刃物メーカーの貝印は3月10日、生成AIを活用してブランドムービーを制作したと発表した。映像制作などを手掛けるピラミッドフィルム(東京都港区)と共同で制作。従来のCG制作と比べて制作期間を3分の1以下に短縮し、コストを抑えながら高品質な映像を実現したという。
映像制作には、ピラミッドフィルムでAI動画の制作などを手掛ける「PYRAMID AI」が協力。AIが生成した映像を活用する一方、人の手による従来の映像クオリティーに満たない部分は、ピラミッドフィルム内のプロダクション・PTHREE協力のもと制作を進めたという。
貝印傘下グレートワークス(東京都港区)のクリエイティブ・ディレクターで、動画制作に携わった鈴木曜さんは、AIを活用するにあたり「私の思い描いたコンセプトである『鉱物(金属)で構成された日本の世界』にどこまで肉薄できているか」を意識したと説明。こうした点に関し、AIは「短時間でかなり精度の高い表現を返してくれた」としている。
一方で、一部の表現などでは「満足するレベルに至っていないと判断」し、新たに撮影した素材をAIに学習させるなどの対応を取ったという鈴木さん。これにより、従来よりも費用や制作時間などが抑えられたという。「マーケティングやクリエイティブに多額の費用をかけられない企業には非常に有用な手段となる可能性を感じた」(鈴木さん)
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今回制作したのは、貝印の包丁ブランド「旬」のブランディング動画。同ブランドは2000年に欧米向けの販売を開始し、22年10月には出荷台数1000万丁を突破。現在は欧米を中心に世界60カ国以上で展開している。
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