『仮面ライダーガッチャード』本島純政×藤林泰也、集大成の作品への思い「頭の片隅に置いておいてほしい」

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2025年03月09日 09:30  ORICON NEWS

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『仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS』に出演する(左から)藤林泰也、本島純政 (C)ORICON NewS inc.
 昨年8月まで放送された『仮面ライダーガッチャード』の新作Vシネクスト『仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS/ホッパー1のはるやすみ』が期間限定上映中。『仮面ライダーガッチャード』の集大成となる本作。ORICON NEWSでは、一ノ瀬宝太郎/仮面ライダーガッチャード役の本島純政、黒鋼スパナ/仮面ライダーヴァルバラド役の藤林泰也にインタビューを実施。2人は万感の思いを語った。

【動画】『仮面ライダーガッチャード』キャスト“卒業”インタビュー わちゃわちゃ指差しトーク

■集大成となる作品が完成「永遠じゃないからこそ美しいものもある」

――Vシネクスト『仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS/ホッパー1のはるやすみ』の撮影を終えての感想を教えてください。

【本島】『ガッチャード』メンバーが1年間で作り上げた仲の良さがすごく前面に出ている作品だと思います。すごく明るい作品でありつつ、シリアスな展開もメインになってくる。僕が見どころだと思ったのは、シリアスなシーンが多いからこそ、明るいシーンがすごく大事になってくるところ。みんなで1年間やってきたからこそ、大事なシーンでもアドリブをしたら、こう返してくれる、と安心してアドリブをすることができた。そのアドリブの面白さっていうのが全面に出てるかなと思います。

――具体的にどの部分がアドリブ?
【本島】例えば加治木(演:加部亜門)とのシーンで僕が「ケミー、見つけた!」と言うシーンです。台本ではせりふもなかったんです。「違うじゃん、あれ!」みたいなやり取りは全部アドリブでやりました。

――藤林さんも感想を教えてください。

【藤林】「終わってしまった」という感想が1番大きいです。でも、さっき純政が言ったアドリブを返してくれるみたいなところは、ドラマしかり、映画しかり、イベントだったり、トークショーだったり、ファイナルライブツアーでの経験が全部生きてたとすごく感じました。その集大成だと思いますし、1年間やってきて今回は“卒業”というテーマなんですけど、そのテーマは僕の中でもすごく響いていて。みんな『仮面ライダーガッチャード』から卒業して、俳優として新たに1歩進むっていう時に、この作品は自分の中で勇気になるんじゃないかなって。最後の作品として、ふさわしいものにできたと思います。

――「卒業」がテーマとなっています。
【本島】やっぱり卒業の寂しさはすごくあるんですけど、この作品のテーマの1つである“永遠”にフォーカスしてみると、永遠じゃないからこそ美しいものもあると思いました。永遠じゃないからこそ、みんなとの絆が深まったところはあると思う。永遠じゃないからこそ面白いものがあって、だからその1分1秒を大切にしてほしいというメッセージを込められたらいいなと思いました。

【藤林】何の“卒業”だろうと、1番最初に思って考えました。役に入って考えると卒業しないといけないこともあるなと思いました。卒業は悲しい言葉でもあると同時に晴れ晴れする言葉だなと思っていて。卒業できることが、まず大きい。サブタイトルが『GRADUATIONS』と聞いた時に、僕は高校の卒業式の時にこれから先に何が待ってるんだろうというワクワクがあったので、そういったワクワクもタイトルから自分の中に落とし込めました。すごく好きなタイトルです。シンプルだし、卒業はいろんな捉え方があると思う。作品を見てくださったら、そのあとタイトルがすごく深いものになるんじゃないかなと思いました。

――冒頭いきなり鏡花さんからの衝撃的なメッセージで始まります。台本を読んでいかがでしたか?
【藤林】割とすんなり受け入れられました。藤林としてはですけど(笑)。夏映画で、ちょっと伏線がありましたし。そっちなんだって。台本をもらうまでは僕たちも、いち『ガッチャード』ファンで楽しむ側にいる。なので、1番最初にそこから始まるんだ、どうなるんだろうと後が気になるような結構好きなスタートでした。それが1番最後、エンディングのシーンにつながるっていうところも好きでした。

――ケミーの生活も垣間見えて楽しかったです!
【本島】新地球で、どうやってケミーたちが暮らしているんだろう、というのは本当に僕自身もすごく気になっていたところでした。それが少しでもわかって、うれしい気持ちになりました。

