なぜ大作「ドラゴンエイジ」は発売4カ月でフリープレイに? キャラメイクに四苦八苦しながらマンガ家が悟ったこと

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2025年03月09日 12:31  ITmedia NEWS

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 PlayStationの有料サブスク「PlayStation Plus」に、月ごとに3本程度のゲームを購入せずにライブラリに保存して遊べる「フリープレイ」というサービスがあります。そして、この3月のフリープレイタイトルに「ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者」が含まれていました。発売は2024年10月31日ですから、わずか4カ月です。


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 本作は、特に海外で人気のRPGである「ドラゴンエイジ」シリーズの最新作です。前作からおよそ10年ぶりに発売されたということで、かなり期待されていたと思うのですが、ふたを開けてみればあまり売れなかったのでしょう。


 売り上げ不振の大きな理由として、DEI(多様性・公平性・包括性)を強く意識した作品になっていることが挙げられます。本作は、販売前からDEIに配慮していることをアピールしていたのですが、ゲームの面白さよりもDEIに重きを置いているように見えるゲーム業界の動きに辟易していたゲームユーザーから反発を受けることになりました。


●“DEIタイトル”の実際


 今回ボクも遊んでみましたが、最初の主人公のキャラメイクからDEIへの配慮を強く感じました。性別とは別に「彼」「彼女」といった、自分の代名詞を選べたり、胸やお尻を大きくしてセクシーな体型にすることができなかったり、顔が整った、いわゆる美男美女を作ることが難しかったり……いくら頑張っても理想のイケメンが作れないので大変でした。


 一方で、ゲーム本編ではそこまでDEIに配慮したエピソードは出てきません。ただ、その数少ないエピソードの熱量がすごく、表現もかなり直接的だったりするので、ゲームの世界観やストーリーの流れを阻害している印象は受けます(詳しくはマンガで!)。作品に思想を込めること自体は決して悪いことではないと思うのですが、それを伝えることが目的になってしまうのはよくありません。


 それでも、ゲームとしては結構面白いと思います。敵と戦うアクション要素は、特に目新しいシステムではないものの、駆け引きや爽快感があって楽しいですし、主人公や武器の成長要素もやりごたえがあります。マップも探索しがいのある、ちょうどいい広さになっていますし、全体的に丁寧に作られているなと感じました。


 ストーリーは、前作までの知識があること前提で語られるので、初見のボクにはよく理解できませんでした。それでも、遊んでいて楽しかったので、そういう意味ではシリーズのファンはもちろん、知らない人もプレイできると思います。何よりPlayStation Plusユーザーなら追加投資なしでプレイ可能! せっかくですからライブラリに保存くらいはしておいてもいいと思いますよ。


●著者紹介:サダタロー


1998年にテレビ番組「トロイの木馬」出演をきっかけに漫画家デビュー。代表作は「ハダカ侍」(講談社、全6巻)、「ルパンチック」(双葉社、1巻)、「コミックくまモン」(朝日新聞出版、既刊7冊)など。現在、熊本日日新聞他で4コマ漫画「くまモン」を連載中。Pixivはsadataro、Twitterは@sadafrecce。


●連載:サダタローのゆるっと漫画劇場


漫画家のサダタローさんが、世界初の電脳編集者「リモたん」と一緒に話題のアレコレについてゆる〜く語るまんが連載。たぶん週末に掲載します。連載一覧はこちら。過去の連載はこちらからどうぞ。



このニュースに関するつぶやき

  • これ酷いのが責任者が「私を必要としてくれる職場に旅立ちます」とか吐かして他の会社に移った事だよね。そいつがまた多様性ゲーム()を作ったら他の会社が迷惑する(´・ω・`)
    • イイネ!15
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