】 ギンギンって言うな!
【神尾】 イケブクロ、怖かった(笑)
【木村】 それには理由があって。あのシーズン中イケブクロの3人で、池袋西口公園へサイファー(※公園や広場で複数人が輪になり即興でラップすること)しに、しょっちゅう行っていたんです。
【白井】 仕事ではなくプライベートで行っていたんだよね。
【岩崎】 すごいよね。
【木村】 もうスパーリング感覚でめちゃめちゃやっていたから何かたぎっちゃって(笑)。(ヒプマイのライブは)フリースタイルバトルじゃないのにラップ熱が高すぎて、3人ともギンギン。俺らの中でもちゃんと本番は冷静にラップしようと言っていたのに始まったらもう(笑)。ごめん…あれは反省しています。
【神尾】 めちゃめちゃ楽しかったし、いい思い出です。
■各ディビジョンの忘れられない思い出「このコンテンツすごいなと思いました」
【白井】 シブヤはヒプノシスマイクというコンテンツ自体の手応えを感じたのが、ファーストライブという位置付けの池袋サンシャインシティの噴水場のステージ。そこでこのコンテンツすごいなと思いました。
【木村】 それはお客さんのリアクションで感じた?
【白井】 リアクションもそうだし、集まってくれた人たちの数もそう。我々も含め、まだみんなヒップホップのノリに慣れていない状態で一から作り上げるというか。みんなで盛り上げていった感じがして、すごく貴重な体験でした。昴君は(リリックを)いっぱい言い直していたけど(笑)。
【木村】 “黒歴史”だから!一とちりはまだいいけど、やり直して三とちり(苦笑)。まぁ、(去年の11月のAGF2024のステージで)リベンジは果たせましたけどね。
【白井】 あれもいい思い出だよ、今となっては。
【速水】 その後の品川ステラホール(※2018年8月開催『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- 2nd LIVE@シナガワ《韻踏闘技大會》』)もすごかった。
【神尾】 危ないからみんな下がってくださいって。お客さんを後ろに下がらせましたよね。
【速水】 すごい背の高い男性いたよね。
【岩崎】 よく覚えていますね。
【木村】 岩崎さんの思い出は?
【岩崎】 いろいろありましたけど、8th LIVE(※2022〜23年開催『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 8th LIVE ≪CONNECT THE LINE≫』)。ディビジョンごとに各地域でやったライブは、大阪に戻ってパフォーマンスができたことと、ファンの皆さんもオレンジ一色の光景で歌うのはうれしかった。チーム3人の結束がより深まったし大事な経験でした。そこからのこの間のファンミーティングも楽しかったので、またやりたい。
【木村】 ディビジョンごとのライブは(チームの)絆が深まったし、ファンの方との絆も深まった、良いライブでした。こんなこと言っちゃなんですけど、8th LIVEと比べると全ディビジョン参加のライブは暇に感じてしまうくらい(笑)。
【岩崎】 待っている間に、もうやりたい!って。
【木村】 そんなこんなで語り尽くせませんけど、思い出はいっぱいあります。
■キャスト陣も驚いた48通りの上映パターン&7通りのエンディング
――今回の映画は上映パターンが全48通りで結末は7通りと、異例の試みです。初めて聞いた時の感想を教えてください。
【速水】 相撲の決まり手と同じだなと思いました。
【木村】 好きな決まり手はありますか。
【速水】 うっちゃりです。
【木村】 今回でいうと、どのディビジョンの結末がうっちゃりですか?
【速水】 オオサカじゃないですか。
【岩崎】 オオサカ、やっぱりうっちゃりになっちゃいますよね(笑)。
【白井】 うっちゃり知らないでしょう?
【岩崎】 “うっちゃりなんちゃり”ですよね。
【速水】 ちょっと相撲から離れた方がいいね。
【木村】 誰が言っているんですか(笑)。葉山君はどう?
【葉山】 相撲のアニメですか?
【木村】 違うよ!
【葉山】 最初はそこまでパターン分けされるとは聞いてはいなかったので、48通りで終わり方が7パターンというのを文字で見ると、すごいなと思いました。
【速水】 そうは言っているけど、ないかもよ(笑)
【岩崎】 えっ!?
【木村】 ウソついたら終わりですよ(笑)。
【白井】 (斉藤壮馬演じる夢野)幻太郎だけだからウソつくのは。
【木村】 ということでしたけど、神尾さんはいかがですか。
【神尾】 48通りと聞いて、そんなに録ったかなって逆に不安になりました。ただ、出来上がりを見るのが『楽しみ!』という、ワクワクがありました。
【白井】 最初は48通りありますと言われてなかったですからね。
【木村】 一本の映画にしては多いなって思わなかった?岩崎さん、どうでした?
【岩崎】 計算したんですよ。そうしたら4×8は32だったんです。
【白井】 その心は?
【岩崎】 4×8は32でなるほどなと思って。九九、小学校2年の時に習ったぞと。
【岩崎】 そして?
【岩崎】 それで7通りでしょう……もう訳がわからない!(笑)。それくらいすごいなって。
【木村】 みんなを代表して、僕が行かせてもらいます。バカなの?(笑)
【岩崎】 違う。アホなの(笑)
【木村】 一緒でしょう(笑)。要はチュウオウ・ディビジョンとかも入って、いろいろ分かれていくと48通りあると。白井さんは?
【白井】 初めて聞いたときは7通りのエンディングで、48通り。乙女ゲームかと思いました(笑)
【木村】 確かにね。ただ48回観たら全部見られるとは限らないのが今回の映画の面白いところ。皆さんの選択で上映パターンが毎回、映画館ごとに変わっていく。ヒプノシスマイクは今まで新しいことや前代未聞なことをたくさんやってきて、その最たるものがこの映画なのでは。まだポカーンの方もいらっしゃるかと思いますけども、見ればわかります。ぜひ映画館でお楽しみください。
(撮影:上野留加/文:遠藤政樹/編集:櫻井偉明)
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