■見逃せない教会のシーン「知ってる人が見たら…」 鉛崎ボルトの濃い演技にも注目

――また、注目なのは教会のシーンだと思います。見る人が見れば知っている方がたくさんいましたが(笑)。

【藤林】あの現場は、めちゃくちゃみんなワクワクしてたんですよ。普段は衣装を着ることのない人が衣装を着て、式場に行かせてもらった。スーツアクターさんたちも晴れ着で集まって写真撮ってたりとか(笑)。スーツアクターさんも、ちゃんとメイクさんがメイクしてキレイな状態で。(スーツアクターさんは)なかなか表に顔が出ることがない。最後に出ていただけたのは、普段は僕たちだけが作り上げてるみたいな形になってるんですけど、顔が見えない方々がいるからこそなので。あのシーンはすごく好きですし、それと同時に知ってる人が見たらすごく笑えるようなシーンになってるんじゃないかなと思いますね。

――永徳さんの神父さんが、いい表情でしたね。
【本島】永徳さんが神父さんなのが本当にいいなと思いましたね。

【藤林】みんながスーツの中、1人だけ着替え終わったら神父だったもんね(笑)。「神父 永徳」と台本にも書いてなかったので。「そこなの!」みたいな感じでした。

――衣装といえば藤林さんは革ジャンがなじみましたね。
【藤林】1年を通して、衣装がほぼ変わっていないのは僕だけなので(笑)。終わってからちょっと体を大きくしたんですけど、久しぶりにファイナルライブツアーで革ジャンを着た時にずっと着ていたからこそわかる「あれ、ちょっと大きくなった?」と感じました。ジャケットを着るといつでも黒鋼スパナに戻れるし、いつでもその時を思い出せる、そんな衣装であり、1つの物差しみたいでお気に入りです。あれを着たら何年後でも黒鋼スパナが自分の中に帰ってきてくれるような気がしています。

――テレビシリーズのキャストも続投します。特に鉛崎ボルト(演:天羽尚吾)は再び濃い演技をしていましたが…。
【藤林】ちなみに僕は、めっちゃ笑っちゃいました。NGを出すぐらい笑っちゃいました(笑)。鉛崎ボルトのラストシーンは、あまりにも鉛崎ボルトすぎて…。素の藤林が引っ張り出されるくらいのクセの強さで。楽しかったですね。

【本島】クセが強かったですね。天羽さんに現場で「1年間ですごくたくましくなったね」と言ってもらえたので、すごくうれしかったです。

【藤林】九十九(演:松澤可苑)も成長が見えて、宝太郎から卒業したような感じで。鉛崎ボルトの変わらなさが愛おしいよね。ただ、これをきっかけに鉛崎ボルトもスパナを恨むことを卒業できたんじゃないかな。トリプルミーニングぐらいあると思う!

――テレビシリーズの放送を終えての心境は?
【藤林】正直に言って、寂しすぎて『仮面ライダーガヴ』を、なかなか見ることができないです…。録画をしていたので毎週日曜日は朝起きたらテレビが勝手について『仮面ライダーガヴ』が流れるんですよ…。その瞬間に 終わっちゃったんだなと感じます。最近の仮面ライダー作品を見ていないんです。理由は、自分がオーディションに落ちた作品を見ることができなくて。オーディションでも「仮面ライダー見てますか?」と聞かれた時も「見てません」と、はっきり答えていたんです。自分がずっとオーディションを受け続け、自分が落ちた作品に誰が受かったかはもちろん気になるんですけど、その作品を見ることができなくて。今回は、それとは違った意味で、終わったと実感するのが嫌で見ることができないですね…。でも、いい評判というのは聞いています!

【本島】僕もガッチャードロスは大きいです。宝太郎が僕に与えてくれたものがすごく大きいので。みんなと一緒に1年間できたという楽しさもそうですし、苦しさ、大変さも宝太郎と一緒に乗り越えてきたので。Vシネクストで宝太郎を演じることは一旦終わりなので、宝太郎が僕から抜けていく感覚があって…。でも、この作品のテーマは“卒業”で、本島純政としてもっと今後俳優として活動していく中で、宝太郎が与えてくれたものは絶対に僕のどこかにあると思う。それを大切にしながら、もっと成長していきたいと思います。

■思い出の1話を明かす 印象に残ったキャラクターは?ファンにメッセージも

――2人のテレビシリーズ思い出の1話は?
【本島】47話は忘れられないです。最後のラスト、2人で戦うシーンは2人が本気で、一切力を抜くことなく戦い合った。お互いの本音で語り合えたシーンだった。不完全燃焼がなくなって完全にスッキリしたような感じでした。

