
前回からの続き。俺(コウタ)は、高校3年生。両親と2人の弟と暮らしている。受験勉強を頑張り、念願の第一志望大学に合格することができた! これまで支えてくれた両親には、とても感謝をしている。高校の卒業式が終わったある日、両親から驚く話を聞いた。なんと俺と父さんは血が繋がっていなかったのだ。最初は驚いたけれど、意外と俺はすんなりその事実を受け入れることができた。だって父さんと俺の血が繋がっていようがそうでなかろうが、俺たちの関係がこれから先変わることがないと分かっているから……。そして俺は「血の繋がりのある父親」に会ってみよう、そう思ったんだ。




俺が指定された店に入ると、痩せこけた大人の男性がこっちを見ていた。何を話したらいいか分からなかったけれど、母さんからこの人がずっと俺に会いたいと思ってくれていたと聞いていたから、とりあえずそのことを伝えてみた。するとその人は、深々と頭を下げてきた。謝罪をされるということは、それを「受け入れて許す」か「受け入れないで許さない」かの二択になるのだが……。俺は、なんでその人に謝られているのか、よく分からなかったんだ。




俺はこの人から謝られても、何も響かなかった。それは「今」がとっても幸せだということなのだと思う。この人とは、血は繋がっているかもしれないけれど、俺には、絆で結ばれている本当の父親がいる。
この人とはもう会うことはないだろう。だけど、母から受け取ったあのお金のお礼だけは伝えておきたかったんだ。
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はじめて会う「父親」という人は、どことなく俺に似ている?
ような気もしないでもなかった。
けれど「顔」は似ていても、ただそれだけだと思ったんだ。
そう考えると、つくづく俺の性格は父さんからの影響が大きいんだなと実感した。
俺の父親は父さんだ。
今後、この人に会うつもりはない。ただ俺に会いたいと思ってくれていたこと。
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そのことについてしっかりとお礼を言いたかったから、それが叶って良かった。
将来俺が結婚したら、父さんみたいな父親になりたいと思いながら、この先、もう会うことがないと思われるこの人に別れを告げたのだった。
【後日談まんが】へ続く。
原案・ママスタ 脚本・渡辺多絵 作画・善哉あん 編集・石井弥沙
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