『東京アニメアワードフェスティバル 2025』授賞式に出席したマッドハウス・福士裕一郎アニメーションプロデューサー (C)ORICON NewS inc. 国際アニメーション映画祭『東京アニメアワードフェスティバル 2025(TAAF2025)』の授賞式が10日、都内で行われ、各受賞賞が発表された。テレビアニメ『葬送のフリーレン』が、『アニメ オブ ザ イヤー』〈作品賞〉の「TVシリーズ部門」を受賞。さらに劇中の楽曲を担当したエヴァン・コールが〈個人賞〉の「音響・パフォーマンス部門」を受賞した。
【画像】髪ぼさぼさ!縦ロール髪のフリーレン 種崎敦美が選んだベストシーン 本作のアニメーションプロデューサーを務めた福島一郎氏は、「本当に多くのアニメスタッフの力と情熱を注いで制作をしてきた」とし、「本当に多くの人に喜んでいただけたかなっていうのは、いろんな反響を得て感じることができております」と告白。「スタッフと年々一緒にやってやっていく仕事をしているんですけども、彼らがどんどん次のステージに行っているなっていうのを感じていまして。これは多分どんな作品でもそうだとは思うんですけども、この賞をしっかりと大きく受け止めて、今後の、今までのスタッフの歴史であったりとか積み重ねの上で延長戦ではあるとは思うんですけども、今を頑張るスタッフと、制作としてアニメ業界のこれからも発展に尽力していきたいと思います」と語り、「この度は本当にありがとうございました」と感謝を述べた。
また〈個人賞〉の「音響・パフォーマンス部門」を受賞したコール氏は、「こうして賞をいただくのは初めてなんですけど、もうすごくうれしくて」と声を弾ませ、「フリーレンのスタッフの皆さんに感謝の気持ちがすごくいっぱい」と喜びあらわ。「私が子供だった頃からずっとアニメが好きで、好きっていうよりもう本当に好き以上に好きだったんで、それをきっかけに日本に13年前に来て、この業界にもう13年頑張ってきた」と明かし、「アニメ業界の方々はとても優しくて、私は最初の頃は日本語がそんなに喋れなくて、それでもすごく温かく優しくしてくださって、そのおかげで私はここまで来られたと思うと思います」としみじみ。最後には「これからも一生日本のアニメ業界で頑張りたいと思っています」と意気込みを語った。
『葬送のフリーレン』は、2020年4月より『週刊少年サンデー』にて連載中の同名漫画が原作で、魔王を倒した勇者一行のその後を描く“後日譚ファンタジー”。魔法使いのエルフ・フリーレンが、勇者亡き後の世界で、新しい仲間達と共に新たな冒険を繰り広げるストーリーとなっている。テレビアニメは2023年9月〜2024年3月にかけて放送され、第2期が2026年1月に放送される。
東京アニメアワードフェスティバルは、2025年で12回目の開催を迎える国際アニメーション映画祭。日本国内で未興行の世界のアニメーション作品を対象にした「コンペティション部門」、日本国内で発表されたアニメーション作品を対象とした「アニメ オブ ザ イヤー部門」、アニメーション業界に貢献された方々を顕彰し、先人達の歴史、技術、生き様を伝える「アニメ功労部門」を中心に、その他招待作品の上映やシンポジウム、子ども向けのワークショップなどを実施。新たな人材の発掘・育成、アニメーション文化と産業の振興に寄与すること、及び東京の魅力を発信し、東京の観光振興に資することを目的に開催されている。
『東京が、アニメーションのハブになる。』を合言葉に、高いクオリティとオリジナリティに富む世界中の作品を東京で上映することで、世界中のアニメーションを愛する人々との交流を図り、クリエイターや観客に刺激と感動を提供し、そしてその感動や刺激を糧にアニメーションの新たな波を東京から世界へ発信していく。
■『東京アニメアワードフェスティバル 2025』の受賞者・受賞作品
【コンペティション部門】
▼長編アニメーション
・『ボートインザガーデン(A Boat in the Garden)』(グランプリ)
・『クラリスの夢(Clarice's Dream)』(優秀賞)
▼短編アニメーション
・『一人ぽっちの洗濯(Loneliness & Laundry)』(グランプリ)
・『クマと鳥(The Bear and the Bird)』(優秀賞)
▼豊島区長賞
・『ピエトラ(Pietra)』
▼学生賞
・『ヨビとアマリ(Yobi and Amari: Story of Spares)』
▼東京都知事賞
短編・長編グランプリ作品に授与
【アニメ オブ ザ・ イヤー部門】
▼作品賞
・『葬送のフリーレン』(TVシリーズ部門)
・『ルックパック』(劇場映画部門)
▼個人賞
・原作・脚本部門:吉野弘幸(代表作:『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』脚本ほか)
・監督・演出部門:押山清高(代表作:『ルックバック』ほか)
・アニメーター部門:谷田部透湖(代表作:『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』キャラクターデザイン・総作画監督ほか)
・美術・色彩・映像部門:市岡茉衣(代表作:『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』美術監督ほか)
・音響・パフォーマンス部門:エヴァン・コール(Evan Call)(代表作:『葬送のフリーレン』音楽ほか)
▼アニメファン賞
・『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
【アニメ功労部門】
・岩崎正美(プロデューサー 代表作:『ムーミン』『太陽の牙ダグラム』ほか)
・吉井孝幸(プロデューサー 代表作:『クラッシャージョウ』『勇者エクスカイザー』ほか)
・友永和秀(アニメーター 代表作:『ルパン三世 カリオストロの城』『リトル・ニモほか)
・野中幸子(色彩設計 代表作:『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』ほか)
・掛須秀一(編集 代表作:『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』『COWBOY BEBOP 天国の扉』ほか)
・鈴木清司(音楽監督 代表作:『ゴルゴ13』『それいけ!アンパンマン』ほか)
・堀内賢雄(声優 代表作:『機動戦士ガンダムZZ』マシュマー・セロ役ほか)