【藤林】お芝居してても出し切った感じあったよね。

【本島】2人ともアフレコでも命を削りながらやりました。酸欠になりながら。

【藤林】削ったね!あれのせいで老けたかもしれないぐらい(笑)。でも、それぐらい本当に気持ちも、力も入ってました。僕も同じです。2人のシーンと言えばだよね。オーディションで3話の演技をやったんです。約1年経過して決闘する。その間の数十話で俳優として成長できたのか、キャラクターとして成長できたのか、それが見えた話なんじゃないかなと思う。僕が言えるようなことじゃないんですけど、すごく演技も良くなってたし、僕自身もすごくやりやすいし、2人がお互いにお互いのことをちゃんと信用して、言葉をぶつけ合ってできたシーンだと思うので、すごく好きですね。

――宝太郎、スパナ以外で印象に残ったキャラクターは?
【本島】グリオンじゃないですかね…。倒したと思ったら蘇ってくるし…。でも、どこか嫌いになれないキャラクター。寂しいと思わせるキャラクターで、愛を求めていたんじゃないかなと思っていて。でも、その愛の求め方が歪んで変わってしまっているから、ぶつかり合ってしまった。最後、グリオンがキッチンいちのせに来るシーンも、愛とは何かを知りたかったが故に、キッチンいちのせに来たんじゃないかなと僕は感じ取った。だからグリオンが印象深いですし、どこが嫌いになりきれないですね。

【藤林】いいこと言うじゃん!グリオンももちろんそうなんですけど、やっぱり冥黒の三姉妹も僕はすごく好きで。それぞれの最期もそうですし、グリオンが何かを抱えていたのと同時に、冥黒の三姉妹もそれぞれに思うことがあって。人形だから何もないはずなんですけど、宝太郎や錬金連合のみんなと関わっていく中で、どんどん気持ちが芽生えていった。それぞれの思考は、すごく人間的。それぞれの人間らしさが生まれていく過程も好きですし、葛藤を抱えながらも戦っていく。誰も悪くはない。憎めないところも、三姉妹を演じた俳優のみんなが作ったものだし、そのキャラクターが作ったもんじゃないのかなと思っています。

――スパナといえば、ラケシス(演:坂巻有紗)の最期のシーンは良かったですね…。
【本島】実は、あのシーンがクランクアップだったしね。

【藤林】泣いたね。自分の中でも出し切った。涙腺が、あの日は弱かったんで。

【本島】泣きすぎなのよ(笑)。朝の6時から泣いてますから。

【藤林】メイク中に泣いて怒られてますから…。そのぐらい自分の中で気合の入った1日だったし、最後のシーンだったので、すごく思い出深いですね。

――本島さんのクランクアップは、どのシーンでしたか?
【本島】グリオンと最後に変身し合うシーンでした。そのシーンも僕にとって印象深いシーンになりました。

――最後にファンにメッセージを。
【藤林】『仮面ライダーガッチャード』を見続けてくださった皆さん、ありがとうございます。僕も僕自身もVシネクストを見てしまうと終わってしまうという気持ちがすごく強いので、見るのが抵抗があるんですけど…。でも、この先明るく物事を捉えさせてくれるような作品になっていますので、ぜひ見ていただきたいです。それと同時に、この作品のテーマ自体は、みんなが絶対に感じたこと。寂しいなと思うことも、永遠に続いてほしいなと思うこともいっぱいあると思う。そういうことと向き合った時に、この作品を思い出して、『仮面ライダーガッチャード』を思い出して、もう1回見たらまた楽しい気持ちになれると思います。ぜひ今後とも、頭の片隅に『仮面ライダーガッチャード』という作品を置いといてほしいなと思います。

【本島】まず、1年間『仮面ライダーガッチャード』を応援してくれてありがとうございます、と言いたいです。“卒業”で「仮面ライダーガッチャードロス」と言ってくださる方もすごく多くて。それはうれしいんです。うれしいんですけど、『仮面ライダーガッチャード』を卒業しても、それぞれの道に歩んでいく。皆さんの心の中でガッチャードの仲間たちのその先を描いてくれたらすごくうれしいです。宝太郎も九堂も錬金アカデミーのみんなも、みんなの心の中で生きていて、心の支えになることができていたら、この『仮面ライダーガッチャード』という作品を1年間作り続けた意味にもなる。そうなれば、すごくうれしいです。

――“卒業”となれば、“同窓会”で戻ってくることも期待しています!
【藤林】10年後、20年後にまた同窓会できたらいいよね。

【本島】そうだね。作品でまた帰ってきたいね!

――それまで太れないですね…。
【藤林】そうですね…。

【本島】革ジャンがパンパンで入らないスパナは見たくないかも…。

【藤林】俺も見たくない…。そしたら辞退するかも。みんなの中ではキレイなスパナのままでいてほしいから(笑)。

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