日本市場に未参入ながら、世界シェアの上位グループに位置するvivoは、“謎のスマホメーカー”とそのうち日本でも呼ばれるようになるかもしれません。本連載でも高性能カメラ搭載の「X」シリーズや、ゲーミングモデルの「iQOO」シリーズをこれまで紹介しています。
しかし、vivoが世界シェア上位に食い込んでいるのは中国市場で売れまくっているからであり、その中でも低価格モデルを中心として展開している「Y」シリーズの人気が高いのです。このYシリーズはXiaomiで言えば「Redmi」、OPPOで言えば「Aシリーズ」に相当します。
2024年末時点の最新モデルは「Y300」です。以前は2桁型番でしたが、Y90番台の後にY100、その後継としてY200、そしてY300と、インフレ的にモデル型番が上がっています。
Y300は2025年上半期向けのエントリーシリーズであり、先に上位モデルの「Y300 Pro」が登場し、その後に普及モデルとして今回紹介するY300が登場しました。なお、Y2桁数字モデルもまだ現役で「Y37」などが出ているのですが、vivoはとにかくエントリーからミドルレンジモデルの製品数が多く、どのような戦略で製品を出しているのかは把握しきれません。
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Y300の主なスペックは、プロセッサがMediaTekのDimensiy 6300、ディスプレイは6.77型(2392×1080ピクセル)、アウトカメラは広角5000万画素と200万画素の深度センサー、インカメラは800万画素を搭載します。中国での販売価格は8GB+256GBの構成で1299元(約2万8000円)からです。
価格は安いのですが、本体の仕上げは美しく、パッと見て低価格機とは思えません。グリーンのモデルは山に生える木々をイメージさせてくれます。ちなみにグローバルにも「Y300」というモデルが出ているのですが、性能などは全く異なるモデルです。vivoは地域ごとに性能を変えた製品を出しているのですが、型番が同じため、たまに混同してしまいます。前モデルの「Y200」は中国、インド、グローバルと3つの異なるモデルがありました。
本体サイズは約163.6(幅)×75.58(奥行き)で、厚みは緑が約8.53mm、黒が約8.39mmです。重さはいずれも約185gです。バッテリーは6500mAhと高容量で、1日の利用では十分持続します。44Wの急速充電にも対応します。
カメラは実質5000万画素シングルカメラなので、標準で1倍と2倍だけが表示されるというシンプルなUIです。深度測定センサーがあるので、意外とボケの効いた写真も撮れます。1300万画素よりも高画質なカメラを搭載しているので、使い方によっては十分に満足する写真を撮れます。
なお、先に発売されたY300 Proとモックで両者を比較してみました。ディスプレイサイズは同等、Proモデルは5000ニトと高輝度で、インカメラも3200万画素と高性能になっています。
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カメラはどちらも同じですが、Y300 Proの方がハイエンドモデルと同じ円形カメラベゼルデザインを採用しています。表面仕上げもY300の緑モデル同様に美しくしており、こちらも安さを感じさせません。ProモデルのプロセッサはQualcomのSnapdragon 6 Gen 1で、価格は1799元(約3万8000円)からです。
vivoはより安い999元(約2万1000円)のYシリーズモデル「Y73m」なども出しており、1000元台前半のモデルはエントリー機としてかなりの数が売れています。Yシリーズこそがvivoの出荷台数を支えており、グローバルでの存在感を知らしめているのです。
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